日本の日付が29日(月)に変わる頃、バーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台に2021年FIA F1世界選手権第1戦バーレーンGP決勝レースが開催され、接近のデッドヒートを繰り広げた末に、メルセデスのハミルトンが逆転優勝を遂げた。
前日に行われた予選ではレッドブルのフェルスタッペンが今季初のポールシッターに輝き、ハミルトンとボッタスのメルセデス勢が2番手と3番手に続く展開に。フェルスタッペンは3回のフリー走行を通してトップに立ち続け、予選では唯一、1分29秒台の壁を突破するなど、プレシーズンテストからメルセデスが警戒していた通りのペースを発揮してみせた。
レース開始を前にペナルティによりグリッド降格となったのが、今年、フェラーリからアストンマーティンに乗り換えたベッテルだ。予選Q1でイエローフラッグが掲示された際に現場を通過したドライバーたちが減速していたかどうかをセッション終了後に裁定したレーススチュワードは、アストンマーティン勢、アルピーヌのオコン、ウィリアムズのラッセルの4人に対しておとがめなしの判断を下していたが、決勝レース当日になって再度、ベッテルがスチュワードの呼び出しを受け、審議の結果、ターン1に掲示されていたダブルイエローフラッグを尊重していなかったとしてベッテルに5グリッド降格処分が科された。これにより、予選18番手だったベッテルは最後尾スタートを強いられ、ハースF1のシューマッハとマゼピンのルーキーコンビのグリッドがひとつずつ繰り上がっている。
全長5.412kmを誇るバーレーン・インターナショナル・サーキットにて気温20.5℃、路面温度28.8℃、湿度53.5%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。タイヤ選択が自由なドライバーの中では11番手スタートのペレス(レッドブル)と13番グリッドに着いたアルファタウリの角田裕毅が予選Q2で使用したミディアムタイヤを装着したほか、ほとんどが新品のミディアムタイヤを選んだものの、ウィリアムズ勢とオコンは新しいソフトタイヤでスタートに臨んでいる。上位勢ではトップ3に加えて5番手から決戦に挑んだアルファタウリのガスリーがミディアムタイヤで第1スティントを走り、それ以外はユーズドのソフトだ。
注目のレーススタートを前に早々と波乱が起きた。グリッドに向かう道中、ペレスがコース脇にストップしてしまい、もう一度、フォーメーションラップが実施されることになったのだ。それでも、すでにコントロールエレクトロニクスを交換してレースを迎えていたペレスのマシンは再起動できたようで、自力でピットレーンにたどり着き、ピットに止まることなく出口に待機、そのままスタートに臨んでいる。フォーメーションラップが2周にわたって実施されたため、決勝レースは当初の57周から1周少ない56周で争われた。
仕切り直しのオープニングラップはフェルスタッペンが好発進を決めてメルセデスコンビの攻撃を退け、ルクレールが前のボッタスをかわして3番手に上がる。ただ、ターン1を抜けて混雑する集団の後方でマゼピンがスピンを喫してグラベルに乗り上げ、タイヤウオールに衝突して万事休す。チームメイトやウィリアムズのラティフィと競い合った後、タイヤが冷えていた影響か、あるいはメカニカルトラブルが原因かははっきりしていないが、マゼピンは単独スピンを喫し、デビュー戦は1周と走りきれずにマシンを降りることになった。
マゼピンのアクシデントを受けてセーフティカーが導入され、その間にペレスがピットストップに向かってタイヤを交換している。2セット目となるユーズドのミディアムタイヤを履いたペレスが隊列に復帰し、4周目を前にセーフティカーが解除されると、ここでもフェルスタッペンがうまく抜け出していく。その少し後方で、ガスリーがフロントウイングを失っており、リプレー映像を見る限り、リカルドがドライブするマクラーレンの左リアとガスリーの右フロントがわずかに接触したようで、その影響からガスリーはフロントウイングを破損している。
イエローフラッグが振られた後、バーチャルセーフティカーが発令されたものの、5周目を半分ほど終えたタイミングで解除された。5番手と好位置につけていたガスリーは自力でのピット帰還を果たすもポジションは最後尾まで下がり、難しい状況ながら何かしらのチャンスがあった場合に備え、新しいハードタイヤを装着して巻き返しを図ることになった。
トップは変わらずフェルスタッペンがキープ、ハミルトンに次いでボッタスが3番手の座を取り戻し、序盤に稼いだポジションを失ったルクレールはさらにマクラーレンのノリスにかわされて5番手に後退したものの、ノリスに遅れることなく猛追を続け、真後ろに控えていたリカルドを含めた三つ巴のバトルが繰り広げられた。
12周目に入った頃、アルピーヌがアロンソをピットに呼び入れる。2018年以来のF1レースに挑んだアロンソは9番グリッドからスタートして8番手に上がった後、新しいミディアムタイヤを選んで第2スティントを走り始めた。この動きを見てか、マクラーレン、フェラーリ、アストンマーティン、アルファロメオ・レーシングの陣営もそれぞれ1人ずつドライバーをピットに向かわせている。ほとんどはミディアムタイヤを選択したが、ジョビナッツィはハードタイヤに履き替えた。
その翌周にはメルセデスがハミルトンにピットインを指示。すでに1台のピットストップを終えていたマクラーレン、アストンマーティン、アルファロメオ・レーシングはもう1台のタイヤ交換も完了させ、ピットレーンは一時の慌ただしさを見た。ハードタイヤに交換したハミルトンは4番手の位置でコース復帰した後、ステイアウトを選んだフェラーリのサインツをオーバーテイクして3番手に浮上し、ファステストラップを刻みながら15秒前にいたチームメイトの背中を追いかける。
15周を走ったサインツがピットインするのと同時にアルファタウリに呼ばれた角田が最初のタイヤ交換を完了。サインツはミディアム、角田はハードのタイヤセットに履き替え、それぞれ11番手と14番手のポジションで隊列に加わった。1周置いてボッタスがピットストップを終えた後、フェルスタッペンもピットに向かったが、作業に手間取りハミルトンに先行を許す。
レースの3分の1を終えてオーダーはハミルトンがラップリーダーに変わり、6秒差でフェルスタッペン、ボッタスがさらに3秒後方につけ、そこから3秒後ろを猛追中のペレスが走っていたが、20周目に入るタイミングで2度目のタイヤ交換に向かい、ハードタイヤを投入したペレスは12番手の位置で第3スティントをスタートさせた。
最後尾スタートからロングスティントを走ったベッテルは20周を超えた頃からグリップに苦しむ様子が明白となり、コースを飛び出してポジションを落とすシーンもあったが、ようやくピットに向かったのは先頭集団が25周目に入ってから。直前のラップではDRSを生かした角田にホームストレートでオーバーテイクされていた。ベッテルはハードタイヤを装着してコースに戻り、17番手で第2スティントに臨んでいる。
レースの折り返し地点を過ぎた直後、メルセデスがハミルトンを再び呼び入れ、別のハードタイヤを履かせてコースへと送り出す。レッドブルよりも早めに動き、アンダーカットを狙う戦略だ。ラップリーダーはフェルスタッペンに変わり、ボッタスが2番手に上がってフェルスタッペン対策を採るかと思われたものの、ハミルトンのピットストップから2周後にはボッタスも2度目のタイヤ交換に向かった。しかしながら、右フロントタイヤの取り外しに不具合が生じ、ピット作業に10.9秒も要してしまった結果、ボッタスはチームメイトから17秒、先頭のフェルスタッペンからは36秒後方の5番手で第3スティントをスタートさせることになった。
さらに2ストップ戦略の各車が相次いでピットストップに臨む中、アルピーヌの無線でアロンソに対して出されたピットインの指示はタイヤ交換ではなくリタイアの通知となり、アロンソの復帰戦はチェッカーフラッグを見ることなく34周をもって終わりを迎えている。
2回目のピットストップでもハードタイヤを選んだ角田は戦略の異なるラッセルをかわした後、ミディアムを履くライコネンの背中を追いかけていき、ホームストレートからターン1にかけての攻防戦はライコネンがポジションを死守したものの、粘る角田がサイド・バイ・サイドに持ち込み、追い抜きを成功させてポイント圏内の10番手に浮上した。ライコネン――とアロンソ――がF1デビュー戦に挑んだ当時、角田は生まれて9カ月・・・今季の最年長ドライバーと最年少ドライバーの対決はひとまず角田に軍配が上がっている。
先頭集団に話を戻すと、レッドブルは39周目に3度目となるペレスのピットストップを敢行し、続けてフェルスタッペンもピットに呼び入れた。ハミルトンのピットストップから11周遅れて最後のタイヤ交換を済ませたフェルスタッペンはメルセデス勢と同じハードのコンパウンドを選び、2番手の位置でコースに戻る。この時点でトップに立っていたハミルトンとのギャップは7秒以上あったものの、残り10周を迎えて3秒に縮まっていた。
ペースは0.5秒ほどフェルスタッペンの方が速く、ラップ毎にコンマ数秒を削るフェルスタッペンからプレッシャーを受け続けるハミルトンがわずかにコースを飛び出す場面もあり、チェッカーフラッグまで5周を切ってその差はDRS圏内の0.7秒だった。その後、53周目にはフェルスタッペンがハミルトンをロックオンして襲いかかるが、コース外から追い抜いてしまったため、一度ポジションを戻して再度アタックすることに。ただ、絶好の好機を逃した格好のフェルスタッペンは残りのラップで思うようにペースを上げられず、ラップタイムはハミルトンの方が速い状況となった。
ファイナルラップで再びDRSゾーンに入ったフェルスタッペンだったが、ハミルトンの背中はあと一歩遠く、開幕戦はハミルトンが逆転優勝を果たし、フェルスタッペンが2位、ボッタスが3位でゴールした。レース終盤、トップ2から15秒後方にいたボッタスは3番手に30秒近いリードを保っていたことから、フリーストップのチャンスを生かしてタイヤを履き替え、ファステストラップを刻んで追加の1点も手に入れている。
4位のノリスに次いでペレスが5位フィニッシュを遂げ、スタート前後のトラブルを考えると見事な巻き返しを成功させている。6位以下はルクレール、リカルド、サインツと続き、角田が9位でチェッカーフラッグを受けてデビュー戦でポイント獲得、ストロールが10位入賞を果たした。
11位以下、完走はライコネン、ジョビナッツィ、オコン、ラッセル、ベッテル、ミックとなり、ガスリーとウィリアムズのラティフィは終盤にピットに引き上げてマシンを降りたが、それぞれ17位と18位で完走扱いとなっている。リタイアはアロンソとマゼピンの2人のみだ。
昨季以上に接戦を期待させるシーズンの幕開けとななりましたが、ホンダPU勢、レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは残念ながら2位、ペレスが5位、アルファタウリの角田が9位入賞、ガスリーは残念ながら17位となっています。
次戦も楽しみですね!
前日に行われた予選ではレッドブルのフェルスタッペンが今季初のポールシッターに輝き、ハミルトンとボッタスのメルセデス勢が2番手と3番手に続く展開に。フェルスタッペンは3回のフリー走行を通してトップに立ち続け、予選では唯一、1分29秒台の壁を突破するなど、プレシーズンテストからメルセデスが警戒していた通りのペースを発揮してみせた。
レース開始を前にペナルティによりグリッド降格となったのが、今年、フェラーリからアストンマーティンに乗り換えたベッテルだ。予選Q1でイエローフラッグが掲示された際に現場を通過したドライバーたちが減速していたかどうかをセッション終了後に裁定したレーススチュワードは、アストンマーティン勢、アルピーヌのオコン、ウィリアムズのラッセルの4人に対しておとがめなしの判断を下していたが、決勝レース当日になって再度、ベッテルがスチュワードの呼び出しを受け、審議の結果、ターン1に掲示されていたダブルイエローフラッグを尊重していなかったとしてベッテルに5グリッド降格処分が科された。これにより、予選18番手だったベッテルは最後尾スタートを強いられ、ハースF1のシューマッハとマゼピンのルーキーコンビのグリッドがひとつずつ繰り上がっている。
全長5.412kmを誇るバーレーン・インターナショナル・サーキットにて気温20.5℃、路面温度28.8℃、湿度53.5%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。タイヤ選択が自由なドライバーの中では11番手スタートのペレス(レッドブル)と13番グリッドに着いたアルファタウリの角田裕毅が予選Q2で使用したミディアムタイヤを装着したほか、ほとんどが新品のミディアムタイヤを選んだものの、ウィリアムズ勢とオコンは新しいソフトタイヤでスタートに臨んでいる。上位勢ではトップ3に加えて5番手から決戦に挑んだアルファタウリのガスリーがミディアムタイヤで第1スティントを走り、それ以外はユーズドのソフトだ。
注目のレーススタートを前に早々と波乱が起きた。グリッドに向かう道中、ペレスがコース脇にストップしてしまい、もう一度、フォーメーションラップが実施されることになったのだ。それでも、すでにコントロールエレクトロニクスを交換してレースを迎えていたペレスのマシンは再起動できたようで、自力でピットレーンにたどり着き、ピットに止まることなく出口に待機、そのままスタートに臨んでいる。フォーメーションラップが2周にわたって実施されたため、決勝レースは当初の57周から1周少ない56周で争われた。
仕切り直しのオープニングラップはフェルスタッペンが好発進を決めてメルセデスコンビの攻撃を退け、ルクレールが前のボッタスをかわして3番手に上がる。ただ、ターン1を抜けて混雑する集団の後方でマゼピンがスピンを喫してグラベルに乗り上げ、タイヤウオールに衝突して万事休す。チームメイトやウィリアムズのラティフィと競い合った後、タイヤが冷えていた影響か、あるいはメカニカルトラブルが原因かははっきりしていないが、マゼピンは単独スピンを喫し、デビュー戦は1周と走りきれずにマシンを降りることになった。
マゼピンのアクシデントを受けてセーフティカーが導入され、その間にペレスがピットストップに向かってタイヤを交換している。2セット目となるユーズドのミディアムタイヤを履いたペレスが隊列に復帰し、4周目を前にセーフティカーが解除されると、ここでもフェルスタッペンがうまく抜け出していく。その少し後方で、ガスリーがフロントウイングを失っており、リプレー映像を見る限り、リカルドがドライブするマクラーレンの左リアとガスリーの右フロントがわずかに接触したようで、その影響からガスリーはフロントウイングを破損している。
イエローフラッグが振られた後、バーチャルセーフティカーが発令されたものの、5周目を半分ほど終えたタイミングで解除された。5番手と好位置につけていたガスリーは自力でのピット帰還を果たすもポジションは最後尾まで下がり、難しい状況ながら何かしらのチャンスがあった場合に備え、新しいハードタイヤを装着して巻き返しを図ることになった。
トップは変わらずフェルスタッペンがキープ、ハミルトンに次いでボッタスが3番手の座を取り戻し、序盤に稼いだポジションを失ったルクレールはさらにマクラーレンのノリスにかわされて5番手に後退したものの、ノリスに遅れることなく猛追を続け、真後ろに控えていたリカルドを含めた三つ巴のバトルが繰り広げられた。
12周目に入った頃、アルピーヌがアロンソをピットに呼び入れる。2018年以来のF1レースに挑んだアロンソは9番グリッドからスタートして8番手に上がった後、新しいミディアムタイヤを選んで第2スティントを走り始めた。この動きを見てか、マクラーレン、フェラーリ、アストンマーティン、アルファロメオ・レーシングの陣営もそれぞれ1人ずつドライバーをピットに向かわせている。ほとんどはミディアムタイヤを選択したが、ジョビナッツィはハードタイヤに履き替えた。
その翌周にはメルセデスがハミルトンにピットインを指示。すでに1台のピットストップを終えていたマクラーレン、アストンマーティン、アルファロメオ・レーシングはもう1台のタイヤ交換も完了させ、ピットレーンは一時の慌ただしさを見た。ハードタイヤに交換したハミルトンは4番手の位置でコース復帰した後、ステイアウトを選んだフェラーリのサインツをオーバーテイクして3番手に浮上し、ファステストラップを刻みながら15秒前にいたチームメイトの背中を追いかける。
15周を走ったサインツがピットインするのと同時にアルファタウリに呼ばれた角田が最初のタイヤ交換を完了。サインツはミディアム、角田はハードのタイヤセットに履き替え、それぞれ11番手と14番手のポジションで隊列に加わった。1周置いてボッタスがピットストップを終えた後、フェルスタッペンもピットに向かったが、作業に手間取りハミルトンに先行を許す。
レースの3分の1を終えてオーダーはハミルトンがラップリーダーに変わり、6秒差でフェルスタッペン、ボッタスがさらに3秒後方につけ、そこから3秒後ろを猛追中のペレスが走っていたが、20周目に入るタイミングで2度目のタイヤ交換に向かい、ハードタイヤを投入したペレスは12番手の位置で第3スティントをスタートさせた。
最後尾スタートからロングスティントを走ったベッテルは20周を超えた頃からグリップに苦しむ様子が明白となり、コースを飛び出してポジションを落とすシーンもあったが、ようやくピットに向かったのは先頭集団が25周目に入ってから。直前のラップではDRSを生かした角田にホームストレートでオーバーテイクされていた。ベッテルはハードタイヤを装着してコースに戻り、17番手で第2スティントに臨んでいる。
レースの折り返し地点を過ぎた直後、メルセデスがハミルトンを再び呼び入れ、別のハードタイヤを履かせてコースへと送り出す。レッドブルよりも早めに動き、アンダーカットを狙う戦略だ。ラップリーダーはフェルスタッペンに変わり、ボッタスが2番手に上がってフェルスタッペン対策を採るかと思われたものの、ハミルトンのピットストップから2周後にはボッタスも2度目のタイヤ交換に向かった。しかしながら、右フロントタイヤの取り外しに不具合が生じ、ピット作業に10.9秒も要してしまった結果、ボッタスはチームメイトから17秒、先頭のフェルスタッペンからは36秒後方の5番手で第3スティントをスタートさせることになった。
さらに2ストップ戦略の各車が相次いでピットストップに臨む中、アルピーヌの無線でアロンソに対して出されたピットインの指示はタイヤ交換ではなくリタイアの通知となり、アロンソの復帰戦はチェッカーフラッグを見ることなく34周をもって終わりを迎えている。
2回目のピットストップでもハードタイヤを選んだ角田は戦略の異なるラッセルをかわした後、ミディアムを履くライコネンの背中を追いかけていき、ホームストレートからターン1にかけての攻防戦はライコネンがポジションを死守したものの、粘る角田がサイド・バイ・サイドに持ち込み、追い抜きを成功させてポイント圏内の10番手に浮上した。ライコネン――とアロンソ――がF1デビュー戦に挑んだ当時、角田は生まれて9カ月・・・今季の最年長ドライバーと最年少ドライバーの対決はひとまず角田に軍配が上がっている。
先頭集団に話を戻すと、レッドブルは39周目に3度目となるペレスのピットストップを敢行し、続けてフェルスタッペンもピットに呼び入れた。ハミルトンのピットストップから11周遅れて最後のタイヤ交換を済ませたフェルスタッペンはメルセデス勢と同じハードのコンパウンドを選び、2番手の位置でコースに戻る。この時点でトップに立っていたハミルトンとのギャップは7秒以上あったものの、残り10周を迎えて3秒に縮まっていた。
ペースは0.5秒ほどフェルスタッペンの方が速く、ラップ毎にコンマ数秒を削るフェルスタッペンからプレッシャーを受け続けるハミルトンがわずかにコースを飛び出す場面もあり、チェッカーフラッグまで5周を切ってその差はDRS圏内の0.7秒だった。その後、53周目にはフェルスタッペンがハミルトンをロックオンして襲いかかるが、コース外から追い抜いてしまったため、一度ポジションを戻して再度アタックすることに。ただ、絶好の好機を逃した格好のフェルスタッペンは残りのラップで思うようにペースを上げられず、ラップタイムはハミルトンの方が速い状況となった。
ファイナルラップで再びDRSゾーンに入ったフェルスタッペンだったが、ハミルトンの背中はあと一歩遠く、開幕戦はハミルトンが逆転優勝を果たし、フェルスタッペンが2位、ボッタスが3位でゴールした。レース終盤、トップ2から15秒後方にいたボッタスは3番手に30秒近いリードを保っていたことから、フリーストップのチャンスを生かしてタイヤを履き替え、ファステストラップを刻んで追加の1点も手に入れている。
4位のノリスに次いでペレスが5位フィニッシュを遂げ、スタート前後のトラブルを考えると見事な巻き返しを成功させている。6位以下はルクレール、リカルド、サインツと続き、角田が9位でチェッカーフラッグを受けてデビュー戦でポイント獲得、ストロールが10位入賞を果たした。
11位以下、完走はライコネン、ジョビナッツィ、オコン、ラッセル、ベッテル、ミックとなり、ガスリーとウィリアムズのラティフィは終盤にピットに引き上げてマシンを降りたが、それぞれ17位と18位で完走扱いとなっている。リタイアはアロンソとマゼピンの2人のみだ。
昨季以上に接戦を期待させるシーズンの幕開けとななりましたが、ホンダPU勢、レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは残念ながら2位、ペレスが5位、アルファタウリの角田が9位入賞、ガスリーは残念ながら17位となっています。
次戦も楽しみですね!
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