作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

アメリカ自動車業界の苦境

2005年11月22日 | 政治・経済

 

アメリカ経済が現在、巨大な財政赤字を抱えていることはよく知られている。


「米商務省が10日発表した9月の米貿易赤字(サービス含む国際収支ベース、季節調整済み)は前月比11.4%増の661億600万ドルとなり、単月で過去最大となった。1―9月の赤字も約5298億ドルと前年同期を18.2%上回り、通年で7000億ドルに迫る勢いだ。対中赤字が単月で過去最大となった。」(日経11/10)いう。

特に対中貿易における赤字幅が大きく、米中貿易摩擦が顕在化しかねない勢いである。先般ブッシュ大統領がAPEC会議の出席後中国を訪問したさい、胡錦濤中国国家主席と会談した際に、ボーイング旅客機70機の購入を伝えたのも、特出した対米黒字に対する配慮を示したものである。アメリカは依然として最先端技術では世界最高の競争力を維持しているが、繊維では中国の、自動車や鉄鋼では日本や韓国、中国などの北アジアの工業力の前に敗退しつつある。昨日のニュースでは、GMの会長が破産法を申請をしないという声明まで出すに至っている。 


アメリカの自動車産業の不振は、環境対策とガソリン効率において日本車に比べて出遅れたことにある。インドや中国の経済的な台頭によってエネルギー需要が高まり最近の原油高騰に見られるように自動車のガソリン効率についての要求が高まるのは必然的である。この点でいち早く対応したトヨタやホンダが競争力を持つのは当然である。

 

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