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ご興味のある方は是非。
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私は,ここ2,3年は商法が最難関(災難関!?)科目になっているという風に言っています。特に刑事訴訟法,民事訴訟法が2年続けて大人しくなったので(以前までのような破壊力抜群の問題ではなくなったと言う意味ですが),尚更商法の手強さぶりが際立っています。試験場での試験直後の感想も,「商法がきつかった」という声が目立つようになっています。
商法がやっかいな理由は,妙に実務色が全面に出てくること,条文検索能力が問われていること,受験生が事例慣れしていないこと,誘導がまるでないこと,などだと思います。
受験生的にも,条文を引きたがらない人が多いので,商法における「条文問題」は短答のみならず論文でも深刻化してきています。商法は,「対応する規定がないからどうしましょう」,とか「規則に書いてあるよね?」とか,条文直球問題が多いので,条文検索能力がないと本番で文字通り立ち往生しかねません(特に「条文がないから問題になる」系は,無い条文を探し続けるということになるので深刻です)。
また,事例慣れしていないと言うのは最近私が注意を喚起していることです。商法は,判例を読む際に,あまり事実関係を読み込んでいない人が多いと思います。民法も似ているところがあると思いますが,百選を読むにしても商法の場合は,論点名と結論が分かればとりあえず良し,的なところがあり,いわゆる「本件事案の特殊性」なり「事実の評価」なりはあまり気にしていない人が多いのではないかと思うのです。そのため,判例学習において「生の事実関係に触れる機会」が他の科目にくらべて少ないのです。更に短答の問題も,民法や刑法などは,事例にして聞いてくることが多いですが,商法は,抽象的に条文内容の正誤を聞いてくる○×問題パターンが圧倒的なので,ここでも事例に触れる機会がありません。これは結構な盲点です。おまけに旧司法試験の論文問題は商法は抽象度が高いものが多く(事実上の1行問題的なものが大半),ここでも細かい事実関係に触れる機会が少ないのです。
以上のことから,実は商法は他の科目以上に事例なれしていない可能性が高いので,事実関係から「あれが問題になるんじゃなかろうか」という部分で苦労しているのではと思います。受験生からも「何が問題になるのか検討がつかない」,「答えを聞いても,ああそれが問題になるんだという感じがする」という類の感想をよく聞くのが商法なのです。つまり,「論点抽出能力」レベルで苦戦していると思われます。
以上の点を踏まえ,意識的に商法は長めの事例問題を量的にこなすようにすべきだと思います。