新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

紀伊半島旅行記(その9:伊勢編 その3)

2014-05-25 09:43:10 | 旅行記

「紀伊半島旅行記(その8:伊勢編 その2)」のつづきです。

伊勢神宮外宮(豊受大神宮)を参拝して疑問がいくつか湧き上がりました。


   


まず、第一鳥居に向かう「表参道火除橋」はなぜ左側通行なのか?


140525_1_01


ちなみに内宮(皇大神宮)宇治橋右側通行でした。


140525_1_02


この理由は単純で、橋の先にある手水舎(御手洗場)の位置が、外宮では左側内宮では右側にあるからなのだそうな。
ふむふむ、納得です。


   


次は、遷宮(遷座)の順番です。
今回の遷宮(第62回神宮式年遷宮)では、外宮と内宮の正宮は共に右(東)から左(西)に遷座していますが、それぞれの別宮これから遷座(来年1~3月)する外宮の風宮・土宮を含めて左から右へ遷座して(する予定)います。
(下の写真は、翌日訪れた内宮別宮の倭姫宮「右(東)」に新築中でした)


140525_1_03


遷座の方向になにか決まりがあるのでしょうか?


ちょいとググると、右(東)を「米座」(こめざ・こめくら)左(西)を「金座」(かねざ・かねくら)と呼ぶそうで、こちらのブログの記述を拝借すると、


古来から東の「米座」に神様がおられる時代は平和で心豊かな「精神の時代」、西の「金座」に神様がおられる時代は波乱、激動、物質欲が強い「経済の時代」として言い伝えられているという。


だとか。
この「言い伝えられている」キモで、オフィシャルな情報は見つかりませんでした
さらに、正宮と別宮とで順番が逆な理由も見つかりません
この辺の事情を御存知の方がいらっしゃいましたらご教示くださいませ。


   


次の疑問は、外宮別宮土宮なぜ南面していないのか? ということ。


140525_1_04


伊勢神宮のほとんどの社殿が南を向いているのに対して、土宮東を向いて鎮座していらっしゃいます。


東面している神社は珍しくはありませんけれど、伊勢神宮の構成社としては異例だと思います。これには深いわけがあるのではないかと思ったわけで…。
というか、土宮が東面しているおかげで、二つ目の疑問で「東⇔西」ではなく、「右⇔左」という書き方をせざるを得なかったんですよ…


この疑問に対しては、伊勢神宮の公式HPに答が書かれていました。


ところで、他の別宮が全て南面するのに比して土宮だけが東面しています。保延元年(平安末期の1135年)のご造営の際もこの点が問題となり、朝廷においても十分検討され、御卜(みうら≒占い)まで行われましたが、結局は従来通り東面に建てられることになりました。これについては南面に建てれば正宮を後にするとか、地勢の便宜上の理由に拠るとか、古来種々論じられてきましたが、詳らかにしません。但し、理由の如何にかかわらず、東向きにご鎮座するということは外宮ご鎮座以前に遡り、古態を残したものといえるでしょう。


ということで、要は「昔から東面していた」っつうことですな


   


最後に、みんなが手かざししているこれは何?


140525_1_05


上の写真に写っているお二人だけでなく、何人もの人たちが正宮前にある石組みに手をかざしていました。
何の説明板もないこの「謎の石組み」をアップしますと、


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こんな具合。
8個の石で正方形に囲まれた中に、3個の石が寄り固まっています。
何やらいわくありげですが、前記の通り説明板はありませんし、公式マップ(PDF)にも載っていません。


例によってググると、これは「三ツ石」というもので、


昔はこの場所を宮川の支流が流れていましたが、明応7(1498)年の地震で流れが変わり、今は、川はなく少し離れた場所が池となっています。遷宮の修祓 が行われる川原祓所にあたり、川原だったことの名残として三ツ石が残されているのです。


とのこと。こちらのブログを拝見したところでは、公式マップの古いバージョンには名前だけが載っていたようです。
今回の式年遷宮に伴う公式マップの改訂にあたって「三ツ石」削除した神宮の意図は何?
ますます疑問が増えますが、どうやらこちらのQ&Aがそれを解消してくれそうです。


>有名なパワースポットだそうですが・・・
単純に有名人が謂れも何も知らずに「パワースポット」と勝手に持ち上げ流布した経緯の顛末です。
誤った情報が個人ブログや一部の軽薄な観光書籍が発信してしてしまい現在の状況となっています。


「平時は特別な祭などは行われず、紙垂を付けた綱で囲われています」というものが、一部の人たちにパワースポットとしてもてはやされていることは、正統としてプライドの高い神宮にしてみれば、「迷信だと、面白くないのでしょうな、K.I.T


ということで、いくつかの疑問は晴れ、いくつかの疑問は依然として闇の中にあります。


つづき:2014/05/27 紀伊半島旅行記(その10:伊勢編 その4)

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