駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

患者の言い分をどこまで

2014年09月04日 | 診療

              

 又暑くなってきた。今朝は日差しはないのだが、駅まで歩いたら汗が出てきた。暑さ寒さも彼岸までと聞かされたが、この頃はそれも当てにならなくなった。果て、いつまで暑いことやら。

 会社の健康診断で異常を指摘され受診される患者さん達がいる。こうした患者さんの十人に一人くらい不承不承というか嫌なのだが指示されたから来たという方が居られる。そうした方にも治療を要する異常の場合は、治療の必要性を説明し通院を指導している。六七割の方は、それではと通院を開始し生活指導を受け服薬を開始されるのだが、中に頑強に自分は痛くも痒くもない、もう三十年元気に働いている、治療の必要などないほっといてくれと睨まれる方がおるられる。若かった時には何とか説得しようと時間を掛けたのだが、最近はもう一度確認して拒否される方には、ああそうですかとお帰り願っている。そういう人に限って再検査結果を「上手く書いといてくれ」などという捨て台詞を残される。それには「そうもいかないんですよ」とお答えしている。

 どうしてわりとあっさり引き下がるようになったかというと、こういう患者さんの中には言われたから受診してやっているという気持ちが抜けない方がおられ、生活指導をうるさがったり、たまたま薬が合わなかったりすると、こちらの落ち度のように言われたりするので、とても診療しにくい経験をしてきたからだ。勿論、中には嫌々だったけど、薬を飲み始めたら身体が楽になったと感謝される方もいないわけではない。まあ、それでも、嫌な思いは避けようという判断が先行してしまう。酷な言い方かも知れないが、こういう方は自ら痛い目に遭わないとおわかりにならないのだ。遺憾ながら、痛過ぎる目に遭われる方もおられるようだ。

コメント (2)
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