水曜日は週半ばで半日のせいか大抵空いている。十時過ぎには患者さんが途切れた。待合室にはおばさんが二人座っているだけ。手が空いたので診察室を抜け出し、受付の裏でFAXを見ていたところ、「ブルベリー」と何かが破れたような音がした。なんだかおならのように聞こえたがまさかと思っていると、数秒後YさんがOさんに何か言った。
「まあ、聞こえたかしら」。
「そうじゃないの、臭いでしょ」。
「おならのよく出る薬を飲んでるのよ」。
「そんなこと、・・いい。表へ出てやってよ」。
「動くと出でちゃうのよねー」。
私がやりとりを聞いていたとも知らず、
「先生、おはようございます」。とにこやかに診察室に入ってこられてもなー。
「ふがふが」。と返事をしたくなる。