真珠湾攻撃から六十八年
12月8日の今日は、かって68年前に太平洋戦争の火ぶたを切って落とすことになった真珠湾攻撃のあった日である。今日もNHKの「クローズアップ現代」でも、かっての太平洋戦争を回想させる番組を組んでいた。「さまよう 兵士たちの“日の丸”」として、作家の半藤一利氏を登場させて、相変わらず大日本帝国政府と帝国陸海軍を誹謗、中傷させていた。
「アメリカ軍は戦後墜落された兵士のその後を徹底的に追跡調査して、いかにも兵士の一人一人の生命を大切にしていたのに比べれば、日本政府は「一銭五厘」の赤紙で国民を徴兵し、いかにも日本人の生命を軽んじていた」ように言う。
それに対して、家族や同郷の隣人、知人、同僚は「日の丸」に、「武運長久」と書いて、出征兵士の無事の帰還を願っていたという発言をして、相変わらず、太平洋戦争開戦当時の政府、軍隊の非人間性、悪党ぶりを強調していた。いつものようにそれは、GHQのアメリカ軍は解放軍であり、旧日本軍は非民主的で悪逆な軍国主義の象徴であったという、現在のNHKの太平洋戦争史観、階級闘争史観を代弁させるものでもあった。
もし、先の太平洋戦争で日本軍が勝利を収めていれば(それはありえないことではあるけれども)、日本軍も日本政府もまた、戦死したり行方不明になった日本軍兵士を調査し確認する作業をもっと丁寧に行うこともできていただろう。もし戦争の勝者であれば、それだけの余裕、余力もあったはずである。半藤一利氏にはそれくらいの想像力すらもないのか。
半藤一利氏は「勝てば官軍、負ければ賊軍」という諺の真理を今一度かみしめるべきだろう。半藤氏は、太平洋戦争に敗北した日本政府と帝国陸海軍をどこまでも悪者にしたいために、「賊軍だから負けたのではなく、負けたから賊軍になっている」ということすらわからないのだ。物事を相対化して思考することさえできない人である。旧帝国陸海軍や軍人首相の肩を私は一方的に持つつもりもないけれど、物事はもっと客観的に相対化して見なければならない。それが科学であり、歴史研究である。
長崎、広島に原爆を投下して、数万人の非戦闘員の女子・子供を瞬時に殺戮、蒸発させたアメリカ大統領が戦争犯罪人としてその罪の問われない理由を問いたい。
国家間の戦争の当事者を捉えて、一方を善とし、他方を悪として断罪するのは愚かしいことである。善だから勝者ではなく、勝者だから善なのである。これが一切の言い訳の効かない歴史の厳しさである。
私たちはこれからも歴史研究の一環として太平洋戦争史の研究は継続して行く。それは、なぜ日本の国内にアメリカ軍が駐留しているのか、アメリカの従属国家、日本の現実を知るためであり、私たち日本人が「植民地文化」から脱して、真に自由と独立を回復して行くためである。
アメリカの鏡・日本(ヘレン・ミアーズ) http://www.sam.hi-ho.ne.jp/s_suzuki/book_mirror.html#gaiyou
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