ヘーゲル『哲学入門』中級 第一篇 序論 第四節[意識の学としての精神の現象学]
§4
Das Subjekt, bestimmter gedacht, ist der Geist(※1). Er ist erscheinend, als wesentlich auf einen seienden Gegenstand sich beziehend: insofern ist er Bewusstsein. Die Lehre vom Bewusstsein ist daher die Phänomenologie des Geistes.
第四節[意識の学としての精神の現象学]
主観とは、より具体的にいえば、精神である。精神は自らを一つの存在する対象に本質的に関係させるものとして現れるものである。そのかぎりにおいて、精神とは意識である。したがって、意識の学は 精神の現象学 である。
※1
ヘーゲル哲学が難解であるとされるのは、ここで使われているような、「主観」とか「精神」とか「意識」といった用語が具体的に何を意味しているのか、わかりづらいためでもあるだろう。
「主観」といい「精神」と言っても、それらは存在する何らかの対象と関係づけられて現れるものである限りにおいて、それは意識でもある。
この『哲学入門』中級篇以下において簡潔に説明されている「精神の現象論」は、ヘーゲルの実質的な処女作『精神の現象学』に見られるような冗長さや難解さはなく、むしろ「精神の現象論」の核心を的確に理解するのに役立つ。
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