駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

仕事から生まれる感覚

2014年09月05日 | 人生

           

 今朝早く患者さんが亡くなった。今の時代では若い六十代なので、ご家族は悲痛で、涙声でお礼を言われるお嬢さんにこちらまで胸が詰まってしまった。

 九十代の方だと、ご家族も落ち着いておられ診させて戴いた私も心残りを感じないのだが、まだもう少しというお年だと、どうすることも出来ないと分かっていても残念な気持ちがしてしまう。

 命の儚さ、運命のむごさを思い知らされる。慣れているから直ぐ忘れてしまうのだが、いつの間にか心のどこかに知らず知らず刻み込まれてしまうようだ。自分の持っているある種の思い切りの良さは、そのことと無関係ではないと思う。これは重症患者を診る医師や看護師にしばしば認められる心性で、話をしていると物事の軽重の判断が似ていると感ずることがある。

 そうした我々の感覚では、新聞を読んでいるとなんでそんな詰まらないことで騒ぐのということが多い。勿論、逆のこともある。 

 

コメント (2)
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