昨日、中期的な目標を立てた方が良い、と言う話を書きました。これは本当に実践した方がいいと思います。これは本試験も予備試験も同様です。
例えば、本試験受験生であれば、短答落ちの人は当然短答対策をしなければいけません。ここで重要なのは、「いつまでに」と言う締切です。「来年は短答で落ちないようにする」なんて言うのでは全然駄目です。話になりません。「いつまでに8割の得点ラインをクリアーできるようにするのか」、日時に具体性がなければ「目標」ではありません。それはただの「願望」です。
そもそも本試験の場合、論文対策がメインですから、いつまでも短答ばかりやってもいられません。できれば答練の始まる時期までにある程度の水準はクリアしておきたい。仮に「9月末まで」という締切を設けた場合、残り3カ月半です。3カ月半で3科目をクリアしなければいけません。単純に割ると1科目1カ月ちょいしかありません。インプットの教材に何を使うのか、問題は何問解くべきなのか、条文の叩き込み作業は、暗記するのにどれくらいかかるか、と考えていくと、既に恐ろしいほど時間がないことが自覚できます。
この「自覚」が大切なのです。既に本番から3週間近い日が過ぎ去り、喉もと過ぎればではないですが、試験直前の「もっと時間があれば!」という切実な思いは消え去っているのではないでしょうか。
それではまた同じ轍を踏むことになります。今は「長い夏」に感じるかもしれませんが、実は時間は全然足りません。その自覚を常に持つためには、中期的な目標を設定し、追われるように次々とクリアしていく、という流れを作ることが大事なのです。
いきなり垂直に上昇し合格ラインを越える、という現象は起こりえません。右肩上がりの曲線を描いてレベルは上がっていきます。例えば、20年夏のオリンピックに間に合うように会場を建設するには、18年末にはここまで、19年夏にはここまで、と言う具合にその時期その時期にクリアできていないといけない工程があり、もし未達であれば「その時点で」20年夏には間に合わないことが確定します。
「既に年末の時点で19年合格は原始的不能だった」、ということならないように成長ペースを維持していきましょう。その為には中期的に目標を落とし込んでいくことがポイントになるのです。