東京電力女性社員殺害事件で、マイナリ元被告の再審開始と無期懲役刑の執行停止が決定した。画期的な判断だ。漸く、歪んだ検察の有り様にメスが入った。無謬であるはずがないのに検察を批判することは一般人には怖いことで、ジャーナリストでさえ殆どが見て見ぬ振りをしてきたのではないか。
佐野眞一というおっさんはどうもずけずけ物を言う癖玉で上品とは言い難いが、ジャーアナリスト魂の持ち主と高く評価したい。今回の高裁の判断に一定の貢献をした。真に勇気ある男と思う。
今回の高裁の判断を端緒として、検察の歪みを不断に糺す仕組みを確立する必要がある。権力を手にすると人間は笠に着る、人間は自分と自分の属する組織に甘い、人間は弱者を差別する・・・。多数の第三者の目が行き届く仕組みにしておけば、組織と人間から生ずる歪みを是正できる。
取り調べが可視化出来ないというのは、取調べの悪しき伝統による刷り込みと思い上がりよるもののように思う。少なくとも一部始終を記録し、改竄できない形で五十年程度の保存を義務づければ、それだけで、誤審は相当数防げるだろう。
馬鹿野郎と怒鳴ったり、机を叩いたりすることが可視化するとできないだろうか、そんなことはない。それにその妥当性は国民が判断することだ。