エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

年寄りの愉しみ 朝毎の恵み

2016-02-22 03:26:25 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
一人豊か
  夜明けの悦びを知って生きたいものですね。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p85の4行目途中から。 &...
 


 

 

  子どもには、悦んで関わってくれる大人が、少なくとも1人必要です。それが母親ならば最高です。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の、p.107のから。後半です。

 

 

 

 

 年を取れば、自分自身の力に対する不信を感じざるを得なくなりますよね。時は、健康で来た人にも、筋骨粒々で来た人にも、衰えをもたらすものですから、身体が弱くなるのを防げる人などいませんね。希望は、簡単に絶望に変わっちゃうかもね。だって、思うに任せないことがだんだんと増えてきますし、年と共に、あるいは、突然に、ふがいない自分と向き合わなくちゃならないんですからね。日々の簡単なことでさえ、するのが難しくなったり、腰が重くなったりもしますしね。そりゃぁ、年を取れば、疲れやすくなりますし、気が重たくなるものですよ。でもね、年を取れば取ったで、お日様が夜には落ちるのも、物の道理として受け入れる気構えみたいなものが出来ますし、朝ごとに、お日様が昇るのを見るのが楽しみになりますよ。光があれば、希望も湧いてきますから、朝の、明るい日の光と、お示しが、どんな(素晴らしい)ことをもらたしてくれるのかは、神様だけがご存知です

 

 

 

 

 

 実に落ち着いていて、それでいて、悦びが滲み出ている文書です。ジョアンならではの文体です。

 まるで、マハトマ・まど・みちおさんの詩のようですものね。「トンチンカン夫婦」や「れんしゅう」の詩を思い出しますもんね。

 年をとれば、いろんな困難や憂鬱に見舞れがちです。ジョアンもそれを嫌というほど知っていたはずです。しかし、そんなことがあっても、朝毎に日は昇り、お示しを戴く毎日です。一応()に入れましたけれども、素晴らしいことを朝毎に発見していたのじゃないかしらね。文書そのものはニュートラルにも取れるのですが、その委ね切った文体からは、毎朝に素晴らしい何かがもたらされていたことが分かります。

 ジョアンは、根源的信頼が非常に豊かな人だということが、ハッキリと分かる文体です。

 

 

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