今日は七夕
今日は七夕。けれども残念ながら雨は今週から降り続いて止まない。これだけ雨が降り続ければ天の河も濁流となってしまい織姫と彦星の年にたった一度の逢瀬もかなわないかもしれない。
七夕の故事がいつから語り始められたのか知らないけれど、中国から伝わったらしく、すでに平安初期に生きた在原業平や惟喬親王ら人々が七夕の宵をどのように過ごしていたか、その物語も残されている。
渚の院の七夕 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/Ysus5i
貴族社会から武家社会へと移行してゆく平安末期の不安な世相の時代に生きたの歌人の西行もまた七夕の宵に因んで和歌を詠んでいる。
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七夕は 逢ふをうれしと 思ふらん
われは別れの 憂き今宵かな
今夜の七夕の宵は 織姫と彦星の出逢うのを見て、人々はわがことのようにうれしいと思うでしょう。それなのに、わたしは今も愛しい人とも離ればなれに別れたままです。
だから、今宵はなおいっそうのこと出逢えぬ悲しみは深くつらいのです。
西行が誰と別れざるを得なかったのか、どのような事情で別れたのか、それは知るよしもない。しかし、恋しい人とも出逢えない西行の心の悲しみは、七夕の宵だからこそなおいっそうつのりゆく。
西行が誰と別れざるを得なかったのか、どのような事情で別れたのか、それは知るよしもない。しかし、恋しい人とも出逢えない西行の心の悲しみは、七夕の宵だからこそなおいっそうつのりゆく。