学会でパリに行ってきました。
弾丸旅行でしたが、少しばかり、町を歩く機会がありました。
ここがなんという名の地区だったか忘れましたが、ノートルダムの北東方向にある、パリでもっとも古い地区を案内されたときのこと。
セヴィニェ通りの古い建物。
建物の石材をよく見ると・・・貝化石です。
翌日、ツアーバスでヴェルサイユ宮殿に。
宮殿内の聖堂。
マリーアントワネットが民衆の怒りをなだめようとしたと言われる出窓。
そんな豪奢な建物も、石材をよく見ると・・・化石だらけ。
セーヌ川河畔。
河畔を歩いていて、護岸の石材をよく見ると・・・化石だらけ。
さて、ノートルダム寺院。
今回は時間がなくて、中に入ることができませんでしたが、たぶん、よく観察するとたくさんの化石が見つかることでしょう。
化石の年代、貝の種類などは存じませんが、調べてみると楽しそう。
巻き貝の種類からいろいろなことがわかる。
生息していた年代。
(パッと見の印象は中生代だった)
海だったのか、淡水だったのか。
(おそらくは海でしょう)
水温、水深。
岩石から堆積物の性質がわかるし、貝の棲息痕を認めることもあるし、堆積構造から流速や、場合によっては洪水や嵐などのイベントもわかることがある。
食物連鎖についてもある程度情報が得られるかもしれない。
人類出現のはるか前のヨーロッパの歴史が垣間見えてくる。
今回見かけた範囲では、化石の種類があまり豊富でなかったから、パリの少なからぬ建物はおそらくごく限定された一地方から石材を供給されたに違いない。
パリの街は大きい。
建材としての石材の量は、半端ない。
その大量の石材を供給できる、石材の巨大な産地があったはずた。
大量の石材をどうやって運んできたのだろう?
おそらく陸路ではなく、セーヌ川を使って水運したに違いない。
その方が楽に大量に運べる。
どんな船だったのだろう?
石材の表面を観察すると、様々な削られ方をしている。
滑らかに削られたもの、削った工具をの跡がわかるもの。
削った工具の跡も一種類ではない。
時代によって、削り方や工具が違うのかもしれない。
職人の腕もあるかもしれない。
予算と工期も絡んでいるだろう。
装飾や建築様式にも時代によって微妙な違いがありそう。
建物の玄関には建立された年が刻まれているから、建築様式と見比べてみるのも楽しいかもしれない。
などと想像しながら街を歩くとなかなか楽しいのだ。