駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

平均年収150万円増と聞こえる

2013年06月11日 | 町医者診言

         

 アベノミクスと呼ばれてはいるが、実際の発案者は別に居て、失礼ながら首相の名を冠しているだけらしい。この頃は安倍首相の発言がぶれてもマスコミはさほど問題にしなくなっている。揚げ足を取らないのは良い傾向かもしれないが、発言を軽んじられているようにも思える。あるいは状況に応じて都合良く発言を変える人だと、見定めたのだろうか。

 例えば次のように指摘はしているのだが、批判の調子は弱い。ネットの読売記事から引用する。 

 ”安倍首相は8日、東京都葛飾区内の街頭演説で、「10年間でみなさんの年収は150万円増えます」などと訴えた。しかし、政府の成長戦略で「150万円以上」の増加を目指すのは1人当たりの国民総所得(GNI)。日本企業や国民が国内外で得た所得の総額を指し、「1人当たり」でも年収とは異なる。首相はこの日6か所で演説を行い、2か所で「年収」と述べたほか、「平均年収」「1年間の収入」「国民の平均の所得」「皆さんの所得」と説明が変わった”。とある。

 まさか、わざと間違えて、個人の年収があたかも150万円増えるように受け取らせようとしたとまでは思わないが、そう云う気持ちがゼロだったとも思われない。よし補正して国民一人当たりの平均年収を90万円上げるとしても、10年後では物価も相当上がっている?だろうし、たいした額ではない。それに平均となれば、上に厚く下に薄い可能性もある。

 こうした謂わばパペット化した安倍首相の経済演説で、その気になっていたのは庶民だけ、賢く懐の温かい人達は冷静に見極めていたということにならないように分かりやすく説明するのが本当のエコノミストだと思う。そして、そうしたエコノミストに解説させるのが公共放送の仕事だったはず。

 

コメント
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