雀を生け捕りするのは簡単です。 雀が大好きな伊丹名産の「こぼれ梅」（少々上等な酒粕）をその辺に撒いておいて、その周辺に落花生の実を並べておく。雀たちは競ってこぼれ梅を食べ、やがて酔っ払って落花生を枕にして寝込んでしまう。人間はそれをただ拾って回ればいいのです。
古典落語「こぼれ梅」の要旨です。
日本の国民の財産を巻き上がるのは簡単です。 お札をバンバン印刷してばらまいて、景気が良いと思わせて株や土地をどんどん買わせてバブルを発生させて、目いっぱいに膨らんだ時点でバブルをはじかせれば一丁上がりです。
サルを生け捕りするのも簡単です。
間口の狭い鉄ビンにサルの好物のクルミの実を５～６個入れておきます。
サルは欲張りだから、１個ずつとりだせば取り出せるのに３～４個もいっぺんにつかむものだから、手が抜けない。 金輪際握ったクルミを手放さないものだから、人間につかまってしまうのです。
人間だって偉そうなことは言えない。 いったん掴んだ便利や快適・欲望を膨らませるもんだから、生命の危険を冒しても原発を手放すことができない。
北京のスモッグなんか見ていると、人間という動物はいずれ絶滅するんじゃないかと思えるほどになってきた。
クマを生け捕りするのも簡単です。
熊の好物の数の子を乾燥させて塩カズノコにして、海岸沿いにばらまいておくだけでいい。 クマは好物の数の子をパクパクと食べる。そうするとのどが渇く。 のどが渇くものだから、海水をがぶがぶと飲む。
海水を飲めば飲むほど余計にのどが渇くから、際限なく海水を飲んでおなかがぱんぱんになって動けなくなって、ひ弱い人間にいともかんたんに生け捕りにされるのです。
ところで、人間も偉そうなことは言えません。
ほかの動物が持ってない「お金」という魔物を創りだしたものだから、それを貯める。 お金を貯めるとますますほしくなって、人を騙してでも・暴力を振るってでも、限りなく増やそうとする。
だから「神様のみえざる手」によって時々懲らしめを受けることになる。
