JCIのランドマーク委員会(通称,今本啓一先生委員長)の活動として,北大名誉教授の角田先生にインタビューをしました。
2009年のJCIの年次大会@札幌にて,ランドマークセッションⅠ~Ⅲを,通常の論文発表のセッションと並列で実施させていただきました。これが今回のJCIランドマーク委員会の前身なのですが,2009年当時の有志たちが,我が国のコンクリート工学,セメント化学のランドマークとなる秀逸な論文・研究の紹介をする,というものでした。単に研究の紹介をするだけでなく,論文の行間を読んで,優れた研究の魅力を世の中に発信する,またそれを通して我々も深く勉強する,という取組みでした。
2012年度からJCIランドマーク委員会が同様の目的で正式に活動を開始しました。私も幹事の一人として中核を担います。
2009年のランドマークセッションで私が紹介した「曲げひび割れ幅算定式」を構築された角田先生への念願のインタビューが本日,実現しました。
曲げひび割れ幅算定式については,JR東日本の石橋さんらが,実構造物での調査結果や室内実験結果に基づいて,角田先生の算定式の精度を向上させるための研究も行っておられます。石橋さんには2009年6月に,示方書勉強会のインタビューを実施しました。 このインタビューも,示方書勉強会で練り上げた質問をぶつけましたので,とてもしびれる内容でした。
真の技術力で世の中を牽引してこられた大先生や一級の技術者へのインタビューからは非常に多くのことを学ぶことができます。
2012年3月5日に,12時間に渡って,岡村甫先生とお話しすることができたのも,私にとっては非常に貴重な時間でした。示方書のことも話題に挙がりましたが,社会のこと,マスコミとの付き合いのこと,マネジメント,研究,教育,などなど多岐に渡り議論することができて楽しかったです。私も不肖の弟子ではありますが,今は最前線で働いておりますので,師匠と「議論」ができたことがうれしかったです。
石橋,岡村インタビューに続いて,本日の角田先生インタビューとなりました。
私自身の体調がやや優れず,100%とは言えない準備の状況だったのですが,大変に勉強になりました。前川先生が角田先生のことを「ミスター示方書」と呼ぶだけあって,その真髄に触れることができたように思います。これまで,岡村先生のオリジナルかな,と思っていた示方書関連の業績も,実は角田先生が最初の引き金を引いておられることもあったりと,独創的なアイディア,やり方に感銘を受けました。
インタビュー中にワードで6ページくらいの速記メモを作ったのですが,今日の札幌-->羽田,羽田-->山口宇部への移動時間も活用して,速記メモをブラッシュアップして,ランドマーク委員会のコアメンバーに配信しようと思います。
そして,コンクリート工学誌に,ランドマーク論文を紹介する連載を始めることになると思うのですが,その第一号か第二号の記事として投稿できるよう(角田,石橋インタビューの成果も踏まえ,物語風に)に早めに原稿を仕上げたいと思います。
今日のインタビューは,時期もあまり良くなかったのか,札幌で開催であったためか,6名しか参加しませんでした。トップレベルの情報を吸収できる非常に貴重な機会ですので,ぜひ多くの方々が参加できる形へと改善も検討したいと思います。
私が直接担当するインタビューとしては,池田尚治先生,岡村甫先生(ランドマーク版)を近々企画して,実行したいと思います。