キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

21世紀の国富論

2012年01月21日 | Weblog
原丈人の『21世紀の国富論』を読んだ。

Facebookで友人が、「新年のモチベーションを高めるために再読する」と言っているのを見て気になっていた本。

現在のアメリカ流資本主義の時代はもうすぐ終わり、新しい経済の構造が出現することを予見している。

1) 「企業は株主のもの」という現在の資本主義は、株価を上げることのみが企業の目的となってしまっている。このため、企業は自分の体力を削ってまでROEを上げ、株価を上げようとする。このため、企業はいいモノやサービスを提供し、人々の暮らしに貢献するという本来の目的を見失い、現在の株価を上げるために、将来への長期的な投資ができない状態である。

2) これまでベンチャー企業に積極的に投資をしてきたベンチャーキャピタルが、長期的なリスクのある投資を控え始めている。このままでは、新しい産業が生まれない。長期的なリスクを持つ研究開発に投資できるようなベンチャーキャピタルや国の政策が必要である。

3) 人が機械に合わせるというこれまでのパソコンのような時代は終わり、これからは機械が人に合わせる時代が来る。それは、これまで演算が目的だったパソコンから、コミュニケーションを目的とした装置で、PUC (Pervasive Ubiquitous Communications)という概念のものである。このPUCが新たな産業となり、経済の構造さえも変えていく。


本書の考えはすごく興味深いし、PUCに必要な要素技術の開発も進んでいるという。
本書ではPUCの時代は2015年ごろに到来すると言っているが、そうであるならば新しい経済構造に対応できるよう、将来への研究投資と、内部留保を高めていかないと(企業も自分も)。

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