「時節柄、江戸城本丸跡に行ってみた」のつづき、東京国立近代美術館(MOMAT)で観た「美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」のお話です。
この展覧会には、「東京国立近代美術館開館60周年記念特別展」の冠
がついていまして、フライヤー
から転記しますと、
今年開館60周年を迎える東京国立近代美術館は、この重要な年を記念して、全フロアを使い、日本近代美術の100年を回顧する大展覧会を開催します。
60年間の収集活動の成果を問う第1部が縦糸とすれば、60年前の日本における近代美術館誕生の時代を考察する第2部は横糸であり、両者が緊密に連動して、みなさまにさまざまな感動を投げかけることでしょう。
という気合いの入った展覧会です。
実際、MOMATの収蔵品(寄託品を含む)で構成された第1部 MOMATコレクションスペシャルでも、他館の所蔵品が中心の第2部 実験場1950sも、ありふれた表現ながら、かつて教科書
や事典
やTV
で観たことのある作品が、惜しげもなく、 これでもかっ
とばかり、全部で約500点
いやぁ~、満喫いたしました 楽しみました
これで入館料1300円だなんて、申し訳ない
くらいです
展覧会のタイトルにある「ぶるっ」と来た作品を全部採り上げていたら、この記事は終わらない、ずっとって感じで、もう、とにかく「どきどき、わくわく」の連続でした。
そんな作品群の中から、特に「どきどき、わくわくした作品をいくつか書き残しておきます。
先月、世田谷美術館に行ったとき(記事はこちら、、、、って、まだ「対話する時間 世田谷美術館コレクションによる現代美術展」のことを書いていなかった)、次の企画展が「生誕100年松本竣介展」だと知り、ふ~ん、そうか…
程度の感覚だったのですが、この作品を観たとき、「絶対に行くぞ
」と心に決めました
「建物」(1948年)です。
どこがどのように良いのか、、、、は文字にできないのですが、でも、好き
こりゃ、理屈じゃないですナ。
ただ、上に載せた画像が現物の魅力を伝えてくれないのが残念です
好きといえば、やはり、佐伯祐三の作品は外せません
いいなぁ~、好きだなぁ~
風景も人物もぼんやりしながら、ポスターの文字だけがクリアに目に飛び込んできます。
そして、それでいながら、パリの風とか匂いが漂ってくるような気がします。
続いて日本画、、、なんですが、やはり切りがありません。
東山魁夷の「秋翳」は、一見、シンプルな絵なのですが、
「木を見て森を見ない」ならぬ、「木を描き森を描く」ですなぁ
いやぁ、素晴らしい
小倉遊亀の「浴女 その一」も好きだなぁ
そして、デザイン感覚の鋭さが際立つ(ように見える)福田平八郎の「雨」。
どうしてこの作品のタイトルが「雨」なのかと、一見不思議に思うのですが、よくよく見ると
、
降り出した雨
が、瓦に染み込んで、跡を描いています。
ベランダに置いた鉢植えの乾いた土に水をあげたときの、水が土に染み込んでいく感じ が思い出されて、それこそ乾いた心が潤っていく、そんな感じがします。
まだまだ書き足りませんので、まだまだ続きます。
つづき:2012/12/04 美術にどきどき、わくわく!(その2)