駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

そう言われてもなあ

2013年06月14日 | 医療

                  

 「あと十五年くらいは元気で居たいからね」と高血圧で通院中、姉さん女房のFさん。

 「ああ、そうねえ」とお答えする。あんた来月80歳になるでしょ、ちょっと欲張りではないの、と心の中で思う。

 

 「DHAって飲んだ方がいいかね」。世話焼き、おしゃべりの有閑婆さんのTさん。

 「さあ、どうでしょう」。あなた、おつむははっきりしてるじゃない。八十過ぎてから、間に合うものかね。

 

  大地主のK婆さん、受診するたび、開口一番、「ちっとも眠れない、一晩中起きてた」。

 「そんなこたあない。鼾かいてましたよ」と脇で、小声でつぶやく婿爺さん。

 

  城下町で育ったのが自慢のT婆さん 

 「足の裏が痺れて、歩けないだよ」と診察室に入ってくるなり、眼を三角にして訴える。  

 病院じゃあ、これは治んないだってよ」。

  もう何十回聞いたかなあ。でも歩いているじゃない。

 

  殆どが婆さん、どうも爺さんよりも、欲張りのようだ。

コメント
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