駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

公率の悪さ

2013年06月13日 | 小験

      

 レントゲン装置の保守契約に年間二十万円ほど支払ってきた。二十二年経ち老朽化したので契約を止め、壊れたらその都度見てもらうことにした。

 壊れた時、修理に費用が掛かるなら、遂に新製品に変えることになろう。この保守契約が、役に立ったかというと、大いに疑問で半年に一度の点検が終わると故障することが多く、一体何のための点検かと思ってきた。まあ、当院が特別だったのかもしれないが。

 保健所の監査があるので、レントゲンの漏洩検査をしてもらわねばならない。今までは点検作業の中に入っていたので、値段を知らなかった。個別に頼んだところ四万円という、たかだか一時間ほどの作業の割に高いと思ったが、これができていないと審査で大目玉を食らうので、背に腹は代えられない。

 まさか保守点検代の4割を、X線漏洩検査が占めていたとは考えられない。個別料金は高くなるのだろうか。これはどうも保守契約は任意のため、低めに設定してあり、放射線漏洩検査は法定で必須の検査のため、値引きせず高めに設定してあるものと推定した。

 こうした公共事業に絡んだ構図は昔からあったものと思われる。昔は寝れ手に粟だったかもしれない。今は相当改善したとは思うが、この公共事業費用の見積もり落札には深いところまでメスが入っていない気がする。

 このレントゲン装置は当時何千万の定価で、開業時、値段を聞いて真っ青になったものだが、六割五分引きという、信じがたい値段で購入でき、初心な私は何か変と思いながらも感激したものだ。あとで、H先生に聞いたら、俺なら七割引きに出来たと豪語していた。今は多少は医療機器業界の値段の闇に日が差すようになっているのだろうか。こうしたことで公に弱い人達が多いとしたら、政治というか選挙が歪むわけだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする