本田靖春。講談社文庫。2007年11月刊。本田さんの自伝で、絶筆、日本への遺言。
日本の未来への危機感、絶望感。「棄権率の高さ・・・大衆を甘やかすのはいい加減にしてもらいたい。投票に行かない連中は惰眠である・・・」(p.上126)。「平和国家の旗を下し・・・同胞よ、本当にそれでかまわないのか」(p.上131)。「私も、若者や娘たちの胸に灯をともしたい、・・・「夜明け」が来ると信じていた。・・・政治には、国家としての理想像がない。つまりは、この日本国には夢がない、・・・そういう基本をないがしろにした指導者の下で、努力はしない、辛抱はできない、そのくせおいしい生活は人並みにしたいという、身勝手で自己中心的な国民が、大量にはびこっている。社会性を欠いた彼らには、・・・日本の腐った政治を変える能力は無い。悲しい予測だが、この国は間違いなく滅ぶであろう」(p.上347)。