細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

国語の授業での防災新聞プロジェクト

2015-12-13 06:14:22 | 勉強のこと

昨日は、鞆の浦で楽しい一日でした。

鞆中学校の国語の授業で、とても先進的な取組みが実現しています。

中学校1年生の国語の授業で、学習指導要領での位置付けは、第1学年の【話すこと・聞くこと】の中の、「日常生活の中から話題を決め、話したり話し合ったりするための材料を人との交流を通して集め整理すること。」と、【書くこと】の中の、「段落の役割を考えて、文章を構成している。」になります。

国語の毛利先生が授業を設計し、私が支援しながらダイナミックな授業が展開されています。毛利先生とは知り合って2年目になりますが、新婚旅行でパリに来られたときに、当時のパリの我が家にも遊びに来てくれたお友達です。これまでも教育について熱く語り合ってきましたが、ようやくこのような共同プロジェクトとして結実しつつあります。

今回の単元名は「調べたことを報告しよう」で、全7回のシリーズになります。

毛利先生の指導のもと、生徒たちが話し合ったり調べたりして、防災に関するテーマにうち、生徒たちが土砂災害、地震、火災、について調べることを決めました。自分たちの生活に深く関係する、興味のあるテーマを選んだことになります。これらのテーマが私に知らされ、私は生徒たちの参考になる情報をパワーポイントで毛利先生に送りました。

生徒たちは、本や、インターネット、私の送った情報等から多くの情報を得て、自分たちの疑問点を話し合いながら整理していきます。

生徒たちの質問が私に事前に送られてきました。

そして、いよいよ私も登場する第4回目の授業(12/11(金))となりました。私は鞆の浦に向かう新幹線の中で、生徒たちの質問に上手に答えられるよう、準備をしておきました。

毛利先生の作戦で、二つの隣り合った教室を使うことになりました。

毛利ルームでは、調べたことを防災新聞にまとめ上げていくための授業が展開されています。全18名のクラス(当日は2名欠席)は、4つの班に分かれてこれまでも調査してきましたし、これから新聞記事をまとめていきます。土砂災害A、土砂災害B、地震、火災、です。



もう一つの取材ルームでは専門家(細田)に各班が取材をします。それぞれの班が交代でやってきて12分ごとの持ち時間。「本当の取材では、○○新聞の△△です、と名乗ってからインタビューを始めるんだよ」などと私も説明したり、私も大学の名刺を班の代表者に渡したり、とかわいい生徒さんたちもすっかりその気になって、インタビューをしていました。」

私は生徒たちの質問にはしっかりと答えましたが、それ以外にも重要な視点や、考え方、情報などをたくさん伝えました。



生徒たちはたくさんの情報を持って毛利ルームに戻って、新聞記事にまとめるための見出しや、内容などについて話し合いました。

今後第5回目以降、毛利先生の指導のもと、手作りの防災新聞が創り上げられていきます。新聞は間違った情報を発信してはいけないので、新聞の内容が固まってきた段階で、原稿が細田研究室に送られ、評価、チェックをすることになっています。



自分たちの調べた情報が新聞という形にまとまり、専門家の評価、チェックも受けた完成度の高いものになる。そして、その新聞を使って地元のさくらホームなどでプレゼンをしたいね、という話になっています。

ごく普通の国語の授業で、このようなチャレンジングな取組みもできます。素晴らしいと思います。年明けには同じ中学校で、理科の3年生の授業でチャレンジすることになっています。どうなるでしょうか。