[森友学園を巡る経緯 (東京新聞 2019年4月24日)↑]
リテラの二つの記事。【近畿財務局職員を自殺に追い込んだ「森友公文書改ざん」は財務省・佐川局長だけの責任じゃない 事実上、安倍首相の指示だった】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5320.html)と、
【近畿財務局職員「遺書と手記」で麻生太郎財務相の答えが酷い! 財務省も赤木さんを“嘘つき”扱いの説明】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5323.html)。
《佐川宣寿・理財局長(当時)の改ざん指示や財務省の圧力、そして赤木さんが犯罪を強いられて悩み苦しみ、心身を蝕まれ、ついには死を選択するまで追いつめられる様子に、ネット上でも「怒りで手が震えた」「こんなことが許されていいはずがない」といった感想が数多く投稿されている。だが、そんななかで、なんとも無責任な態度を見せた人間がいた。ほかでもない、改ざんの原因をつくった安倍首相だ》。
《麻生財務相はこう述べた。「手記に基づいて新たな事実が判明したとは、ちょっと私ども読んでおりませんからわかりませんけど、(財務省が発表した調査報告書とは)大きな乖離があるであろうというふうには考えていない」 どうして赤木さんの遺書と手記がここまで大きな関心を集めているかといえば、その内容が財務省の報告書を根底から覆すものでもあるからだ。にもかかわらず、麻生財務相は「(遺書と手記を)読んでいない」と言ったくせに、調査報告書とは「大きな乖離があるとは考えていない」と宣ったのである》。
『●《改ざんを命じられたときも相当抵抗…。やっているのは犯罪。
自分の信念や理に反して悔しかっただろう》』
『●《近畿財務局元職員の妻が…佐川宣寿氏と国を相手に…大阪地裁に提訴》
…《前代未聞の改ざんなのに、最高責任者の麻生太郎財務相》は?』
『●近畿財務局元職員のご遺族が提訴…《刑事罰どころか出世していた
財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》や行政府の長、財務相の冷酷非道』
「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」をキッカケに、《文書に「安倍昭恵首相夫人」》とあったが故に、ウルトラ差別主義者の麻生太郎財務相の下、公文書の改ざんが近畿財務局元職員に強要された。様々な〝種〟を撒きまくる「私人」のアベ昭恵様が〝タマ〟を込め、アベ様の啖呵が〝トリガー〟となり、〝マフィアのボス〟な財務相の下で《刑事罰どころか出世していた財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》が忖度して、無理やり改ざんさせた。
パワハラにより森友公文書改ざんという犯罪を強要したのだ。一方、真の犯罪者達は…《なんとも無責任な態度》な行政府の長や財務相、財務省幹部官僚達…。《信じられないような言動を繰り広げているのが、告発を突きつけられた「当事者」たちだ》。倫理観の欠片もない行政府の長と財務相らの冷酷非道。
特に、ウルトラ差別主義者な財務相。《この男は改ざんがおこなわれた際の財務省のトップだ。公文書改ざんという国家的犯罪が引き起こし、ひとりの命を奪ったというのに、安倍首相は辞任せず続投させた。それ自体が異常だったのだが、挙げ句、この態度……。ようするに、反省がまるでないだけではなく、自分たちが何をしでかしたかという罪の意識さえ持っていないのだ》!! 《赤木さんと遺族への冒涜、“2度目の殺人行為”に等しいもの》。
そして、検察の堕落。《政治的独立性を保持すべき検察の捜査結果に、官邸が法務省を通じて介入していた》、《この官邸─黒川というラインが大阪地検特捜部の捜査に介入していた》。なぜアベ様らは、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長(再延長・再々延長可)に拘っているのか?
沖縄タイムスの【社説[森友改ざん 遺族が提訴]手記を基に真相解明を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/549738)によると、《命を懸けた「告発」を公文書改ざんの真相解明につなげなければならない。…訴状などによると、安倍晋三首相が2017年2月、国会で「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁したのが改ざんのきっかけである。財務省理財局長だった佐川氏は17年2~3月、部下に「森友学園を厚遇したと取られる疑いがある箇所は全て修正するように」などと具体的に指示した》。
リテラの記事【俳優・伊勢谷友介が自殺した近畿財務局職員の手記を読み危機感表明!「この問題国民として放っておいて良いわけない」】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5319.html)によると、《〈この問題国民として放っておいて良いわけない。官僚は誰のために働いているのか? 政治家ではなく、国民のためのはず。そうでない現状は政治の仕組みが崩壊しているという事。国会は政治家が嘘をつく場所になり、官僚が公文書と言う事実を抹消する日本の政治。放っておいて良いわけない。〉 伊勢谷は政治的な発言をすることはそう多くはないが、空気には流されず、社会問題に対しても本質を見抜く鋭い洞察力をもっている》。
西江昭吾記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]声なき叫びは届かないのか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/549377)によると、《▼「最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ」。震える手で書かれた文字。無念さは察するに余りある ▼これだけの新事実が明るみに出てもなお、安倍晋三首相は再調査の必要性を拒む。「検察で既に捜査を行い、結果が出ている」。前代未聞の不祥事を起こしながら、誰もまともに責任を負わない…上からの命令に苦しみ、絶命した赤木さん。その声なき叫びを歯牙にもかけない為政者の姿は、職員たちの目にどう映るだろうか。(西江昭吾)》。
横山大輔記者による、東京新聞の記事【森友再調査 首相拒否 職員遺族提訴「検察が既に結果」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202003/CK2020032002000151.html)によると、《「検察が既に捜査を行い、結果が出ている。麻生太郎財務相の下で事実関係を徹底的に調査し、明らかにした」と野党側が求めた再調査を拒否した。(横山大輔)》。行政府の長も財務相も冷酷無比にも再調査を拒否。
検察も犯罪を犯している。黒川弘務・東京高検検事長の定年延長(再延長・再々延長可)したい理由がよくわかる。リテラによると、《佐川前理財局長ら財務省全員不起訴は最初から決まっていた!“法務省の安倍官邸代理人”黒川事務次官が捜査潰し》だそうです。
非常に期待されていた大阪地検の山本真千子元特捜部長がアノザマ…。(リテラ)《にもかかわらず、大阪地検特捜部がこの改ざんを立件できなかったのは、もちろん、官邸から圧力がかっていたためだ。いま、“官邸の番犬”と呼ばれる黒川弘務・東京高検検事長の違法な定年延長が問題になっているが、当時法務省事務次官だったこの黒川氏が官邸の意を受けて捜査ストップに動き、山本真千子・大阪地検特捜部長(当時)と裏取引をおこなったという情報も流れていた》。
『●アベ様政権は大阪地検特捜部長を函館地検検事正に昇進させ、
「森友問題の幕引きを一気に図る魂胆」』
「日刊ゲンダイの記事【安倍政権また忖度に“ご褒美” 森友不起訴の
特捜部長が栄転】…。《露骨な論功行賞だ――。法務省は25日、
大阪地検の山本真千子特捜部長(54)の函館地検「検事正」への異動を
発表した。山本氏は、森友問題で刑事告発されていた
佐川宣寿前理財局長ら38人を全員不起訴にした責任者。地検トップの
検事正への異動は栄転だ。森友問題の渦中にあっても国税庁長官に
昇格させた佐川氏同様、安倍首相を守り抜いたご褒美である》」
琉球新報の【<社説>森友問題の職員手記 組織的不正を再調査せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1092915.html)によると、《政府の隠蔽体質が色濃く浮かび上がった。…安倍晋三首相が「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことをきっかけに、財務省の隠蔽工作は始まった。理財局は昭恵夫人らの名前が記載された書類の存否を調べ、近畿財務局に伝えて交渉記録を廃棄していた。改ざんを強制された赤木さんは「学園への厚遇と受け取られる箇所は修正するよう指示があったと聞いた」「抵抗したとはいえ、関わった者として責任をどうとるか」と良心の呵責に苦しんでいた。改ざんに直接関わった職員の告発だけに、公になった証言内容が持つ意味は重い。手記を公表した赤木さんの妻は、真相解明を求めて提訴に踏み切った。これに対し、麻生太郎財務相は「新たな事実が判明したことはない」として再調査を否定している。18年6月の財務省の調査報告書は、佐川氏の指示を明確には認めておらず、改ざんに抵抗した職員がいたことにも触れていない。手記の記述と不一致がある以上、再調査は不可欠だ。手記を読んだ安倍首相は「痛ましい出来事だ」と述べる一方、再調査は否定した。「胸が痛む」という言葉が本当なら、遺族の意をくんで速やかに調査を指示すべきだ》。
=====================================================
【https://lite-ra.com/2020/03/post-5320.html】
近畿財務局職員を自殺に追い込んだ「森友公文書改ざん」は財務省・佐川局長だけの責任じゃない 事実上、安倍首相の指示だった
2020.03.20 07:48
(首相官邸HPより)
森友問題の決裁文書改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんが遺した遺書と手記が、大きな反響を呼んでいる。
佐川宣寿・理財局長(当時)の改ざん指示や財務省の圧力、そして赤木さんが犯罪を強いられて悩み苦しみ、心身を蝕まれ、ついには死を選択するまで追いつめられる様子に、ネット上でも「怒りで手が震えた」「こんなことが許されていいはずがない」といった感想が数多く投稿されている。
だが、そんななかで、なんとも無責任な態度を見せた人間がいた。ほかでもない、改ざんの原因をつくった安倍首相だ。
19日、国会で野党から「職員の方の無念の思い、ご遺族の方の気持ちに対して、もう一度しっかりと再調査することが非常に重要だ」と追及されると、安倍首相は「検察においてすでに捜査をおこなっているものと、結果が出ているものと考えておりますが、麻生(太郎・財務)大臣のもとで事実関係を徹底的に調査し明らかにしたところです」と答え、再調査を否定したのだ。
検察の捜査で結果が出ているとか、財務省が麻生大臣のもとで事実を徹底的に明らかにしたとか、よくもまあ、ぬけぬけとこんなことが言えたものである。赤木さんの手記の内容はまさにその検察の捜査や財務省の調査を根底から覆すものなのだ。それを無視して、再調査を否定するとは……。
その前日、18日も安倍首相の態度はひどいものだった。官邸をあとにする際、記者からコメントを求められた安倍首相は「大変痛ましい出来事であり、本当に胸が痛みます」などと他人事のようなコメントをした挙げ句、国会答弁と同様に「麻生大臣のもとで徹底的に調査し明らかにした」と強弁。そのままくるりと背を向け、足早に立ち去ったのだ。逃げる背中に向かって、記者からは「総理、ご自身の責任についてはいかがでしょうか?」という声があがったが、安倍首相はその質問に答えることはなかった。
こんな態度をこのまま許していいのか。今回の遺書と手記によって佐川理財局長の指示ははっきりしたが、この問題でもっとも問われるべきは、安倍首相の責任なのだ。なぜなら、赤木さんを死まで追い詰めた公文書改ざんは、安倍首相が国会で野党からの追及に逆ギレして述べた、この一言がすべてのはじまりだったからだ。
「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」
この答弁が飛び出したのは2017年2月17日だったが、このあと、大きな変化が出てくる。1週間後の24日に佐川理財局長が「交渉記録は破棄した」と答弁するなど、急に強気な答弁を繰り返すようになるのだ。そして、赤木さんの手記でも、財務省の調査報告書でも書かれているとおり、2月26日に近畿財務局で決裁文書の改ざんがはじまるのである。
しかも、安倍首相の改ざんへの関与は、けっして間接的なレベルにとどまらない。安倍首相は「総理を辞める」宣言のあと、菅義偉官房長官に指示を出していたことを国会でも認めている。安倍首相は、その指示内容を「私の家内の名前も出ましたから、しっかりと徹底的に調べるように」というものだと説明していたが、言葉がもしそうだったとしても、受け取った側は「徹底的に抑えろ」と解釈したはずだ。
実際、これを受けて、菅官房長官は22日に財務省の佐川理財局長と中村稔・総務課長、太田充・大臣官房総括審議官を呼び出している。ここで佐川氏は、昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏が森友学園の小学校に賃料引き下げの優遇措置を適用できないかなどと財務省に照会していたことを報告しているのだ。
そして、26日からはじまった改ざん作業では、財務省の指示により、真っ先に昭恵夫人や安倍首相の名前が入った箇所がことごとく削除されていく。その作業を強要されたのが、赤木さんだったのである。
■『news23』小川彩佳「政治家は誰ひとり責任を取っていない」
そもそも一介の官僚でしかない佐川氏が、自分の国会答弁と辻褄をあわせるために近畿財務局まで巻き込んで公文書を改ざんするよう指示をおこなうことなど現実的にはありえず、もっと大きな力が働いていたことは確実だ。しかも、少なくとも22日の段階で官邸と財務省が昭恵夫人の関与を示す文書が存在することを確認・共有していたこと、真っ先に昭恵夫人や安倍首相の名前を削除されていった事実からも、この公文書の改ざんは安倍首相の「総理を辞める」答弁が引き金となり、安倍官邸が佐川理財局長に指示をしておこなわれたとしか考えられないのだ。
実際、財務省の背後に安倍官邸の存在があることを裏付ける証拠もある。それは、2018年8月に日本共産党が公開した「航空局長と理財局長との意見交換概要」という文書だ。
この概要は、2017年9月7日に、国税庁長官に栄転した佐川氏に代わって理財局長となった太田氏と中村総務課長の財務省コンビと、国交省の蝦名邦晴・航空局長、金井昭彦総務課長(すべて当時)の4名が、会計検査院の検査や国会対応への協力関係を確認し意見交換をおこなった際の発言録だ。
この文書では、太田理財局長と中村総務課長の財務省側は何度も「官邸」という言葉を持ち出し、官邸の意向を気に掛けているのだが、そのなかで、太田・中村側はこんな発言をおこなっている。
「検査院に対しては官邸だからといって通用しない。説明していくタイミングも考える必要がある。両局長が官邸をまわっている姿をマスコミに見られるのはよくない。まずは寺岡を通じて官房長官への対応するのが基本。与党へもいずれは何らかの対応が必要だろう。相手は検査院なのでこのような報告が出てしまうのはしかたがないとの認識を持たせていくことが必要」
「寺岡」というのは寺岡光博・官房長官秘書官のことを指していると思われるが、じつは、寺岡氏は前述した2017年2月22日の菅官房長官が佐川氏や中村氏、太田氏らを呼び付けた面談にも同席していたことがわかっている。つまり、会計検査院の報告や国会対応をどうごまかすかを、財務省はパイプ役の寺岡官房長官秘書官を通して、狡猾かつ綿密に安倍官邸と相談・報告をおこなっていたのだ。
証拠はこれだけではない。2018年6月に共産党の辰巳孝太郎議員(当時)が独自入手して参院決算委員会であきらかにした財務省と国交省のやりとりをまとめたメモには、さらに衝撃的な事実が出てくるからだ。
この文書は、財務省が森友学園側との交渉記録(応接録)と改ざん前決裁文書を2018年5月23日に国会提出することを決めたのと同時期に作成されたと思われるもので、そこには〈近畿財務局と理財局のやり取りについては、最高裁まで争う覚悟で非公表とする〉という発言が飛び出すなど、改ざんの事実が明るみに出たあとも財務省が文書を隠蔽していることを示す重要なものなのだが、さらにこんな記述も出てくるのだ。
〈5/23の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している。官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が5/25夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。〉
刑事処分の発表後に調査報告書を出す──。事実、大阪地検特捜部が佐川氏をはじめ告発されていた財務省幹部および近畿財務局職員計38人の不起訴処分を公表したのは、2018年5月31日のこと。財務省が調査報告書を公表したのは4日後の6月4日だ。つまり、財務省は佐川氏らが不起訴となる結果をすでに把握しており、その上でいつ調査報告書を出すかを決めていたのだ。財務省の調査報告書は完全な出来レースだったのである。
だが、注目すべきは、〈官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている〉という部分だ。これは、大阪地検の不起訴処分という捜査結果を早く公表するよう、官邸が法務省に対して圧力をかけていた、ということ。ようするに、政治的独立性を保持すべき検察の捜査結果に、官邸が法務省を通じて介入していたことを、この文書は裏付けているのである。
しかも、当時の法務省事務次官は、現在、違法な定年延長が問題になっている黒川弘務・東京高検検事長だった。本サイトでもお伝えしてきたように、当初は佐川氏らの立件を目指していた大阪地検特捜部の捜査を潰したのは黒川氏だと言われており、実際、黒川氏が官邸の意を受けて捜査ストップに動き、山本真千子・大阪地検特捜部長(当時)と裏取引をおこなったという情報も流れていた。この官邸─黒川というラインが大阪地検特捜部の捜査に介入していたことは、この文書でもあきらかなのだ。
改ざんにいたる前の佐川氏ら財務官僚との秘密の面談、その後の国会答弁や会計検査院の検査についての綿密な相談・報告、そして大阪地検特捜部の捜査結果まで──。すべてにおいて、安倍官邸が司令塔となって取り仕切っていたことは、疑いようもない事実なのである。
しかし、ここまで証拠がありながら、安倍首相は一向に責任を認めようとしなかった。それどころか、公文書改ざんという国家的犯罪を引き起こし、赤木さんを死まで追い詰めたというのに、あろうことか麻生財務相を続投させた。結局、安倍首相に反省の色は微塵もなく、その後も「桜を見る会」という税金の私物化や公文書廃棄といった森友疑惑と同じ問題を平気で繰り返している。
だが、赤木さんの遺書と手記が公開され、良識をもって公文書改ざんに抵抗した人物をいかに踏みつけにしてきたのかがはっきりと示されたいま、自分に責任などないという姿勢を取りつづける安倍首相を、許すことはできまい。
実際、普段は弱腰なテレビからもそうした声もあがっている。昨日19日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、赤木さんの遺書と手記が公開されたことについて、女優の高木美保がこんなコメントをしていた。
「もしかすると佐川さんという人が(改ざんを)やらせたのかもしれないけども、それが忖度による判断だったと。誰に忖度したかって、政治家ですよね。総理大臣、あるいは家族なのかもしれませんが、そういったことをやはりシラを切りつづけて、国会の場でもあれだけ『文書がありません』『残っていません』、そういったことを言いつづけたことに対して、私たち国民は『もう過ぎたことだよね』って言っちゃいけないなってことを、人間として教えられた気がします」
また、18日放送の『news23』(TBS)では、小川彩佳キャスターが「まずは赤木さんの意志を継いだ奥様に敬意を表したいと感じるんですね。それがなければ、私たちは赤木さんから見えていた景色を見ることができなかったわけです」と言及した上で、「この件について政治家は誰ひとりとして責任を取っていないという現実があります」と指摘。それを受けて星浩氏は「安倍首相が根拠のない国会答弁をして、その答弁に合わせて官僚たちが文書を改ざんするということになって、赤木さんは板挟みにあって悩んだ末に自殺に追い込まれるという、前代未聞の事件」と言い、安倍首相や麻生財務相の責任は極めて重いとした。
赤木さんから見えていた景色を、遺してくれた言葉によって私たちは知ることができた。だからこそ、私たちは、もう見過ごすことはできない。改ざん問題を引き起こした責任を、安倍首相に今度こそは認めさせなければならないのである。
(編集部)
=====================================================
=====================================================
【https://lite-ra.com/2020/03/post-5323.html】
近畿財務局職員「遺書と手記」で麻生太郎財務相の答えが酷い! 財務省も赤木さんを“嘘つき”扱いの説明
2020.03.21 12:18
(自民党HPより)
森友文書の改ざんを強要され、2018年3月に自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんが遺した遺書と手記は、大きな波紋を呼びつづけている。Twitterでは「#赤木さんを忘れない」というハッシュタグがつくられ、トレンド入りを果たした。
だが、こうして多くの人びとが、赤木さんの「決死の告発」に悲しみと憤りの声を寄せる一方、信じられないような言動を繰り広げているのが、告発を突きつけられた「当事者」たちだ。
安倍首相は「麻生大臣のもとで事実関係を徹底的に調査しあきらかにした」などと言い募って再調査を拒否していることは既報で取り上げたが、その麻生太郎財務相の言動も相当酷い。遺書と手記が公開された18日、麻生財務相はこう述べた。
「手記に基づいて新たな事実が判明したとは、ちょっと私ども読んでおりませんからわかりませんけど、(財務省が発表した調査報告書とは)大きな乖離があるであろうというふうには考えていない」
どうして赤木さんの遺書と手記がここまで大きな関心を集めているかといえば、その内容が財務省の報告書を根底から覆すものでもあるからだ。にもかかわらず、麻生財務相は「(遺書と手記を)読んでいない」と言ったくせに、調査報告書とは「大きな乖離があるとは考えていない」と宣ったのである。
しかし、この「読んでいない」というのは嘘だった。19日の閣議後会見で麻生財務相は再び「手記と調査報告書の内容に大きな乖離があると考えてない」と言い、「再調査をおこなうということをいま考えていない」と発言したのだが、テレビ東京の記者から「大臣はまだ遺書や手記をご覧になっていないということなのでしょうか」と質問されると、麻生財務相はこんなことを言い出したのだ。
「週刊誌で出された、あれ以上のものを見たわけではない」
「(「週刊文春」の)ゲラみたいなやつを読みましたよ。それ以上のものを、現物を読んだかといったら、私は現物をいただいてませんから」
唖然とするような返答だが、ここでテレ東記者は“遺書や手記は財務省や麻生大臣に宛てて書いたものとも考えられる”と追及し、「感想を聞かせてもらってもいいか」と質問したのだが、麻生財務相は「読んでいないのでなんともお答えしようがない」と回答を拒否。それでも記者は「(遺書と手記は)ゲラと同じ内容だ」と食い下がったのだが、麻生財務相は「同じ内容だったかどうかはわからない。あなたの話が本当かはわからないからね」などと返したのである。
改ざんを強要された本人が遺した告発を、むちゃくちゃな詭弁で徹底的に無視する──。当然、このあとも記者からは森友関連の質問が飛んだが、麻生財務相の態度は変わらずじまい。しかも、会見の終わりには麻生氏が記者に向かって「最後に」と言い、薄ら笑いを浮かべながらも食いかかるように、こんな“説教”をはじめたのだ。
「ちょっとさあ、財金(財務金融)だったらさあ、WTI(原油価格)が20(ドル台まで)も下がってどうですかくらい(質問は)出んのかね? えらいことじゃないの(笑)」
「いつもだったら訊きそうな話じゃないか。(中略)みんなシラーっとして、『森友』。ここは社会部じゃない、ここは財金やってるんだから。少なくともこれぐらいでかい話、いまないと思うけどねえ」
■財務省が改ざん指示について「パワハラ」と認めるも、すぐに「業務上の指示」と訂正
繰り返すが、財務省の報告書を根底から覆す事実が出てきたことは、財務省の信用にかかわる非常に大きな問題だ。だというのに、麻生財務相は赤木さんが遺した遺書と手記の問題を“原油価格下落のほうが大きなニュースだろ”“森友などと言っている場合か”と言わんばかりに上から目線で記者を威圧し、会見場をあとにしたのである。
言うまでもなく、この男は改ざんがおこなわれた際の財務省のトップだ。公文書改ざんという国家的犯罪が引き起こし、ひとりの命を奪ったというのに、安倍首相は辞任せず続投させた。それ自体が異常だったのだが、挙げ句、この態度……。ようするに、反省がまるでないだけではなく、自分たちが何をしでかしたかという罪の意識さえ持っていないのだ。
夫の遺志を引き継ぎ、勇気をもって遺書・手記の公開と提訴に踏み切った赤木さんの妻をはじめ、残された赤木さんの遺族がこの会見を見たら、どんな思いになるのか。この麻生財務相の態度は、赤木さんと遺族への冒涜、“2度目の殺人行為”に等しいものではないか。
だが、赤木さんと遺族を冒涜しているのは、麻生財務相だけではない。安倍政権の言いなりとなった財務省の官僚たちも、酷い答弁・説明を繰り返しているからだ。
18日の参院外交防衛委員会では、野党統一会派の小西洋之参院議員が「この遺書を見て、本省の指示による違法な改ざん行為を強いられたことが自殺の原因だと財務省として認識しているか」と追及したが、財務省側は「パワハラ等の関係については個人のプライバシーにかかわることなのでお答えは差し控える」と答弁。これを受けて小西議員は「改ざん強要を『パワハラ』と言っているのか?」と質問すると、財務省側は「言葉を訂正します。『業務上の指示』です」と答弁し直した。つまり、パワハラを認めないばかりか、公文書の改ざんという犯罪行為を財務省はこの期に及んでも「業務上の指示」などと呼んでいるのである。
さらに、野党4党が立ち上げた「森友問題再検証チーム」による合同ヒアリングが19日におこなわれたが、野党議員は財務省の調査報告書とは決定的に違う記述が手記にはあることを次々に指摘、佐川宣寿・理財局長(当時)ら本省側が近畿財務局に対しておこなった改ざん指示のメールがあるはずだとして、メールや指示書の提出と再調査を要求した。
しかし、財務省側は麻生大臣と同様に「大きな齟齬はない」としてこれを拒否した上、本当はあった法律相談の文書を会計検査院の検査では「文書として保存していない」と説明しろと本省から指示されていたという赤木さんの手記の内容を突きつけられても、財務省側はその事実を無視して、赤木さんが〈虚偽答弁〉だと指摘している麻生財務相らが国会でおこなってきた説明を繰り返す始末。
その上、財務省のこの態度に対して今井雅人衆院議員(無所属)が「赤木さんは嘘をついているってことですか?」と指摘すると、財務省側は「まあ、いろんな見解があるんだろうと思いますけれども」などと発言。これには共産党の宮本徹衆院議員が「不誠実だよ! いまの、虚偽答弁だってあきらかになっていることについてさ。その虚偽答弁にしがみついて、なに説明してるんですか! 恥ずかしくないですか!」と声を荒げた。
■大阪地検特捜部が押収した赤木さんの“クリアファイル”に詳細な改ざんの記録が……
自殺に追いやっただけではなく、真実を書き残した赤木さんの遺志を「死人に口なし」という態度で踏みにじる安倍首相や麻生大臣、その言いなりになる財務官僚たち……。この調子で、赤木さんの命をかけた告発をもなかったことにしようとしているのである。
だが、果たしてこのいつもの手が今回は通用するだろうか。というのも、赤木さんは公開された遺書や手記だけではなく、もうひとつ重要な文書を遺しているからだ。
赤木さんの妻は18日に国と佐川氏を提訴したが、その会見で代理人弁護士が明かしたところによると、じつは赤木さんは、改ざんの経緯について詳細に記録したクリアファイルを残していたというのだ。
弁護団の説明では、赤木さんの上司だった近畿財務局の池田靖・統括国有財産管理官が弔問に訪れた際、妻に対して「赤木さんはかなり詳細なファイルをつくっていた。そのファイルを見れば、誰の指示で、どこを改ざんしたのかは一目瞭然になっていた」というような話をしたという。そのクリアファイルは大阪地検特捜部による捜査において任意提出しされたというが、不起訴となったため、近畿財務局に戻っているのではないかと見られている。裁判では裁判所に文書提出命令を求めることで、このクリアファイルの中身があきらかになる可能性があるのだ。
誰がいつ、どんな指示を出し、森友文書は改ざんされていったのか。内容によっては、財務省を動かしていたであろう安倍官邸の関与を示す新たな証拠が出てくることも十分考えられるだろう。
今度こそは、何ひとつ責任をとっていない安倍首相や麻生財務相に、自分たちが何をしでかし、ひとりの人生をいかに蹂躙したのかを直視させなければならないのだ。このままで終わらせることなど、絶対にできない。
(編集部)
=====================================================