桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

水戸道中松戸宿

2009年07月20日 12時09分26秒 | 歴史

 連休二日目の昨日曜日。水戸道中お江戸日本橋から三宿目-松戸宿跡を彷徨しました。
 宿の中心から少し離れたところに平潟という地区があります。



 この地区の鎮守であり、水神を祀る平潟神社です。
 なにゆえに水神を祀るかといえば、橋のない時代、松戸は舟運の中心地であったからです。
 舟運といえば切っても切れない関係にあるのが色街です。ここも平潟遊郭という歓楽街が自然発生的に発生しました。

 平潟神社のすぐ横にある来迎寺。建立はちょうど四百年前の慶長十四年(1609年)。
 平潟遊郭の遊女を弔った寺と聞いていたので、江戸吉原でいえば、浄閑寺のようなものかと考えていましたが、浄閑寺が屍体を厄介払いした寺だったのに対して、こちらは郭が遊女を弔って建てた墓が少なくない寺だと知りました。
 北小金にある東漸寺の末寺ですが、いまは無住の寺のようです。墓所を見たかったのですが、柵があって入ること能わず。

 この通りが平潟遊郭の大通りであったようです。建物は跡形なく壊されましたが、この柳一本だけ遺されました。
 社会的背景は時代に応じて変わるとはいえ、平潟遊郭跡という記念碑すら遺さぬとはいかがなものか。

 記念碑を遺すということは決して賛美することではない。ここに遊郭が存在したのは紛れもない事実(私がこの目で見たわけではありませんが)であり、当時の文化です。人受けのいいものだけを遺し、その他は見て見ぬ振りをするというのは現今のテレビと同等で、いまに文化を滅ぼし、歴史を滅ぼすであろう。(??)何をいっているのだろう。
 江戸吉原の見返り柳は代替わりして、いまは往時を知らぬはずの柳がありますが、こちらの柳は遊郭の最盛期を見ているのでしょうか。

 江戸川の土手に出ました。次に目指すのは渡船場跡です。

 江戸時代初期、幕府が設けた利根川水系河川十五か所の渡しのうちの一つ・松戸の渡しで、対岸の金町松戸関所を結んでいました。少し下流には有名な矢切の渡し(当時は下矢切の渡しという呼び名)があります。
 この日、私が携帯していたのは絵地図のたぐいだったので、距離感が曖昧でした。川岸に降り、すると見晴らしが利かぬので、また土手に上がることを繰り返しながら、ずっと下って葛飾大橋まで歩きましたが、発見すること能わずでした。

※庵に帰ったあと、よくよく見ると、碑は土手の外側にあったようです。絵地図には渡船場跡の印は川のすぐ近くに描かれていたからなのですが、川岸のほうばかり注目していたのでは見つけられるはずがありません。

 源内橋跡。
 青木(屋号は利倉屋)という江戸川舟運の船問屋でもあった、名主が自家用の船着き場としてつくったもののようですが、いまのところは詳しい史料が見つからず、詳細は不明です。
 以前はこの標識の右手にある橋を渡って船着き場跡まで行けたようですが、現在は補修中で渡れませんでした。土手から渡船場跡を捜しながら歩いているときに見つけたものです。

 葛飾大橋まで歩いて渡船場跡探索は諦めました。



 坂川に沿って中心街方向に戻ると、通称レンガ橋がありました。正式な名称は小山樋門橋。松戸市内では結構有名な橋のようです。下を流れるのは坂川。
 江戸川からの逆流を防止するため、明治三十七年に建設された樋門で、千葉県内に現存するレンガ造りのものでは最古といわれます。
 新松戸あたりでは滔々と流れている坂川も放水路で分水され、痩せ細った川に変じてしまっています。

 レンガ橋から松戸随一の歴史スポット(多分)戸定が丘歴史公園(重要文化財の徳川慶喜の弟・昭武の別邸があります)は間近ですが、なぜか会津贔屓の私には興味を呼び起こさない代物なので行きません。
 昭武は会津とは直接の関係はありませんが、坊主(兄貴)憎けりゃ……でしょうか。

 松戸神社。
 日本武尊が東征の際に従者と待ち合せた地に建てられた祠がその発祥といわれています。祭礼が近いようで、境内ではテント張りに忙しそうな氏子たちが多かったので、入口を覗いただけで退散です。

 松戸宿中心街に遺る福岡家店舗。
 江戸時代からの薪炭商です。現存する建物は明治末期の建築。背後の森は屋敷森です。

「春雨橋」という名に惹かれて寄ってみましたが、なんということはない橋でした。ここも下を流れるのは坂川です。橋の左は前の画像の福岡家店舗。
 橋から上流は福岡家の森の木々が川を覆い隠すように垂れ下がっていて、なかなかに風情があります。 

 さらにゆっくりと巡れば、宝光院(剣聖・千葉周作の最初の剣の師である浅利又七郎の供養碑があります)、旧本陣、脇本陣跡など見どころ、写真の撮りどころはほかにもあったのですが、なにせ連日の猛暑です。歳をとって足の運びは遅くなっても、セカセカと歩く癖は若いころから変わらないので、バテてしまいます。

 江戸川堤防では結構涼しい風があって、しばし立ち止まって一呼吸つけば汗も引いたかもしれないのに、セカセカブンブンと歩き回るものですから、全身汗みずくです。
 松戸駅に戻り、ドトールで冷たいアイスティを飲んで帰るとしましょう。

このブログの参考マップです。

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