駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

余った給食をどうする

2013年06月24日 | 小考

                  

 ネットのニュースで何だか変だなと思うものがあったので、一部引用して紹介します。

 「もったいない」。そんな理由から、兵庫県西宮市の半数以上の公立保育所で調理員らが余った給食を食べていたことが明らかになった。余った給食は廃棄される決まりで、保育所長会でも「食べてはいけない」と取り決めていたが、周知徹底されていなかった。・・・、給食費を払ってないのに“役得”でつまみ食いをしていた行為は、市民の目にはどう映るのだろうか。(産経新聞)

 「もったいない」をそんな理由からとしている点と「役得でつまみ食い」と表現している点が気になります。市民の目にはどう映るだろうかと締めくくっていますが、けしからんと映ると続くように読めました。

 記事の表現以上に、食べられる食物を余ったからと廃棄するのが妥当だろうか、取り決めが周知徹底されなかったのはなぜか、というところが問題です。

 余った給食をどうするかは、いろいろな立場の人が十分な論議を重ねて対策を講ずるべき問題のように思います。そうして決まった方針は周知徹底されなければ意味がありません。

 先に厚労省は子宮頸がんワクチンを副作用?が出たと、驚くべき速さ(他の行政指導に比して)で推奨を取りやめました。これには表向きには指摘されないのですが、補償を逃れるためという要素があると思われます。医師の間ではワクチンそのものではなく筋肉注射による副反応という見解の方も多いのです。今のところ真相は闇の中で、科学的な解明には時間が掛かり、明快な結果が得られるかどうかもわかりません。

 ちょっと、余った給食とは問題が違うように見えますが、とにかくまず予防線を張る行政の姿勢と取り敢えず咎めようというマスコミの姿勢は通じるところがあるように思います。こうした姿勢は論議と客観的吟味を遠ざけてしまいます。

 物事の危険度はその重大さと確率で判断されるべきで、対策はコストを考慮して立てねばなりません。多少は時間が掛かり複雑な展開にはなりますが、それを導き受け入れるのが成熟した社会で、日本の民度が問われていると気になりました。

 

コメント (2)
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