過去問題を解くとき,ページ数を決めて書くと本番に備えてとてもよいトレーニングになる。例えば,1度7ページで書いたら,同じ内容を5ページで書いたりするのである。
内容自体を変えないので,当然「圧縮」する必要が出てくる。このトレーニングが,本番で構成はできたが時間が足りない状態に陥ったときに窮地を脱することができるか,できないで「いつもの調子で漫然と」書いて(当たり前のように)途中答案に終わるか,の大きな分かれ目になるのである。
この「圧縮」スキルは極めて重要である。「更に長く書く」場面は,実際には無さそうだが,短く書かなければならない場面には,むしろ普通に出くわすからである。答練でも同じことができる。実際に書いた分量より短めにして書き直すのである。
刑事系,公法系で,引用する問題文の事情のセレクト,引用するにしても「まま書き」ではなく,ある程度自分の言葉で簡略・要約する能力は重要である(何でもかんでも,他人に論証マンマをその都度用意して貰わないと駄目な人は受からない)。演習編等の講義では,汎用性のある論証を示しているが,それはあくまでもトレーニング過程における「お手本」としてである。「自分の言葉」で最後は自由自在に書けるようになる必要がある。
このような表現を「圧縮」するスキルは,是非鍛えておく必要があるのである。