Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『もの食う人びと』読了(1/3)

2009年01月15日 07時58分34秒 | Weblog

『もの食う人びと』、12月に読了。辺見庸著。角川文庫。19976月刊。

世界各国での「食」をめぐるルポ。

『ミンダナオ島の食の悲劇』(p.45)。「「謎なんだな」・・・それがいまどうしても謎だというのだ。戦争とそれに伴う極限状況が人類最大のタブーを破らせた」(p.48)

『食と想像力』(p.56)。「私の家のトラ猫・・・猫缶・・・月の食費・・・猫缶製造労働者の平均月収の三分の一以上に・・・」(p.56)。「「あなたの家の猫が食べている缶詰が、どうやってできたものか想像してみたことがありますか?」と」(p.61)

『胃袋の連帯』
(p.62)。「世界一大きいレストラン」。ローラースケートを履いたウエイターたちの滑走。「・・・手で食おうが、フォークとナイフを使おうが、箸でつまもうが、あなたの勝手。かくて、民族、宗教、階級が、平和裏に渾然一体となり、巨大空間における壮大無比の「共食」が展開されるのである。人類は頭ではだめでも、胃袋で連帯できるのかもしれない。・・・もの食う人びとの大群のただなかにいると、そう思えてくる・・・五千人が同時に食事できるこの店で、民族、宗教問題・・・」(pp.64-65)
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●『もの食う人びと』読了(2/3)

2009年01月15日 07時56分53秒 | Weblog
【辺見庸著、『もの食う人びと』
アフリカの角ソマリアの『モガティシオ炎熱日誌』(p.181)。「アンジェラの切れ端を私も食べた。腐っているかと思われるほど酸っぱくて、小屋を出てから吐き捨てた。・・・米軍少佐は、世界はバラ色という調子でのべつ笑っている。・・・米軍攻撃ヘリが出動し、・・・民兵七人を殺した。・・・ソマリア人男児が片足を失った、とやはり笑顔で発表した。殺されたのがほんとうに民兵だったか証拠なし。一般人の可能性も大だ。ガイド・・・が「発表はでたらめ」と怒る。・・・旧東ドイツ出身の兵士が、ソーセージと豆のランチを食べている。それを指さしてイタリア兵が「ありゃクソだぜ」。あれがクソなら、ソマリア人の食事はいったいなんだ、と私は思う。米軍携帯食には・・・まで十数種類もあり、選りどり見どり。・・・フランス軍のには、テリーヌ、ポタージュまでつている。・・・ソマリアを「助けにきた」者たちの食と「助けられる」ソマリア自身のそれの、気が遠くなるほどの落差・・・。人道援助は一億六千六百万ドル、これに伴う国連の軍事活動には十五億ドル以上かかるという。食糧一ドルにつき、軍事費十ドル。どこかおかしい」(pp.192-194)
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●『もの食う人びと』読了(3/3)

2009年01月15日 07時53分52秒 | Weblog
【辺見庸著、『もの食う人びと』
『麗しのコーヒー・ロード』(p.202)。エチオピの「カファ州はコーヒー発祥の地だという。この地名が後にオランダ語、英語のコーヒーの名になった」(p.208)

『バナナ畑に星が降る』(p.221)。「・・・エイズ・・・ウガンダ総人口・・・の九パーセントと聞いた。・・・最大感染地域は・・・推定で二十パーセント以上と教えられた。村によっては、・・・にある者の大半が感染しているともいう。だが、「なぜ、こんなに多く」が埋まらない。「気がついた時には、手もつけられない状態になっていたんだ」」(p.224)

ある日の記憶を殺しに(p.325)。「ピビムパプを食べ終えた李さんがお辞儀し、実に美しい日本語で言った。「たいへんおいしくいただきました」」(p.336)。「・・・さんに、うちの淋病うつしたね。・・・さん、お土産としてあの世に持っていきます言ったね」(p.342)。石坂啓さんの『安穏族』。
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