駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

「精神薄弱のようだ」とは

2012年11月20日 | 人物、男

          

 石原元東京都知事が元同士亀井静香を精神薄弱のようだと評している。こうした言葉使いに石原慎太郎がどういう人物かが端的に表れている。彼の広い視野で物を見る能力を評価してきたが、それは結局上から物を見る尊大な考え方に使われてしまっている。それでは折角の広い視野が国民の為に生かされることはない。国民というのは一部でなく全ての日本人のことだ。

 世の中は理不尽に満ちている。亀井静香は怪しげに見えても実は情理のバランスのとれた味のある男で傾聴すべき考えの持ち主だ。しかしながらイケ面でないばかりに、元イケ面の石原慎太郎に人気の面で大きな差を付けられてしまっている。だみ声で悪役面で訥弁だと、残念ながら人気が出ない。

 一体人気というのは何だろう。まともで内容のあることを主張しても支持が得られず、イケ面で張りのある声で受け狙い当意即妙に応えれば支持される。ミーハーと言えば反発があるかも知れないが、女性心理が効いて女性支持を得ているのだろうか(玄人筋の意見は違う気もする)。小沢、亀井、山田トリオは容姿と話し方で後塵を浴び、石原、橋下、前原トリオは容姿と声と弁舌で先行している。

 政治は政策と実行力、外見では分からない中身の吟味なくして評価は出来ないと思うのだが。

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寒くなると

2012年11月19日 | 身辺記

        

 年内の寒さはノープロブレムなのだが、年明け長引く寒さと乾燥した空気は困る。というのは乾燥肌なので皮膚が痒くなり指先が荒れて痛むのだ。紙カルテでキーボードを叩かなかった頃はさほどではなかったと記憶するが、最近はハンドクリームが手放せなくなった。

 目ざとい患者さんに指の保護テープを見付けられ、

 「先生、どうされました」。

 「指先が荒れて痛むんですよ」。

 「私も」。とか「どうぞお大事に」。とか言われている。

 どうも、いつも元気そうに見える(見えるだけ)医者に、いつもお大事にと言ってくれる医者に、「お大事に」。と言うのは楽しいらしい。嬉しそうに言ってくれる。

 奇妙なことだが北海道は寒さが遅いらしい。内地では冬が早いと感じる。夏が長引いたせいか。今日も朝から暖房を入れている。空調を使わなかったのはたかだか一ヶ月くらいだった気がする。厳冬でも長引かなければ平気だ、早い冬に続き、早い春が来ることを願う。

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戸惑う診療風景

2012年11月18日 | 診療

     

 患者さんから時々頂き物がある。殆どが食べ物で、自宅で取れた農作物や御菓子が多い。時代の流れか、二十年前に比べれば半分ほどに減った。職員と分けて頂く。余れば彼女達に自宅に持って帰って貰う。

 日頃の診療に対する感謝や親しみの表現と有り難く受け取っている。当院は場所柄生活保護の方が多く、二十名ほどおられる。中に時々銘柄品のクッキーを持ってこられる方が居る。関西の方で、身に付いた習慣のようだ。何だか受け取りにくいが、断るのも悪くありがとうございますと受け取っている。同じ生活保護の方でも、当院備え付けの飲料水を水筒持参で来られ、そっと詰めて持ち帰られる方がいる。当初は大目にみていたが、毎回なのでさすがに事務の方でお断りした。

 総合病院から紹介状持参で受診される方が月に十名ほどおられる。時々、紹介状を開封して中を見た形跡のあるものがある。大ぴっらに開けてあるものから、封をし直したものまでいろいろだ。一瞬、顔を見るけれども何も言わない。気持ちは分かるけれども、信書を無断で開けるのは感心しない。内容に隠し事はなくても本人宛ではないから素っ気なく事務的な表現がしてある。それに素人には分からない表現も多いと思う。

 診療では信頼が一番大切、それがなくては良い診療はできない。病気は難しくいつも上手くゆくとは限らない、それでも医者の努力と技能を認め信頼して貰えるのが一番嬉しい。中には人情紙風船、誠心誠意やっていても虚仮にされることもしばしばある。町の医者は便利だが能力は劣っていると思っておられる患者さんがおられるのだ。役割が違うと言うことが分かって頂けていない。

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ボージョレかボジョレーか

2012年11月17日 | 世の中

     

 ボジョレーかボージョレかどちらがフランス語の発音に近いのか知らないが、本国不作の今年も日本への輸出量は昨年より増えているそうである。ボージョレヌーボにバレンタインチョコレート・・・日本式にアレンジして本国よりも盛んな催しが結構ある。商魂と気付きながらも乗せられて一色に染まり易い日本人気質のなせる業のようだ。

 ボージョレヌーボはワイン通の友人がたいして食指を動かさないから、わざわざ取り寄せてというほどのものではないようだ。ワイン通ではない私には若く飲みやすい。

 チョコレートの方は義理チョコが減り本命志向が増えたらしく、量より質で一個数百円の外国産(特にベルギー製)が用意されている。とても美味しいけれども、このお値段なら私はケーキの方がよい。

 何やら洋風の影に商魂の催しが流行るのはいいが、昔ながらの鄙びた催しが廃れて行くのは年配者の私にはちょっと寂しい。先日お呼ばれしたGさん宅の酉の市も例年の賑わいではなかった。

 短い夏というのは耳にする表現だが、短い秋というのはどんなものか、あっという間に秋を通り越して冬になってしまった。身の引き締まる寒さに、昨夜は蕎麦屋で思わずザルでなく温かい天麩羅蕎麦を頼んでしまった。帰り道オリオンが東の空に顔を出していた。

 泥鰌の捨て身の業で既に師走だ。

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遙かマスコミを離れて

2012年11月16日 | 町医者診言

    

 これから一ヶ月、選挙関連の報道が溢れる。その多くが誰と誰がくっついた離れたの芸能的報道になるだろう。記者が芸能感覚に長けているのならくっついた後の予測もお願いしたいところだ。早期離婚や家庭不和ではご祝儀の無駄というものだ。

 政治が好むと好まざるに拘わらず誰の生活にも影を落とすのは、政策を通じてだ。政策を吟味することなしに政治家と政党の評価は出来ない。虫が好く好かんはあるだろうが、一番大切なのは政策だ。勿論、出来もしない外見だけの大風呂敷に騙されないようにしたい。巧言令色少なし仁は今も真実、口では何とでも言える、話はなんとでも作れる。頓挫の折には、巧みな弁解を聞かされるのが落ちだ。

 マスコミは殆ど参考にならない。マスコミは不偏不党を装いながらスポンサーの顔色を伺い、既得権に配慮して報道する。NHKも決して不偏不党ではない。いくらかでも自ら能動的に情報を集めれば、よりよい選択が出来ると思う。インターネット情報は玉石混交で参考になる。

 今は高度成長時代とは違う。緊縮均衡時代と観測する。期待する気持はわかるが、逆転一発ホームランやウルトラCはないのを肝に銘じたい。原発、TPP、消費税、検察の改革、情報の公開、行政改革。この辺りの問題への態度で十分鑑別診断が可能だろう。人間的には挫折を知らず、人を馬鹿にするような人物には要注意と思う。

 

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