These Are The Blues/Ella Fitzgerald
(Verve V-4062)
今月に入ってエラをアップするのは2枚目ですが、ある程度これも仕方がありません。何と言っても枚数が半端じゃないですから・・・。多分、ヴォーカルではダントツの枚数が自分のレコーダ棚には収納されています。エラの多くのアルバムは、スタンダードを彼女の独特のフレージングで料理していくところがミソですが、本日のアルバムはブルースに限定した選曲の"These Are The Blues"でMa RaineyやBessie Smithばりのアーシーな魅力を全面に押し出した意欲作です。
バッキングメンバーはWild Bill Davis(org), Roy Eldridge(tp), Ray Brown(b), Herb Ellis(g), Gus Johnson(ds)の五重奏団で全員の溢れるブルースフィーリングがすばらしいですね。特にアーシーな印象を与えているのがデイビスのオルガンとエリスのギターで、彼らの演奏に乗ったエラのボーカルは他のアルバムとは一線を画するソウルフルな仕上がりになっています。選曲も良く、頻繁に取り上げられる"See See Rider"や”St. Louis Blues"の他、タイトル通りブルース曲オンリーで固められています。どんな曲にも見事な対応を示すエラのヴァーサタイルな魅力に感心せざるをえませんね。
所有盤はMGMのT字VERVEのモノラル盤です。ジャケは、ハッと気が付いた方もおられるかもですが、David Stone Martinのオートグラフが確認できます。本当にすばらしいカバーアートですね。