エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

子どもの弱みに付け入る大人たち

2016-02-06 00:04:02 | アイデンティティの根源

 

 

 
一隻眼
  感覚を研ぎ澄ましていくこと、それがあらゆる叡智の源です。 p67の4行目から。    &nbs...
 

 

 エネルギーを生かすも殺すも、自分次第です。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.255の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 第2の危機は、幼年期の危機ですが、のちのち人間の意志となるものの、赤ちゃんの頃の源を育みます。それは、意地からわがまままで様々です。この危機を乗り越えることは、ひとりびとりが、オートノミー自律の感じが主な心の傾きになるのか、あるいは、恥と疑いの感じが主な心の傾きになるのか、が決まります。人が強すぎるわがままに制限を加えるので、不可避的に大人と子どもの関係を支配する正義に対して疑いが生まれますこの疑いを大人たちがどのように解決するのか次第で、無傷の意志と自省、反抗と責任を結び付ける力を将来もちうるのかどうか、が決まってしまいます

 

 

 

 

 ここは決定的に大事なところです。子どもの行動は、大人と子どもの関係を支配する正義を試すことが非常に多いからです。大人が子どもの弱みにつけ込んで生きているのか?、それとも、大人も子どもも同じルールに従っているのか?を試すことが多いんです。ウソとゴマカシが広まった今のニッポンでは、圧倒的多数の場面で、大人が子どもの弱みにつけ込んだ関わりばかりです。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 義を見てせざるは勇無きなり | トップ | 本当の自分を生きるのも、タ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿