駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

女王様はゆっくり歩む 2

2010年12月11日 | 錦旗・水無瀬・源兵衛清安
制作中の女王水無瀬です。

一枚一枚を丁寧に彫っています。

制作納期に1年を頂戴していますので、

こういうペースが可能になります。

ようやく表面の彫りが終わりました。

最も緊張する王将の2画目(タテ棒)も

無難にクリアできました。

このタテ棒、駒師によって彫り方が異なるのですが、

小生が参考にしているのは、巨匠掬水師です。

以前、制作途中の彫駒を拝見する機会に恵まれ、

その技術に感銘を受けました。

脳裏に焼きついたその画像を目指して、

印刀を動かしています。

まだ程遠いですが、いつかあんな彫り方ができたら

と思います。


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磨けば光る!!~その4~

2010年12月09日 | 磨けば光る!!!
ということで、全ての駒を磨き終えました。

何のために?と聞かれたら、

「自分で遣うため」なのですが、

そればかりではありません。


何て言うんですかねえ。。。。

木が持っている能力を最大限に引き出すのが、

駒師の責任だと考えています。

命ある樹木を切り倒し、人間の遊び道具にする訳で、

その責任は制作者が果たすべきかと思います。

そう考えると、できる限り木地は無駄にしたくなくて、

変わった模様も気にならない程度であれば、

避けずに使用しています。

「もっと良い木地使えばいいのに」と

人からよく言われますが、

そういう性分なので仕方ありませんねぇ。

もちろん、そんな考えを他人に押し付ける気持ちはありません。

この駒もあちらこちらに個性的な模様がありますが、

それはそれで良いものです。

磨けば光ります!!


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筆、いろいろ

2010年12月07日 | 将棋駒製作
読者の方からのリクエストにお応えして、

制作用の筆をご紹介致します。

左から順にご説明致します。

1.盛上用(細字)
 漆を乗せる時に使用する筆です。
 細かい部分用です。
 インターロンという名前の筆です。
 色々試している最中でもあり、
 他にも幾つか使用しています。
 
2.盛上用(太字)
 太字部分に使用しています。
 面相筆です。

3.彫駒用
 彫駒の漆入れに使用する「平筆」です。
 毛先が斜めにカットしてあります。

4.漆以外用
 カシュー漆や漆類似塗料を塗布する時に使います。

5.目止め用(木工用ボンド)
 木工用ボンドを目止めとして使う時の筆です。

6.目止め用(ニス類)
 ニスを使う時の筆です。

筆も作品の出来を左右する道具の一つです。
使用後はよーく洗浄し、植物性油を着けておくと
長持ちします。

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磨けば光る!! ~その3~

2010年12月05日 | 磨けば光る!!!
歩2枚を作っています。

中彫りって画数が少ないので、そうですね。。。。

感覚的には銘彫りの半分ぐらいの作業に感じます。

さて、出来るだけ真似して彫ってみましたが、

機械のようには出来ませんねぇ

どうしても彫りが鋭くなってしまいます。

機械彫りは、おそらく一般的にプロッターと言われる

彫刻機を使用しているのだと思います。

ちょっと調べましたが、この彫刻機ってピンキリですね。

高いのは300万円以上しますが、

安いのはその10分の1ぐらいでした。

まあ、小生には無縁のものですが。。



目止めをすれば次は漆入れになります。

一番右の駒の漆がガサガサですので、

一緒に直してあげる予定です。

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磨けば光る!! ~その2~

2010年12月04日 | 磨けば光る!!!
(前回からの続きです)

早速全面の研磨からやり直しです。

丁寧に丁寧に#600のペーパーで表面を整えます。

中国産とは言え本黄楊の新品ですから、

磨けば必ず光るはず!!

と念じながら作業開始です。

すると最初の関門が現れました。

皆様から見て写真右側手前の駒です。

木地の厚みが極端に薄いのです。

こういう駒が2枚入っていました。

材料が木ですので、多少の差は仕方ありませんが、

流石にこのレベルは許してもらえませんねぇ。

指した時の違和感がかなりあります。

ということで、この駒は木地から作り直します。

そしてお次は、写真左側です。

漆が上手く入っていなくて、白黒になっています。

これは漆を入れなおせば直りますが、

カシュー漆ですので、ホームセンターへ

買いに行きます。

なんだか、とっても高い買い物になってきたなあ。。。。

(つづく)

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磨けば光る!! ~その1~

2010年12月02日 | 磨けば光る!!!
ちょっと前置きが長くなります。

先日とある将棋大会に参加しました。

地方の小さな大会なのですが、25年ぐらい続いている

地元では有名な将棋イベントです。

そこで用意された駒が全てプラスチック製でした。

まあ、それだけならまだいいのですが、

数種類のプラ駒が混ざり合っているんです。

まあ、これもよくある事で、

普通といえば普通なのかも知れませんが、

不揃いの駒で将棋を指していると、

駒師としてはなんとも寂しい気持ちに

なるものです。。。

手元に自作の駒は一応持っていたのですが、

とても出せる雰囲気ではなく、8局全て、

最後までその不揃いプラ駒で指しました。

冴えない気分で指しながら、

機械彫りの「中彫り駒」ぐらいなら、

持ち出してもあまり違和感ないかななんて考えていました。

勿論、相手の方の了解を得た上ですが。。。

自作を遣うと流石にいやらしいので、

こちらからは出せないですが、

他の方の作品ならいいかな~なんて。

しかも機械彫りならどこにでもあるので、

相手の方もあまり気を使わなくて済むでしょう。


そこで、ネットで購入したのがこの駒です。

写真は小生が磨き直した後です。

結果はこうなるって話なのですが、、、お付き合い下さい。



中国黄楊を使っていますが、価格は約5,000円です。

価格が価格ゆえ、あまり期待していませんでしたが、

手元に届いた駒を見てびっくり!!

その期待も更に下回る出来栄えに、駒師魂が燃え上がる

のでした。(つづく)

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