作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

出町柳、柳月堂

2022年01月21日 | 日記・紀行

 

2022(令和4)年1月21日(金)雪。

 

出町柳、柳月堂

昨晩から降り続いた雪で、先週の金曜日に引き続いて今朝もかなりの積雪があった。ふだんに雪に慣れてもおらず、雪の恐ろしさも知らず経験しない市民は突然の雪に足を取られたり自転車やバイク通勤などに四苦八苦することになる。凍結した路上や積雪の上を通行することも業務上からも避けることのできないデリバリー、配送や運輸、郵便配達などの仕事は、この積雪のために障害や困難にやむをえず遭遇することにもなる。こんな雪の日にも一人一人には人それぞれの個人的なドラマがあるとしても、総体としての市民生活は機械の歯車のように黙々と継続してゆく。

この積雪のために私もまた多少なりとも時間の変更を余儀なくされ、乗り換えの調整のために出町柳に出ることになった。その時に本当に久しぶりに柳月堂のことを思い出して訪れてみる気になった。学生の頃にこの出町柳近くに下宿していた友人もいて、この店にはよく来たけれどもここ数十年はご無沙汰していた。だから、今も変わらずあるのかどうかすら行ってみるまでわからなかった。

出町柳の一角に、今も変わらずに昔と同じように「名曲喫茶柳月堂」はあった。急な階段を二階に上がり扉を開けて入ると古典音楽が聴こえてきた。店の奥に初老らしい紳士と、紺色のセーターを着たもう一人の後ろ姿が目に入った。若い女店員に音楽は聴かれますかと尋ねられて少し戸惑ったが、それほど長居もできないと思いカウンター席の方を希望した。若い頃はこの席の方に来ることはなかった。

流れ来る音楽にケーキとコーヒーを味わいながら、積雪のために思いかけず若き日の一日を反復することになった。しかし今は昔の我ならず。

 

J.S. Bach Violin Sonatas and Partitas BWV 1001-1006 Menuhin 1973-1975 - YouTube https://youtu.be/XkZvyA69wCo

 

 

 

 


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