予備試験・本試験共通科目である、短答民法。是非高得点を獲りたいところです。そこで勉強法について。
1.まずは,短答プロパー要素が強い部分を重点的に復習すべきであるが,論文論点があやふやな人は先ずは基礎固めを優先する。
2.引き続き,WEB問題、過去問題・オリジナル問題などを用いて問題演習を行うが,その際,全ての肢の正誤確認をすること(正誤の理由を各肢全て言えるようにすること:これ大事!)。その問題自体の○×そのものが重要なわけではない。理解に不安の残る部分は,復習して補充すること。
3.民法の場合,判例六法掲載判例は,試験対策として極めて有益である。他の科目と比べても、判例に関する肢の数が突出して多い科目だからである。但し,時間的余裕がない場合,①不得意分野,②頻出分野、という優先順位で読み込んでいくのが良い。
4.民法の学習が終えた後でも,適宜、空き時間等に肢別本を用いて知識の定着度を高める。民法に触れない期間を作らない。
5.民法はまだまだ試験未出題分野が非常に多いので,「インプットは過去問題だけで事足りる(肢別本で足りる)」というのは世迷い事です。
民法の、とは言いましたが、「3」以外は全科目共通ですね(笑)
何となく冬季五輪的な風情な時季ですね。
受験界において,「多数派」を形成するのが不合格者であり,「少数派」を形成するのが合格者である(人数比から当然そうなる)。なので皆さんは「少数派」にならないといけない。
「多数派」は「ぬるい」勉強しかしません。だから結果が付いてこないのです。というわけで「少数派」になれるような、勉強をしましょう。
オリンピックとは違い、試験は参加すること自体にはなんの価値もありません。むしろ受験料取られて辛い思いをするだけです。「メダル獲得」がみなさんに与えられた至上命令なのです。「メダルゲット!」と行きましょうよ。
「確実に受かる為には,不確定要素は可及的に減らしておくべき」ということになる。試験なので,「結果的に」誰かが受かるのは間違いない。しかし,重要なのは,結果的に誰かが受かる,ではなく,「自分が」確実に受かる,ということだと思います。
その場の出たとこ勝負,結果論として相対的に上位になり受かった,では不安定すぎるにもほどがありますよね。ある程度,自力で対処できる(結果をコントロールできる)ようにしておきたいのです。ですから、試験対策としては「ある程度高めに目標を設定して」勉強してほしいのです。
「この程度で受かるんじゃないかな」だと、「ギリ落ちる」、という危険性が高くなります。そもそも人間というのは、目標を100%達成することが中々難しい面があります。「目標の8割程度」、が実際のところではないでしょうか。だとすれば初期設定として、目標は高め(ややハード目に)設定してその到達を目指す、というスタイルが良いと思うのです。
統治はの論文問題は,人権問題に比べれば遥かに定型性があり書きやすいのです。答案を書くとき(=勉強の時の)のポイントを示します。
統治は,背後にある大きな憲法理念から考えるのが常套手段です。立法権は民主主義,行政権は福祉主義,司法権は自由主義,地方自治は地方自治の本旨(住民自治=民主主義と団体自治=対中央との関係で自由主義)が背後に鎮座しておりますです。これらから翻って全て説明できるようにすればokです。
あと,「国民からの距離」をイメージすることも重要です。「主権者国民→国会→内閣→裁判所」です。国会・内閣までは,民主主義が支配し,結果多数派の意見が反映されやすい過程になります。また政治的過程でもあり,「ホットゾーン」です。裁判所は,自由主義が支配し,少数派の意見を守る過程です。そのため,非政治的プロセスであり「クール」な過程です。
間接民主制が原則で直接民主的制度は極めて例外的にしか認めない,ということも知っておきましょう。統治の論点は,三権分立でいう三権同士の権限の抵触の問題(これに国民の関与はどこまで許容されるか,というアレンジもあります。国民投票と41条,裁判員制度と76条などである),というのがあります。要は他の機関の権原を侵食していないか,という問題ですね。
それから憲法典は,「人権保障が目的で,統治機構はその達成手段に過ぎない」ということも忘れないようにしましょう。自由主義と民主主義の関係もあえて言うならば,「自由が主であり,民主が従」と言う関係です。
憲法の論文で現実に出てくる可能性があるのは,地方自治、財政,委任立法あたりでしょうか。少し毛色が異なりますが,私人間効力や部分社会の法理も要注意です。出たときに論点落とししやすいので注意ですよ~。
インプット作業が終わってからが実は本当の試験対策の始まり,とも言える。
問題を解き始めると,「分かるのに上手く書けない」,「上手く表現できない」,「書きすぎてしまった(その逆も)」,「誘導を読み間違えた」,「時間配分が上手く行かない」等という,「実践的な悩み」がドンドン出てくる。これが,合格の為の論文対策における,最重要な「悩み」なのだ。そして合格ミッションの進捗状況としては非常に良いことでもある。
試験勉強における「悩み」の次元を早めにこのレベルに持ってくることが,早期合格のポイントになる。問題を解いて「論点に気付いた,気付かない」、「短答で点が取れない」という基礎体力レベルにおける「悩み」は,まだ「マイナーリーグレベル」であり,「メジャーリーグレベル」ではない。この点を意識して欲しい。「知識不足(基礎力不足)で悩む期間」は可及的に短縮すべし,なのである。早い段階で、「どう問題文を読むのか(問題文の読み方)」,「どう書くのか(論点の選別込み)」という「悩みゾーン」に入ればしめたものだ。
何となく山頂が見えてくる頃とも言うべきか。しかし,見えるけど,「目指す頂き」はまだまだ遠く,そこに辿りつくにはまた違う意味で厳しい登坂ルートが待っているのである。頑張ろう!
改正対応刑法条文マーキング講義
第11回 第246条(途中)~第250条
第12回 第251条~第263条
以上であります。7時間程度になっております。各論についても、短答プロパー知識がメインですが、論文論点にも、問題の所在、各説の紹介、理由づけ、批判などについて言及していますので、論点総チェックができます。気になる改正部分、最新判例もきっちり説明しています。
BEXAの準備が出来次第、近日発売開始です!
改正対応条文マーキング講義刑法
第8回 206条~223条
第9回 224条~235条
第10回 236条~246条(途中)
という塩梅です。1回35分ベースですかね。
第4回 103条~129条
第5回 130条~161条の2
第6回 162条~184条
第7回 185条~205条
と言う感じです。区切れの良さを考慮して、40分くらいの回もあります。
インプット系の講義では、当然重要度に応じたページ配分、説明配分を行います。しかし、この「重要度」と言うのは2つあり、一つは、学問的な意味での重要度。もう一つは、論文試験との兼ね合いでの重要度です。
「学問的には重要でも、論文では出ないだろう」、という箇所は意外にあります。例えば、財産権の箇所で出てくる、国家補償の谷間の問題も、実務的・学問的には重要なのでしょうが、論文試験に出る素材ではありません。投票価値の平等もそうでしょう(短答の判例問題としてはメジャー)。民訴の文書提出命令の要件論あたりもそうです。これらは、事例としてのアレンジが効かないので、出題した場合に単なる知識問題になってしまうため、短答向きではあっても論文向きではありません。分かりやすく言えば、「Aランクだけど論文との兼ね合いではCランク」、と言う感じになります。にもかかわらず、ベターっと講義をすると受験生には負担にしかなりません。
4期の講義・テキストは、メリハリ付けをするという意味で(受験生の負担の軽減になる)、「論文におけるランク付け」を主たる基準として講義を構成しています。もちろん、「学問的ランク付け」も指摘していますし、説明もしていますが、あくまでも「従たる基準」として考えています。一般的にはこれらは短答プロパーではエース級の扱いになりますね。
30分単位でスピーディーに講義していますので、細切れ時間もうまく活用できると思います。
改正法対応の「条文マーキング講義刑法」の収録をはじめました。
第1回 1条~27条
第2回 27条の2~54条
第3回 56条~102条
です。各回30分程度です。