全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

081207TMPCWAから

2008年12月07日 04時48分52秒 | Weblog
*12月2日に行われた東京総行動で全造船関東地協とフィリピントヨタ労組
を支援する会はトヨタ自動車に下記要求書を手渡しました。

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フィリピントヨタの労働争議の即時かつ誠意ある解決を求める要求書

2008年12月2日

トヨタ自動車株式会社
代表取締役 渡辺 捷昭殿


全造船機械労働組合関東地方協議会
議長 宇佐見 雄三
フィリピントヨタ労組を支援する会
共同代表 山際 正道

フィリピントヨタの労働争議の即時かつ誠意ある解決を求める要求書

 まず添付のとおり、フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)が最近フィリピントヨタ社の伊藤博社長と労働雇用省のロック長官に提出した通知書をご覧下さい。

 そこに述べられているとおり、トヨタがTMPCWAに対して行った唯一交渉団体承認の否定、団体交渉拒否、大量違法解雇、不当刑事起訴の攻撃に対して、TMPCWAは断じてこれを容認せずまたこれに屈服しないという態度を明確にしています。とりわけ組合員233名に対する大量違法解雇に関して、おそらくトヨタはフィリピン最高裁の判決が確定したとの理解のもとにこの問題についてはすべてが終了したという立場をとるかもしれないが、もしもそうであればそれはとんでもない間違った認識であり、TMPCWAはトヨタが強行した解雇はいかなる意味においても違法かつ許されないものであり、そしてフィリピン最高裁の判決も不当判決であると断じています。それゆえTMPCWAは今後ともあらゆる可能な合法的手段を使ってトヨタが行った解雇の不当性を訴えていくという方針を明らかにしつつ、トヨタに猛反省を促し、トヨタが違法に解雇した組合員全員の解雇を撤回し、即時原職に復帰させるよう要求しています。

 以上のようなTMPCWAの要求はきわめて正当なものであり、これを全面的に支持する立場から、われわれ全造船機械労働組合関東地方協議会とフィリピントヨタ労組を支援する会は、日本のトヨタの本社の渡辺社長以下担当の役員、管理職の諸氏が事態を冷静に見極め、TMPCWAとわれわれの要求に誠意をもって耳を傾ける度量を持たれるよう求めます。

 貴社はこれまで事あるごとに現地の問題であると嘯いて無関係無関心を装ってきましたが、最早そのような子供だましのあしらい方は世界の心ある人々の物笑いの種になっており、まったく通用しないことを認識すべきです。

 例えば、フィリピントヨタ社では今年8月、アロヨ大統領を招いてフィリピンでの操業開始20周年記念行事を行いましたが、そこには張 富士夫会長と岡部 聰専務が本社から出席しているではありませんか。そしてその当日、記念行事を破壊する騒動を引き起こすおそれがあるとして、工場勤務中のTMPCWA組合員を関係のない社外業務に行かせるなど大童の有様でした。このことは、フィリピン問題は現地問題どころかトヨタ本社を挙げての経営上の重要問題であり、一企業の行事のためにフィリピンの主権、内政に干渉して大統領を利用することまでしており(そのために日本の外務省や在フィリピン日本大使館を動員していることは想像に難くない)、そして重要なことにはTMPCWA潰しが依然として重大な懸念事項であるという認識を露呈した、という点で象徴的な出来事でありました。

 このようにトヨタがアロヨ大統領を掌中のテコとして利用して組合弾圧を行い経営の目的を達成しようとするトヨタのやり方、フィリピン版トヨタウェーは、2001年に貴社がアロヨ政権に対して行った、労働問題をトヨタの有利に解決しなければフィリピンから資本を引き上げるという撤退の脅しに端を発しています。それが会社の言いなりにならない労働者の生活と権利を守る労働組合TMPCWAの結成を嫌悪し、何としてでもこれを潰すのだというトヨタの経営思想にその原因があったことは、今や世界中の多くの人々が知るところとなっています。

 そしてトヨタは基本的に組合を認めない方針でありながら、ただTMPCWAを潰すための目的から形式的に御用組合を作らせ労働協約締結の外皮を被せながら、その一方で労働者の生活、生存を奪い尽くすため、原告である被解雇者に最高裁の敗訴判決が下るよう様々の手段を弄してきたのです。

 しかし、自分たちに正義があることを確信しているTMPCWAは、このようなトヨタの姑息なやり方を見抜き、それに屈することなく闘い続ける姿勢を堅持しているのです。
にもかかわらずトヨタは、トヨタに対する真摯な怨嗟の声を聴き取ることが出来ず、また反省の機会が与えられているにもかかわらず、これを掴むことをせず、フィリピンの国軍との密接な協力まで深めながら、またあたかも組合活動家に対する政治的暗殺をむしろ歓迎しているのではないか、と思わせさえするかのような曖昧、冷淡な態度をとり続けているではありませんか。

 トヨタがいつまでもこのような態度をとり続けることは決して許されません。従来とってきた姿勢を改め、今すぐトヨタ本社がその責任において争議解決の決断をするときです。
仄聞するところによれば、日産自動車では最近フィリピン日産の争議の解決に踏み切ったということです。ただひとりトヨタだけが強硬な姿勢をとり続ける方針なのかが問われています。

 以上を踏まえわれわれは以下のとおり要求します。誠意ある回答を期待します。

1、
①団体交渉についてのフィリピン最高裁判決に従い、ただちに交渉を開始せよ!
② ILO 勧告に従って、233名の組合員の解雇を撤回せよ!
③ トヨタはフィリピントヨタ労組つぶし一切やめよ!
2、
①フィリピンの将軍、元将軍をフィリピントヨタ顧問にするのをやめよ!
②サンタロサ工場への軍隊の出入りをやめさせよ!
③アロヨ政権にフィリピントヨタ労組事務所通りの軍隊の撤去と軍隊による組合員
への嫌がらせの中止を求めよ!
④アロヨ政権にエド委員長の政治的暗殺の中止と身の安全を求めよ!

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添付書類:TMPCWAからフィリピントヨタへの2008年11月10日付通知書(写)

2008 年11月10日

フィリピントヨタ自動車株式会社(TMPC)
社長 伊藤  博 殿

写:フィリピン労働雇用省(DOLE)
長官 マリアニト・ロック 殿

フィリピントヨタ自動車株式会社ワーカーズ・アソシエイション(TMPCWA)
執行委員長 エド・クベロ (署名)11/13/08

 われわれの要求、特に「違法解雇撤回、即時原職復帰」に関する通知の件

 われわれTMPCWAは、貴社がわれわれに対して行った唯一交渉団体承認の否定と団体交渉拒否、組合員233名に対する違法解雇、および組合員に対する刑事起訴攻撃に対して、断じてこれを容認しまたこれに屈服することはできないことを、ここに改めて明確にします。

 とりわけ違法解雇に関して、おそらく貴社は2007年10月19日の最高裁第二部判決が確定したとの理解のもとに、この件についてはすべてが終了したという立場をとるかもしれません。しかしながらわれわれは、貴社が強行した解雇はいかなる意味においても違法かつ許されないものであり、そして上記の判決も不当判決であると断じます。

 それゆえわれわれは、当然今後ともあらゆる可能な合法的手段を使って貴社の行った解雇の不当性を訴えていきますが、貴社は貴社がわれわれの組合員に対して行った解雇の違法性、不当性を猛反省するよう促し、もって違法に解雇した組合員全員の解雇を撤回し、即時原職に復帰させるよう求めます。

 TMPCWA自身として、かつ違法に解雇された組合員を代表して、われわれは以上のとおりわれわれの要求を貴社に正式通知します。

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