29日(土)、ソチ・オートドロームで2017年FIA F1
世界選手権第4戦ロシアGP予選が行われ、メル
セデスとの大接戦を制したフェラーリのベッテル
がポールポジションを獲得した。僚友のライコネ
ンが2番手に入り、フェラーリが久々のフロント
ロー独占を果たしている。
過去3年はメルセデスが優位を誇ったソチで競争
力の高さを示したフェラーリは3回のフリー走行も
全てタイムシートトップに立っており、初日の1回
目はライコネンが、以降の2回はベッテルがいず
れも最速タイムを記録した。
美しい青空が広がるソチの予選は気温21℃、路
面温度40℃、湿度38%のドライコンディションで
Q1がスタートし。トロ・ロッソのクビアトを先頭にウ
ルトラソフトタイヤを履いた各車がコースイン。大
半が一番柔らかいコンパウンドを選んだが、フェ
ラーリの2台はスーパーソフトをチョイスしている。
タイヤが適切な機能を果たすまで熱入れに時間
を要するとあって数回のアタックに臨むドライバー
が多く、最初のタイヤセットでタイムが出揃った時
点でトップに立っていたのは1分34秒041を刻んだ
メルセデスのボッタスだった。ハミルトンが0.368秒
差の2番手に並び、一つ硬いコンパウンドでアタッ
クラップを走ったベッテルとライコネンが3番手と4
番手だった。
上位勢がガレージで戦況を見守る中、新しいタイ
ヤセットを投入したドライバーたちがQ2進出を目
指して再びアタックに挑み、それぞれが自己ベス
トタイムを更新していくも、ルノーのパーマーが
ターン4の縁石に乗り上げてマシンをはずませ、勢いに乗ったままタイヤウォールに突進してしま
う。ルノーマシンはフロントとリアにダメージを負っ
たが、パーマーにケガはない様子。ただ、ラストア
タックでのタイム更新はかなわず16番手で予選を
終えている。
初日のセッション後にシャーシー交換のため徹夜
の作業をこなしたルノークルーは土曜フリー走行
でもパーマーのエンジンを載せ替えるべく大忙し
の時間を過ごし、さらにレースに向けても修復を
急がなければならなくなった。
パーマー以外でQ1でノックアウトされたたのは17
番手だったバンド―ルン(マクラーレン)以下、
ウェーレインとエリクソンのザウバー勢、ハースF1
のグロージャンだ、バンド―ルンはエンジンペナ
ルティを受けることが決まっており、合計15グリッ
ド降格となるため、最後尾グリッドに並ぶことにな
る。
15分間で争われるQ2は15台すべてがウルトラソ
フトでアタックを開始。ここではフェラーリもウルト
ラソフトを使っている。週末を通してフェラーリ勢
に遅れていたメルセデスが底力を見せ始め、ボッ
タスが1分33秒264をたたき出してトップに立つと、
0.5秒遅れのタイムながら1分33秒台に乗せたハミ
ルトンが2番手に並ぶ。ベッテルとライコネンは共
に1分34秒台にとどまった。
1-2態勢のメルセデスと5番手につけていたレッド
ブルのフェルスタッペンが序盤のアタックでQ2突
破可能と判断する中、フェラーリの2人は再度コー
スに入り、ライコネンが1分33秒663を記録。ボッタ
スのタイムには0.4秒ほど届かなかったものの、
ハミルトンを上回って2番手に浮上した。
一方、100分の1秒を争う中団グループもQ3進出
をかけてラストアタックの勝負に挑む。結果、11番
手以下で予選を終えることになったのはサインツ
(トロ・ロッソ)、ストロール(ウィリアムズ)、クビア
ト、マグヌッセン(ハースF1)、マクラーレンのアロ
ンソだ。ただし、サインツは前戦のインシデントに
よりロシアで3グリッド降格処分を受けることに
なっているため、ストロール、クビアト、マグヌッセ
ンのスターティンググリッドが繰り上がる。
メルセデス対フェラーリの激戦が予想されたQ3はメルセデスの2台とヒュルケンベルグ(ルノー)が
早々に動き出す。アウトラップではトラックポジ
ションを争ってヒュルケンベルグとハミルトンが接
近、ひやりとさせる場面が見られ、ハミルトンは
ヒュルケンベルグの行動に不満を訴えていた。
Q3最初のアタックではライコネンが1分33秒253の
好タイムをたたき出してトップに立つ。ボッタスは
0.036秒届かずに2番手となり、ベッテルとハミルト
ンがその後ろに続いた。ハミルトンはヒュルケンベ
ルグとの一件後にトラフィックにはまった影響も
あったのか、トップから1秒以上遅れて1分34秒台
のタイムにとどまっている。
全車が新品タイヤを投入したラストアタックでは最
初にチェッカーを受けたライコネンがタイムを更新
できなかった一方、細かくタイムを削ったベッテル
がチームメイトを0.059秒上回ってポールポジショ
ンを獲得。メルセデス勢はフェラーリのペースに
匹敵できず、ボッタスが3番手、ハミルトンは4番
手に終わっている。
レッドブルのリカルドが5番手に入り、マッサ(ウィ
リアムズ)、フェルスタッペン、ヒュルケンベルグ、
ペレス、オコン(共にフォース・インディア)が10番
手だった。
メルセデスの一強時代が終わり、フェラーリとの2強
時代が始まりました。
これにマクラーレン・ホンダが絡んでくるともっと面
白くなりますね。
マクラーレン・ホンダの技術陣、頑張って!