67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

慕情と言えば・・・

2010-01-26 05:02:13 | jazz & vocal

Clifford Brown And Max Roach At Basin Street

(Emarcy 36070 jp.reissue)

 香港というエキゾチックな東洋の街を舞台にした恋愛映画の名作ですよね。何度かリバイバル上映されているのでご覧になった方も多いと思います。ジェニファー・ジョーンズとウィリアム・ホールデン主演で55年のアカデミー賞受賞作品としても有名ですよね。まあ、この映画を実際見た事がないという方も、あるいは管理人のように見たけどあんまり覚えていない方にも、主題曲の"Love Is a Many Splendored Thing"の魅惑のメロディはどこかで聴き覚えのあるメロディではないでしょうか。ジャズでもたまに取り上げられますが、個人的には国内ものでは以前にアップした菅野邦彦さんの同名アルバムの演奏が印象に残っています。一方、海外作品では本日アップのローチ/ブラウンの演奏、が何と言っても有名ではないかと思います。

 録音は55年。ブラウン/ローチのバンドにハロルド・ランドに入れ替わり参加したロリンズのエマーシー初作品としても知られています。メンバーは言うまでもないですが、Cliford Brown(tp), Sonny Rollins(ts), Richie Powell(p), George Morrow(b), Max Roach(ds)の五重奏団です。このメンバーを見ると当時の名コンボ、マイルス五重奏団とどっちこちない豪華な顔ぶれである事に気付きます。結局はブラウニーの事故死により短命に終りますが、「生きていれば」という仮定が語り草になる要因ともなった快演だとおもいます。特にA面の「慕情」のメロディックなプレイは購入当初から自分の脳みそにシッカリと刻み込まれ、今もなお愛聴しています。「慕情」前後のポーターの"What Is This Thing Called Love"やデポールの「四月の想い出」で構成されるA面はやはりジャズファンにとっては忘れる事が出来ない演奏だろうと思います。ブリリアントなブラウニー、いかにも木管たるサウンドのロリンズ、サイドメンも好調です。手持ち盤が国内盤再発で音が少し薄い感じは否めませんが、彼らの好演はそれを凌駕する出来映えで「スタディ・イン・ブラウン」と並ぶブラウニーを代表する一枚でもありますよね。

 所有盤は前述のように日本フォノグラムの再発でやや音が貧弱な印象です。ドラムセットの隙間からローチの目だけを捉えたショットを使ったジャケのセンスもすばらしいですね。