金曜日の夜 8時 はTVの前に


逆関節を曲げて肩にあて力を入れて






正座して
プロレスを見ていた時代。
黄金時代だったあの時代

馬場がいて
猪木がいて
僕は新日派だったし、
長州ファンだ。
それまで長州が輝くまでは猪木ファンだったし、
藤波ファンだ
何しろ
ミーハーなので
一番輝いている人が好きだったのだ。
UWFの前田も大好きだったし、
新日は次から次へと
物語が展開されていた
(業界用語で「アングル」というらしい)
長州が上に噛みつき
藤波との抗争
タイガーマスクが現れ
ジュニアヘビー級にもスポットが当たり、
80年代の新日本は
バブル期だった。
猪木という圧倒的なカリスマの
新日本の象徴がいて
それを取り囲むように
役者が輝きを放っていた
あっちも
こっちも
というのは
観客から、ファンからすれば
一粒で二度、三度美味しいわけだ
猪木だけではない
藤波、長州、
タイガーマスク
あきることのない
尽きることのない
戦い。
あの時代
金曜日の夜が楽しみだった。
記憶にあるの試合は
まだ小学生のころ
新日の試合で
登場してた
タイガージェットシン
サーベルを振りかざし
狂ったインドの虎
の異名で狂気の振る舞いに
本当に猪木が殺されるんじゃないかと思ったほど…
いつも
対 タイガージェットシンとの試合は
殺伐としていた。
1974年 6月26日
大阪府立体育会館
で
猪木がシンの腕の骨を折る
TV中継の中でやってのけた
戦慄が走った試合。

逆関節を曲げて肩にあて力を入れて
折ってしまった。
実況アナウンサーが絶叫していた
印象的な試合。
あの時家族中が言葉なくTVに見入っていた。
猪木の掲げる
プロレスはキング オブ スポーツ
というその名の通りの試合だった。
そして 長州vs藤波 の名勝負数え歌
1983年 4月3日
蔵前国技館


そして
異種格闘技戦
猪木vsウィリアム ルスカ戦
プロレスの凄みを見せてくれた試合だった。
異種格闘技戦第1戦だった。
モハメド アリ戦へ向けての第一歩
だった
異種格闘技戦。
バックドロップ三連発でマットに沈めたアントニオ猪木。
この試合の中継に
体中の血が沸き立った思いがした。

そして
大好きな前田日明さんと藤波辰爾さんの大阪城ホールでの1986年
6月12日
IWGPリーグ戦 での名勝負。
22分の熱闘両者KO
での幕切れ
藤波辰爾さんが前田日明さんの大車輪キックをコーナーで受けて
額から流血し、ダウン
前田日明さんも受け身をとれず
そのままダウンで両者KO
となった。

そのほかタイガーマスクの登場
小林邦昭との抗争マスク剥ぎの試合とか
全日では
ザファンクス対 アブドーラ ザ ブッチャーとザ シークとの凄惨な試合
テリーファンクがザシークやブッチャーから腕を何回もフォークを突き刺され
血まみれになった凄惨な試合
この試合で
ブッチャーは初めて凶器として
フォークを使った。
途中でテリーファンクは控え室へ連れて行かれる戦闘不能状態に
孤軍奮闘するドリーファンクが
ブッチャー シークにやられ、もうダメだという時
右腕を包帯でグルグル巻きにしてテリーが帰ってきた
左ストレートでブッチャー シークを蹴散らすテリーファンクの勇姿にスーパーヒーローを見た。
1977年12月15日
蔵前国技館


昭和のプロレスは夢とロマンがいっぱいだった。