新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

コロナウィルスにも負けず出かけてきた #6

2020-03-04 10:24:20 | 美術館・博物館・アート

この記事は、「コロナウィルスにも負けず出かけてきた #5」つづきではありません(どちらかといえば「#2」のつづきと言えないこともない)で、きのうのお話です。

「#2」で書いた東京国立近代美術館工芸館への最後のお出かけの際、こちらのフライヤーを入手しました。

おおっ
「桐生のアーティスト2020」展のメインビジュアルに使われているのは、山口晃画伯の作品ではありませんか

このときは、会場の「大川美術館」どこにあるかよく判らないけど、とりあえずフライヤーをもらって帰ろう…ということになりました。

そして、帰宅して「大川美術館」を調べてみると、群馬県桐生市にある美術館で、

公益財団法人大川美術館は,桐生市出身の大川栄二が約40年にわたって収集した日本・海外の作家のコレクションを中心に,市の支援を得て、平成元年に市内を一望できる水道山の中腹に開館いたしました。

とな。
さらに、

現在、日本近代洋画を中心に約6,500点を数える収蔵作品は、日本の美術史に大きな足跡を残す松本竣介(1912~48年)・野田英夫(1908~39年)のコレクションと、二人を軸に、彼らと人間的なつながりのあった画家の作品を中心としています(靉光、麻生三郎、国吉康雄、鶴岡政男、中村彝、難波田龍起、舟越保武、山口長男、脇田和、等)。更に竣介と野田に強い影響を与えたピカソ、ミロ、ルオー、モディリアーニ、ベン・シャーンらに代表される海外作品、清水登之の滞欧デッサン300点、日本の抽象画のパイオニア難波田龍起二人の子供の作品群など、独自のコレクションを誇ります。

と、私のセンサーには、松本竣介舟越保武、そして、ベン・シャーンのお名前がヒット

さらにさらに、今回の企画展のフライヤーの裏面を見ると、山口晃画伯の「ショッピングモール」が載っているではありませんか

「ショッピングモール」といえば、5年前水戸芸術館現代美術センターで開催された「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」制作途上の状態で拝見しました(記事はこちら)

これは大川美術館行くしかないでしょ

   

ということで、私にとって初めて桐生市クルマで出かけてきました。

きのうの行程(走行距離:204km) はこんな具合です。

自宅⇒一般道新見沼大橋有料道路浦和IC東北道岩舟JCT北関東道太田桐生IC⇒一般道(R122ほか)大川美術館⇒一般道(R122 ほか)昼食⇒一般道(R122, R407, R17 ほか) さきたま古墳公園⇒一般道(R17 ほか)行きつけのガソリンスタンドスーパーマーケット⇒自宅

私、恥ずかしながら、群馬県桐生市の存在は知っていましたが、群馬県内のどこにあるかも知りませんでした
考えてみれば、群馬県は、もっぱら通過するだけ(クルマで帰省するときは、館林かするだけ)で、「観光したことがあるのは、富岡沼田・片品のみという寂しさ…。

で、大川美術館のHPで交通アクセスを見ると、

北関東自動車道・太田藪塚I.C.より、68号線経由で30分
 (北関東自動車道は関越自動車道・高崎JCTより分岐します)。

東北自動車道・佐野藤岡I.C.より、国道50号線・122号線経由で50分。
関越自動車道・高崎I.C.より60分。東松山I.C.より60分。
*駐車場は、美術館向かいの「水道山公園駐車場」(無料・20台)をご利用下さい。

とありますが、地図と見比べると、ホントにこれがベストアクセスなのかなぁ…疑問を感じながら、クルマのナビに目的地として「水道山公園駐車場」をセットして出発

そして、前記のルートを採った結果、自宅から1時間50分で、水道山公園駐車場に到着しました。

桐生市立無料駐車場を、大川美術館の利用者が使えるというのは、美術館と市との良好な関係がうかがえますな

   

そして、大川美術館に入場

あれま、観客いません (結局、館内で見かけた観客は、2グループ3名のみ)
おかげで、貸し切り状態で、かつ、新型コロナウィルス感染の可能性皆無に近い状況で、作品をじ~~っくりと鑑賞できました

前半のコレクション展では、初めてお名前を拝見する作家も多く、レジナルド・マーシュ「メリーゴーラウンド」(頭の中では山下達郎の「メリー・ゴー・ラウンド」が鳴り響いてた)とか、ゲオルゲ・グロス「ゴールデンシティ」(ニューヨークは燃えているか? って感じ)とか気に入りました
あと、この方は存じてますパブロ・ピカソの陶芸作品「水差し」も良かった

そして、大川美術館の目玉 ともいうべき松本竣介のコレクション、眼福でしたぁ

館内には、竣介のご子息・(こちらの記事をご参照)の監修を得て再現されたアトリエがあって、これが素晴らしい (このコーナーのみ写真撮影可)

どうして銭函・千両箱が置かれているの? (上の写真のほぼ中央やや左) とか、どうして大工道具の墨壺があるの? とか…

私、他人の書棚を眺めるのが好きでして、松本竣介の蔵書にも興味津々でした。

美術論・芸術論は当然としても、芥川龍之介齋藤茂吉などの文学書もあるし、私がへぇ~ なぜ? と思ったのは、土岐善麿「田安宗武」
田安宗武といえば、徳川吉宗の次男にして、御三卿・田安徳川家の初代当主にして、松平定信
その田安宗武に関する著作がなぜ? です。

調べてみると、この本は、学士院賞を受賞するほどの名著だそうで、その内容は、文芸評論家としての田安宗武を研究したものらしい(こちらをご参照方)
であれば、他の蔵書とも関連性がありますな…

ちなみに著者の土岐善麿は、去年のNHK大河ドラマ「いだてん」に、箱根駅伝創設者の一人・土岐(讀賣新聞)社会部長として登場しておりました。

ところで、大川美術館創設者の大川さんは、どういうつながりで松本竣介のコレクションを始めたかと思ったら、説明板に経緯が書かれていました。

きっかけは、最初に入手した「ニコライ堂の横の道」だそうで、この作品を日がな眺めているうちにどんどん愛着が湧いてきて、松本竣介の作品を集め出したのだそうな。

その「ニコライ堂の横の道」は、再現されたアトリエの壁(真ん中)に、その現物が展示されておりました。

そして、2013年1月世田谷美術館「生誕100年 松本竣介展」(記事はこちら)以来の再会となる「街」

そっかぁ~、この作品は大川美術館の収蔵品だったのかぁ~。
それにしても、この青緑色いいなぁ~

そして、そして、松本竣介コーナーの最後には、結界を示すかのように、松本竣介と旧制盛岡中学校同期だった舟越保武の作品が展示されていました。
しかも、その作品は、秋田県人の私にとって馴染み深い「たつこ像」(もちろん、エスキース)
なんかうれしい

というところで、一息 入れます。

つづき:2020/03/05 コロナウィルスにも負けず出かけてきた #7 

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