新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

男鹿にドライブ #2:なまはげ館&男鹿真山伝承館編

2019-05-04 15:46:15 | MISIA/旅行記

「男鹿にドライブ #1」のつづきです。

2009年8月ですから、もう10年近く前になりますが、わが故郷初めてMISIAのライヴ「MISIA星空のライヴV Just Ballade」が開催され、私は母を連れて参加しました。

なんともなんともすばらしいライヴで、そのときのことを書いたこちらの記事から引用しますと、

MISIA名付けるところ「秋田記念日」のMISIAは、まさに絶好調 声の伸びも響きも声量もフェイクも、これまで私が聴いた中でbestじゃないかと思えるほどで、MISIA自身も相当ノッていた様子。

で、

こんな「絶好調のMISIA」の陰には、「ナマハゲさんのお洋服から抜け落ちたワラ(MISIA談)」が大きな役割を果たしていたようです。
MISIAは前日の(2009年8月)26日、男鹿半島に出かけてきたそうで、そこで生の「ナマハゲさんを見て、ナマハゲの由来や内容を聞いたんだとか(もしかして行った先はこちら?)。そして、身につけると体が丈夫になると言われる「ナマハゲの衣装から自然に抜け落ちたワラ(むりやり引っこ抜いたものはダメです)」を拾って、首に巻いたとな。
MISIAは、「そのせいか、のどの調子が良いんです」と言いながら、ステージ上のドリンク用テーブルに用意されていたそのワラを会場のみんなに見せてくれました。

実際、MISIAが出かけたのは、なまはげ館男鹿真山伝承館で、後日、当時存在していたPrecius TreasureというスペシャルサイトMISIA自身が撮影したという動画レポートがアップされました。

「Precious Treasures」のトップ画面

なまはげ猛々しい登場に、MISIA悲鳴を上げて、映像が揺れる なんて楽しい動画レポートだったのですが、秋田県人たる私がなまはげ館男鹿真山伝承館に行ったことがないというのはどうよ という気持ちになったのも事実であります。

そのときから苦節(?) 10を経て、遂になまはげ館男鹿真山伝承館に行ってまいりました

寒風山の頂上からクルマを走らせること約30分なまはげ館男鹿真山伝承館の駐車場に到着しました。

駐車場は結構なスペースがあるというの、秋田以外のナンバーをつけたクルマで一杯
そうそう、この際に書いておきますと、この日利用した駐車場は、すべて無料でした。
偉いぞ、男鹿

さて、まずはなまはげ館

こちらは、「なまはげ」伝承や歴史についてのパネルや映像展示、昨年11月になまはげと一緒に「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産登録された日本各地の「来訪神」の説明パネルが展示されていました。
そして、目玉は、男鹿市内全域隣接する町集落ごとに行われているなまはげの面ど~んと展示されている「なまはげ勢ぞろい」

もう一丁

「男鹿市内各地で実際に使われていた110体&40枚の多種多様ななまはげ面を見ていると、よく見かける赤鬼&青鬼の「なまはげペア」は、観光用ステレオタイプ化されたものなのだと痛感します。

どのなまはげ面も、素朴で、よい意味で不細工、各集落の素人が仕事の傍ら、隣近所訪問(お祓い)するために作ったんだなぁ~

ところで、私はなまはげ館の受付で男鹿真山伝承館との共通券を購入しておりまして(JAF割引で814円)男鹿伝承館「ナマハゲ習俗学習講座」13:30からの回が指定されていました。

なまはげ館は予想以上にあっさりと見終わってしまってさて、13:30までどうしようか、思いましたが、隣接する軽食コーナー・道楽亭カレーうどんを食べると、ちょうど良い時間となりました。
古民家を利用しているらしい男鹿真山伝承館の前には13:30からの「ナマハゲ習俗学習講座」を待つ人たちが長い行列をつくっていました

ちょっとここで補足説明を。
「ナマハゲ習俗学習講座」とはずいぶん固い表現ですが、要は、大晦日の夜、真山地区のとある民家なまはげがやって来た様子を再現・体験しようというもので、MISIAPrecius Tresureに動画をアップしていたアレです。

で、入口を入り(受付の内側の壁にはいわゆる有名人たちの色紙が飾られていましたが、MISIAのものは見つけられませんでした)

(舞台となる)客間を通ってその奥の部屋へ…。

8畳ほどの「観客席」ぎっしり満杯で、私は「MISIA平成武道館」の 2 & 3日目に続いてまたしても最後列

で、まず、前説があって、

「この家のご主人」ご挨拶のあと、先立のおじさんご主人「さびどこ、よく来てけだすな(=寒い中、良くおいでくださいました)などと会話を交わしたあと、いよいよ、なまはげ大きな物音足音、そして雄叫びと共に乱入

薄暗い上になまはげの動きが速くてうまく撮れませぬ
ちなみに写真 動画とも撮影可です(動画用のライティングはダメ)

なまはげの定番のセリフの「わり子はいねがぁ~(=悪い子はいないかぁ~)に、「いませぇ~んと叫ぶ子がいて、かわいいったらありゃしない

なまはげは、料理お酒でもてなされたあと、その家の子ども嫁さん近況をご主人からヒアリング

ご主人は、「しっかりした子と良くできた嫁だと近所でも評判だ」と説明するものの、なまはげは、持ってきた「台帳を見て、「子どもはテレビでゲームばりしてるし、嫁は食事も作らねで、しょっちゅうカラオケさ行ってる、って書いであるど」と責め立てます。
ご主人はなんとかなまはげを言いなだめて、これで終わりかと思いきや、なまはげはこんどは観客席乱入

でも、さすがに観客の子どもたちには優しく接していたなまはげさんでした。

以上で、拍手をもって「ナマハゲ習俗学習講座」はお開きとなり、客席の最前列に座っていた人たちは、競って「落ちているワラを拾っていらっしゃいました。
退場のとき、なまはげに供された料理を拝見

煮物なますタコ足の刺身、そして焼いたハタハタ…。
まさしく秋田の年末料理の定番でございます

ということで、楽しかった

集落ごとに実施されるなまはげですから、どの家の子はどんな子かは、なまはげ(役)熟知しているでしょうから、脅す限度も承知してるのでしょう。
MISIAなまはげはコミュニティ全体で子どもを躾ける素敵な行事という認識に同感です。

いつだったか、が回ったなまはげ粗相する事件があったり若い人減ってなまはげなり手いないとか、襲撃するべき子ども自体が減っているといった課題を抱えるなまはげですが、観光アイコンとしてだけでなく、地域の重要な行事として受け継がれていって欲しい、と心底思いました。

つづき:2019/05/05 男鹿にドライブ #3:入道崎・完結編

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2 コメント

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新しいナマハゲ (Unknown)
2021-07-12 00:19:11
なまはげも昔の怖いなまはげから変化しているようです。高齢化に伴い、演じるのも御年寄りとなったり、高齢者の方にとっては、地域のつながりを確認できる待ち遠しい存在のようです。知り合いのお爺さんから「子供はいないけれど楽しいナマハゲが見られるよ」と聞いて特別に家庭にお邪魔して見させてもらったのですが、そこで見たナマハゲは3匹ともとても小柄で、聞くと3匹ともおじいちゃんとのことでした。お爺さんとお婆さんと世間話をし、何事も無く終わると思いきやお嫁さんの話になり、「お嫁さんが家事をさぼったり、粗相をしたお婆さんに厳し接するのでお説教してほしい」との二人の要望。これにナマハゲちょっぴり美人で気の強そうなお嫁さんを立たせ、舅姑に直接謝罪するよう諭すと、お嫁さんがまずお婆さんに謝罪、その間何を思ったかナマハゲ3匹はお嫁さんの背後に回りこむと、謝罪している嫁に後ろから背中やお尻をちょこちょこっとスケベにイタズラ。お嫁さんも気づいてナマハゲに抗議するも反省が足りないのではと諭され、謝罪を続けると更にイタズラを追加。その様子がとてもひょうきんで可笑しくて、コミカルに踊るように小さい体からひょいっと指を突き出してお嫁さんのお尻をそーとツンツンしたり、撫で撫でする姿に思わず応援したくなったしまいました。困惑し苦笑いするお嫁さんに、お婆さんも悪戯心が湧いて楽しくお嫁さんを訓戒。謝罪の対象がお爺さんに変わってもそれは続き酒の勢いも手伝って回数もバリエーションもアップ。最後にひょっとこを被ったとびっきり小さいナマハゲがでてきたと思いきや、その年に中学入学したばかりの男の子とのこと。お爺さんお婆さん、そして見ている私達に優しく見守られるなか、なんと「先輩のナマハゲさんと一緒に暴れたい」と高らかに宣言。冷や汗タラタラのお嫁さんの後ろに回りこむとみんなの励ましを背に勇気を振り絞って、おどけるようにお尻をスリスリ、私達も「よいしょっあ、もういっちょ」と手拍子で援護、しまいには男の子「よいしょー」とお嫁さんのお尻に見事カンチョーこれには全員大笑い。お嫁さんもニコニコしながらずっこけ「お義母さんお義父さんごめんね。参りました」と降参。ともすれば重くなりがちな家庭の中に非日常のナマハゲが進入。高齢者を守るだけでなく、小さな体や経験、そして見事なアイデアと勇気を出し切りお嫁さんをターゲットにスケベな悪戯を施して大暴れ、みんなを楽しませ最後は嫁をやっつける、日常を突き破る開放感と楽しさを与えてくれ、伝統とは異なる新しいナマハゲの一端を見るようでした。(それ以降お爺さんお婆さんお嫁さんの距離がぐっと縮まったようです)初めてナマハゲに挑戦した男の子は「勇気を出し切った楽しかった。また来年もここに来たい」といたずらっぽく宣言しみんなに祝福されていました。
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Unknown (徒然煙草)
2021-07-12 09:23:13
コメントをありがとうございます。
なまはげって、子どもを怖がらせるイメージばかりがクローズアップされますが、その標的は子どもと嫁さんなんですな。
そして、コミュニティに加わって月日の短い子どもと嫁さんを、仲間に加えるための「教育」なんですね。
いろいろ深いです。
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