3日(日)、テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を舞台に2019年FIA F1世界選手権第19戦US GP決勝レースが開催され、メルセデスのボッタスが優勝するも、ハミルトンが2位に入って6度目のドライバーズ選手権制覇を達成した。
メルセデス、フェラーリ、レッドブルの上位3チームが100分の数秒を争う大激闘を繰り広げた予選ではボッタスがポールポジションを手に入れ、フェラーリを駆るベッテルが2番手、レッドブルのフェルスタッペンが3番手に並び、ルクレール(フェラーリ)とハミルトン(メルセデス)を含むトップ5のドライバーが予選Q2を突破したミディアムタイヤでスタートに臨んでいる。
ピレリはオースティンにC2からC4のドライタイヤを用意しており、レースではミディアムもしくはハードのいずれか1セットを使用することが義務付けられた。タイヤ選択が自由な11番手以降のドライバーは多くがハードもしくはミディアムをスタートタイヤに選んだが、17番グリッドのライコネン(アルファロメオ・レーシング)は新品のソフトタイヤを履いている。
スタート直後の上り坂が特徴的なサーキット・オブ・ジ・アメリカズは反時計回りの全長5.513kmを誇り、56周で争われた決勝レースはすっきりとした秋晴れに恵まれ、気温21.1℃、路面温度28.8℃、湿度24%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。
シグナル消灯と同時にポールからボッタスが好発進を決め、その後方ではベッテルとフェルスタッペンがホイール・トゥ・ホイールの状態でターン1に突入、前を取ったのはフェルスタッペンだ。ベッテルはペースが上がらないようでハミルトンにかわされ、さらにはルクレールにも追い抜かれて5番手に後退している。ポジションを取り戻そうとしたベッテルだったが、ルクレールが前をキープした上、マクラーレンのノリスとルノーのリカルドにまでオーバーテイクを許してしまった。ルクレールとのバトルで接触したようにも見えたが、ベッテルが無線で報告したところによれば「接触はしていない」ものの、「何かがおかしい」と訴えている。
また、スタート直後のターン1ではレッドブルのアルボンとサインツ(マクラーレン)が交錯しており、2人とも大きなダメージはなかったようだが、アルボンは緊急ピットインしてタイヤをミディアムに履き替えた。この一件はスチュワードの審議対象となるも、おとがめなしの裁定が下っている。リプレー映像を見ると、ルクレールとサインツの間でサンドイッチ状態だったアルボンは行き場がなく、アウト側にいたサインツがひこうとしたものの、縁石に乗り上げてこちらも成すすべがなかったように思われた。
ボッタス、フェルスタッペン、ハミルトンの3人は2秒弱の間隔をキープして周回を重ね、ハミルトンから5秒遅れの位置にいたルクレールはトップ3よりも1秒近くペースが遅かった。6周目にはチームから「プランBでいく」との連絡が入り、「ただし、前のハミルトンとのギャップを縮める必要がある」と発破をかけられている。しかしながら、ギャップは縮まるどころか広がり続け、ベッテル同様にルクレールもペースアップに苦しんでいる様子だった。
ルクレールの4秒後方に陣取っていたノリスはリカルドとベッテルからプレッシャーを受けながらの戦いを強いられ、ペースは後ろの2人の方が良かったものの、接近戦のさなか、ターン8でコースをわずかに飛び出したベッテルが縁石に乗り上げてマシンを弾ませてしまい、右リアサスペンションにダメージを受ける。なんとかコースに戻ったベッテルだったが、続投は難しく、コース脇にマシンを止めてコックピットを離れた。ベッテル脱落からほどなくして、リカルドがノリスのオーバーテイクを成功させて5番手に浮上している。
1分43秒台までラップタイムが落ちていたノリスから3.4秒差の位置につけていたトロ・ロッソのガスリーはサインツ(マクラーレン)とポジションを争っており、2人の4秒後方にはソフトタイヤで17番手からスタートしたライコネンが9番手まで上がってきていた。
10周を過ぎた頃からフェルスタッペンがペースに苦しみ始め、2秒近くあったハミルトンとのギャップが1秒未満に縮まる。勝負どころと見たハミルトンは自己ベストを刻んで攻撃のチャンスを待っていたが、フェルスタッペンのタイヤの状態を踏まえてレッドブルがすぐに動き、ピットに呼び入れてハードタイヤに交換している。フェルスタッペンは3番手に上がったルクレールの後方6秒の位置で隊列に復帰した。
レッドブルとフェルスタッペンのピットストップを受けて次のラップにはメルセデスも対応に出る。ボッタスをピットインさせ、新品のハードタイヤを履かせてコースに送り出した。フェルスタッペンのタイヤセットはフリー走行で皮むきを終えたユーズドとはいえ、走行距離は1周の違いだ。
フェルスタッペンの前でコース復帰したボッタスはすぐにルクレールを料理して2番手に浮上。ファステストを更新していたフェルスタッペンもルクレールをとらえてポジションを上げている。16周目に入った時点で先頭のハミルトンは第1スティントを継続しており、ボッタスまでのギャップは13秒、ボッタスとフェルスタッペンの間には3秒弱の間隔だった。
ハミルトンの動きに注目が集まる中、メルセデスは無線で「他の人たちは2ストップのようだ。われわれはオリジナルプランで行く」とハミルトンに連絡。つまりは1ストップ戦略を実行するとのメッセージだ。ハミルトンが1分41秒前半のペースだったのに対し、ボッタスは1分38秒台に入れつつ、フェルスタッペンも1分39秒台を刻んでハミルトンに接近していった。
ソフトタイヤでスタートしたドライバーたちがピットに向かい始めたのは先頭集団が19周目に入る頃。サインツとライコネンが同時ピットインでハードタイヤに履き替えると、中団グループに位置する他のドライバーたちもピットストップを完了していく。ルクレールもその流れに乗ってタイヤ交換を終えている。
ソフトスタートだった中で最も遅くピットに向かったのはリカルドだ。前戦メキシコGPでも超ロングスティントを走って入賞しているリカルドは21周を走ってピットインし、ハードタイヤを履いて7番手の位置でコース復帰した。アンダーカットを狙ったノリスが懸命にプッシュしていたが、リカルドが前のポジションを死守している。リカルドはミディアムタイヤで第1スティント中のペレスをオーバーテイクして6番手に上がり、ノリスもペレスに対する追い抜きを成功させた。
その頃、メルセデスのピットに動きが見られ、クルーがタイヤを用意して待機していたが、ハミルトンはステイアウトを選んでピットには入ってこなかった。そのラップでボッタスがハミルトンに追いつき、戦略が異なることから争うことなくハミルトンがチームメイトにポジションを譲っている。ハミルトンはそのままピットに向かい、ハードタイヤに履き替えて3番手で隊列に加わった。
28周の第1スティントを走ったヒュルケンベルグが最後にタイヤ交換を済ませ、ハードからミディアムに履き替えている。全車が少なくとも1回のピットストップを完了し、先頭はボッタス、フェルスタッペン、ハミルトン、ルクレール、リカルド、ノリス、サインツ、アルボン、ガスリー、ライコネンが入賞圏内につけていた。2セット目のミディアムを投入したアルボンはコース上でサインツを料理して7番手に上がり、マクラーレンよりも1秒近く速いペースで前方のノリスを追いかける。
ボッタスはフェルスタッペンに7.5秒のリードを築き、フェルスタッペンもハミルトンに8秒近いギャップを有していたが、フェルスタッペンは35周目に入る手前で2回目のピットストップに向かい、新しいミディアムタイヤを装着してハミルトンの15秒後方、ルクレールより13秒ほど前の3番手でコースに戻った。1周遅れてボッタスも2度目のタイヤ交換を完了、ハードからこちらも新しいミディアムに履き替えている。
再びラップリーダーに躍り出たハミルトンのリードは9.8秒、ボッタスとフェルスタッペンの間には4.5秒のギャップがあった。ハミルトンが残る20周を走り切り、1ストップ戦略を実現させられればポジションを維持したままチェッカーフラッグを受けられる状態とはいえ、ラップあたり1秒速いと言われるミディアムを履くボッタスとフェルスタッペンの脅威を警戒する必要があった。
その見立て通り、フレッシュタイヤを得たボッタスは1分36秒台のファステストラップを記録してハミルトンに接近、わずか2周で2人のギャップは5.4秒に縮まっている。ボッタスは周回遅れのマシンにも対応しながら少しずつハミルトンとのタイム差を削っていった。ハミルトンの無線ではもう一度タイヤを交換して3位争いに転じることも可能だと伝えられたが、ハミルトンはステイアウトを選んでいる。
また、ソフトタイヤのニューセットを持つ陣営は43周目から44周目にかけてドライバーをピットに呼び入れ、ライコネンやヒュルケンベルグ、トロ・ロッソのダニール・クビアトらがフレッシュタイヤに履き替えている。ピットインしたことでポイント圏外に脱落したものの、接近戦を展開していたライコネンとヒュルケンベルグは数コーナーにわたってサイド・バイ・サイドを続けた後、ヒュルケンベルグが11番手に上がるも、ライコネンはヒュルケンベルグがコース外を走ることでアドバンテージを得ていたと報告。結局、ヒュルケンベルグはポジションを戻すようルノーから指示されて12番手に下がっている。
新品のソフトを1セット残していたフェラーリもルクレールに柔らかいコンパウンドを与え、1分36秒169を刻んでファステストラップを更新したが、トップ3ドライバーとのギャップは55秒以上あり、ほぼ単独での走行が続いた。
50周目に入るとボッタスがハミルトンのDRSゾーンに突入し、周回数の少ないタイヤを生かしてプレッシャーをかける。チームはすでにコンストラクターズタイトルを手中に収めているため、2人の競争を許しているようで、ボッタスの容赦ない猛追がハミルトンに襲いかかった。一度はハミルトンが防御を成功させるも、ストレートでトウを得たボッタスがサイド・バイ・サイドに持ち込み、ついにリードを奪い返す。接近戦に集中していたメルセデス勢の後方にはフェルスタッペンも迫ってきており、5秒以上あったギャップは半分に減り、ハミルトンは残り5周にわたってフェルスタッペンのプレッシャーを受けることになった。
残り3周を切ってペースを上げたフェルスタッペンはハミルトンより1.5秒ほど速いラップタイムで猛チャージをかけ、55周目にはDRSゾーンに入る。ただ、ターン12でハースF1のケビン・マグヌッセンがグラベルに直進してしまい、黄旗が振られていたため、この区間のオーバーテイクは認められない。
ファイナルラップを迎えてコンマ数秒差に近づいたフェルスタッペンはセクター2の黄旗区間を抜けて接近を試みたが、十分な距離には持ち込めず。一足先にトップチェッカーを受けたボッタスに続き、ハミルトンが2位、フェルスタッペンが3位でゴールした。フェルスタッペンと0.854秒差で2位表彰台に上ったハミルトンがオースティンの地で6度目のF1世界王者に輝いている。
4位にルクレール、アルボンが5位に入り、リカルド、ノリス、サインツ、ヒュルケンベルグ、ペレスが10位でポイントを獲得している。チェッカーを受けた順番はクビアトが先だったが、ファイナルラップでペレスにマシンをぶつけており、5秒のタイムペナルティが科された結果、12位に降格した。終盤まで10番手を走っていたガスリーは先頭集団がファイナルラップに入ったタイミングでピットインし、そのままマシンを止めている。無線では「何かが壊れた」と伝えており、トラブルに見舞われたようだ。ガスリーは16位完走扱いとなった。
ホンダPU勢は、レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが3位表彰台、アルボンが5位と頑張りましたが、トロ・ロッソ・ホンダのクビアトはペレスとのインシデントで10位入賞も5秒のぺナルティで12位降格、ガスリーもポイント圏内を走ってのですが、ぺレスとの接触でリタイア、16位完走扱いとなり残念な結果となっています。
メルセデス、フェラーリ、レッドブルの上位3チームが100分の数秒を争う大激闘を繰り広げた予選ではボッタスがポールポジションを手に入れ、フェラーリを駆るベッテルが2番手、レッドブルのフェルスタッペンが3番手に並び、ルクレール(フェラーリ)とハミルトン(メルセデス)を含むトップ5のドライバーが予選Q2を突破したミディアムタイヤでスタートに臨んでいる。
ピレリはオースティンにC2からC4のドライタイヤを用意しており、レースではミディアムもしくはハードのいずれか1セットを使用することが義務付けられた。タイヤ選択が自由な11番手以降のドライバーは多くがハードもしくはミディアムをスタートタイヤに選んだが、17番グリッドのライコネン(アルファロメオ・レーシング)は新品のソフトタイヤを履いている。
スタート直後の上り坂が特徴的なサーキット・オブ・ジ・アメリカズは反時計回りの全長5.513kmを誇り、56周で争われた決勝レースはすっきりとした秋晴れに恵まれ、気温21.1℃、路面温度28.8℃、湿度24%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。
シグナル消灯と同時にポールからボッタスが好発進を決め、その後方ではベッテルとフェルスタッペンがホイール・トゥ・ホイールの状態でターン1に突入、前を取ったのはフェルスタッペンだ。ベッテルはペースが上がらないようでハミルトンにかわされ、さらにはルクレールにも追い抜かれて5番手に後退している。ポジションを取り戻そうとしたベッテルだったが、ルクレールが前をキープした上、マクラーレンのノリスとルノーのリカルドにまでオーバーテイクを許してしまった。ルクレールとのバトルで接触したようにも見えたが、ベッテルが無線で報告したところによれば「接触はしていない」ものの、「何かがおかしい」と訴えている。
また、スタート直後のターン1ではレッドブルのアルボンとサインツ(マクラーレン)が交錯しており、2人とも大きなダメージはなかったようだが、アルボンは緊急ピットインしてタイヤをミディアムに履き替えた。この一件はスチュワードの審議対象となるも、おとがめなしの裁定が下っている。リプレー映像を見ると、ルクレールとサインツの間でサンドイッチ状態だったアルボンは行き場がなく、アウト側にいたサインツがひこうとしたものの、縁石に乗り上げてこちらも成すすべがなかったように思われた。
ボッタス、フェルスタッペン、ハミルトンの3人は2秒弱の間隔をキープして周回を重ね、ハミルトンから5秒遅れの位置にいたルクレールはトップ3よりも1秒近くペースが遅かった。6周目にはチームから「プランBでいく」との連絡が入り、「ただし、前のハミルトンとのギャップを縮める必要がある」と発破をかけられている。しかしながら、ギャップは縮まるどころか広がり続け、ベッテル同様にルクレールもペースアップに苦しんでいる様子だった。
ルクレールの4秒後方に陣取っていたノリスはリカルドとベッテルからプレッシャーを受けながらの戦いを強いられ、ペースは後ろの2人の方が良かったものの、接近戦のさなか、ターン8でコースをわずかに飛び出したベッテルが縁石に乗り上げてマシンを弾ませてしまい、右リアサスペンションにダメージを受ける。なんとかコースに戻ったベッテルだったが、続投は難しく、コース脇にマシンを止めてコックピットを離れた。ベッテル脱落からほどなくして、リカルドがノリスのオーバーテイクを成功させて5番手に浮上している。
1分43秒台までラップタイムが落ちていたノリスから3.4秒差の位置につけていたトロ・ロッソのガスリーはサインツ(マクラーレン)とポジションを争っており、2人の4秒後方にはソフトタイヤで17番手からスタートしたライコネンが9番手まで上がってきていた。
10周を過ぎた頃からフェルスタッペンがペースに苦しみ始め、2秒近くあったハミルトンとのギャップが1秒未満に縮まる。勝負どころと見たハミルトンは自己ベストを刻んで攻撃のチャンスを待っていたが、フェルスタッペンのタイヤの状態を踏まえてレッドブルがすぐに動き、ピットに呼び入れてハードタイヤに交換している。フェルスタッペンは3番手に上がったルクレールの後方6秒の位置で隊列に復帰した。
レッドブルとフェルスタッペンのピットストップを受けて次のラップにはメルセデスも対応に出る。ボッタスをピットインさせ、新品のハードタイヤを履かせてコースに送り出した。フェルスタッペンのタイヤセットはフリー走行で皮むきを終えたユーズドとはいえ、走行距離は1周の違いだ。
フェルスタッペンの前でコース復帰したボッタスはすぐにルクレールを料理して2番手に浮上。ファステストを更新していたフェルスタッペンもルクレールをとらえてポジションを上げている。16周目に入った時点で先頭のハミルトンは第1スティントを継続しており、ボッタスまでのギャップは13秒、ボッタスとフェルスタッペンの間には3秒弱の間隔だった。
ハミルトンの動きに注目が集まる中、メルセデスは無線で「他の人たちは2ストップのようだ。われわれはオリジナルプランで行く」とハミルトンに連絡。つまりは1ストップ戦略を実行するとのメッセージだ。ハミルトンが1分41秒前半のペースだったのに対し、ボッタスは1分38秒台に入れつつ、フェルスタッペンも1分39秒台を刻んでハミルトンに接近していった。
ソフトタイヤでスタートしたドライバーたちがピットに向かい始めたのは先頭集団が19周目に入る頃。サインツとライコネンが同時ピットインでハードタイヤに履き替えると、中団グループに位置する他のドライバーたちもピットストップを完了していく。ルクレールもその流れに乗ってタイヤ交換を終えている。
ソフトスタートだった中で最も遅くピットに向かったのはリカルドだ。前戦メキシコGPでも超ロングスティントを走って入賞しているリカルドは21周を走ってピットインし、ハードタイヤを履いて7番手の位置でコース復帰した。アンダーカットを狙ったノリスが懸命にプッシュしていたが、リカルドが前のポジションを死守している。リカルドはミディアムタイヤで第1スティント中のペレスをオーバーテイクして6番手に上がり、ノリスもペレスに対する追い抜きを成功させた。
その頃、メルセデスのピットに動きが見られ、クルーがタイヤを用意して待機していたが、ハミルトンはステイアウトを選んでピットには入ってこなかった。そのラップでボッタスがハミルトンに追いつき、戦略が異なることから争うことなくハミルトンがチームメイトにポジションを譲っている。ハミルトンはそのままピットに向かい、ハードタイヤに履き替えて3番手で隊列に加わった。
28周の第1スティントを走ったヒュルケンベルグが最後にタイヤ交換を済ませ、ハードからミディアムに履き替えている。全車が少なくとも1回のピットストップを完了し、先頭はボッタス、フェルスタッペン、ハミルトン、ルクレール、リカルド、ノリス、サインツ、アルボン、ガスリー、ライコネンが入賞圏内につけていた。2セット目のミディアムを投入したアルボンはコース上でサインツを料理して7番手に上がり、マクラーレンよりも1秒近く速いペースで前方のノリスを追いかける。
ボッタスはフェルスタッペンに7.5秒のリードを築き、フェルスタッペンもハミルトンに8秒近いギャップを有していたが、フェルスタッペンは35周目に入る手前で2回目のピットストップに向かい、新しいミディアムタイヤを装着してハミルトンの15秒後方、ルクレールより13秒ほど前の3番手でコースに戻った。1周遅れてボッタスも2度目のタイヤ交換を完了、ハードからこちらも新しいミディアムに履き替えている。
再びラップリーダーに躍り出たハミルトンのリードは9.8秒、ボッタスとフェルスタッペンの間には4.5秒のギャップがあった。ハミルトンが残る20周を走り切り、1ストップ戦略を実現させられればポジションを維持したままチェッカーフラッグを受けられる状態とはいえ、ラップあたり1秒速いと言われるミディアムを履くボッタスとフェルスタッペンの脅威を警戒する必要があった。
その見立て通り、フレッシュタイヤを得たボッタスは1分36秒台のファステストラップを記録してハミルトンに接近、わずか2周で2人のギャップは5.4秒に縮まっている。ボッタスは周回遅れのマシンにも対応しながら少しずつハミルトンとのタイム差を削っていった。ハミルトンの無線ではもう一度タイヤを交換して3位争いに転じることも可能だと伝えられたが、ハミルトンはステイアウトを選んでいる。
また、ソフトタイヤのニューセットを持つ陣営は43周目から44周目にかけてドライバーをピットに呼び入れ、ライコネンやヒュルケンベルグ、トロ・ロッソのダニール・クビアトらがフレッシュタイヤに履き替えている。ピットインしたことでポイント圏外に脱落したものの、接近戦を展開していたライコネンとヒュルケンベルグは数コーナーにわたってサイド・バイ・サイドを続けた後、ヒュルケンベルグが11番手に上がるも、ライコネンはヒュルケンベルグがコース外を走ることでアドバンテージを得ていたと報告。結局、ヒュルケンベルグはポジションを戻すようルノーから指示されて12番手に下がっている。
新品のソフトを1セット残していたフェラーリもルクレールに柔らかいコンパウンドを与え、1分36秒169を刻んでファステストラップを更新したが、トップ3ドライバーとのギャップは55秒以上あり、ほぼ単独での走行が続いた。
50周目に入るとボッタスがハミルトンのDRSゾーンに突入し、周回数の少ないタイヤを生かしてプレッシャーをかける。チームはすでにコンストラクターズタイトルを手中に収めているため、2人の競争を許しているようで、ボッタスの容赦ない猛追がハミルトンに襲いかかった。一度はハミルトンが防御を成功させるも、ストレートでトウを得たボッタスがサイド・バイ・サイドに持ち込み、ついにリードを奪い返す。接近戦に集中していたメルセデス勢の後方にはフェルスタッペンも迫ってきており、5秒以上あったギャップは半分に減り、ハミルトンは残り5周にわたってフェルスタッペンのプレッシャーを受けることになった。
残り3周を切ってペースを上げたフェルスタッペンはハミルトンより1.5秒ほど速いラップタイムで猛チャージをかけ、55周目にはDRSゾーンに入る。ただ、ターン12でハースF1のケビン・マグヌッセンがグラベルに直進してしまい、黄旗が振られていたため、この区間のオーバーテイクは認められない。
ファイナルラップを迎えてコンマ数秒差に近づいたフェルスタッペンはセクター2の黄旗区間を抜けて接近を試みたが、十分な距離には持ち込めず。一足先にトップチェッカーを受けたボッタスに続き、ハミルトンが2位、フェルスタッペンが3位でゴールした。フェルスタッペンと0.854秒差で2位表彰台に上ったハミルトンがオースティンの地で6度目のF1世界王者に輝いている。
4位にルクレール、アルボンが5位に入り、リカルド、ノリス、サインツ、ヒュルケンベルグ、ペレスが10位でポイントを獲得している。チェッカーを受けた順番はクビアトが先だったが、ファイナルラップでペレスにマシンをぶつけており、5秒のタイムペナルティが科された結果、12位に降格した。終盤まで10番手を走っていたガスリーは先頭集団がファイナルラップに入ったタイミングでピットインし、そのままマシンを止めている。無線では「何かが壊れた」と伝えており、トラブルに見舞われたようだ。ガスリーは16位完走扱いとなった。
ホンダPU勢は、レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが3位表彰台、アルボンが5位と頑張りましたが、トロ・ロッソ・ホンダのクビアトはペレスとのインシデントで10位入賞も5秒のぺナルティで12位降格、ガスリーもポイント圏内を走ってのですが、ぺレスとの接触でリタイア、16位完走扱いとなり残念な結果となっています。
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