アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

「ジューンベリー」と「アメランキエル」の関係

2024-05-26 15:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-05-18

最近は本屋が少なくなりました。ちょっと見てみたい雑誌があったので、久しぶりに自転車でJR安城駅前の昔からある本屋さんまで行ってきました。以前はここまで歩いて来ていたのですが・・・(´・ω・)

ジューンベリー

5月17日、久しぶりに訪れたJR安城駅前通りの街路樹に、美味しそうな木の実がなっているではありませんか!



近づいてみると、ジューンベリーの若い果実です。



駅前通りに 熟せば食べられる実のなる木を植えているなんて洒落ていますね








ジューンベリー(アメリカザイフリボク)

こちらは 安城デンパークの正面入り口前のジューンベリーです(5月13日)。



ところで私は木の実のときは「ジューンベリー」と言ってますが、花のときは「アメリカザイフリボク」と言ってます。
デンパークの樹名板も「アメリカザイフリボク」を使っています。




樹名板には学名 Amelanchier canadensis と書いてあります。(← 属名を覚えておきましょう (^_-)-☆)



「ザイフリボク属は、北アメリカを中心にアジアとヨーロッパに約10種が分布し、日本にはザイフリボク(Amelanchier asiatica)が自生しています。」(みんなの趣味の園芸「ジューンベリーの基本情報」)






関連して、おととしの6月 安城デンパークで見つけた木の実を!(^^)!

アメランキエル・ラエビス

「何だ、また ジューンベリーじゃないか?!」ということなかれ !(^^)!
樹名板には アメリカザイフリボクともジューンベリーとも書いてありませんよ
クリックで拡大
樹名板には
「Amelanchier laevis 'Snow flakes'
 アメランキエル・ラエビス ’スノー・フレーク’
   バラ科
   園芸品種 」
と書いてあります。



そこで、「アメランキエル・ラエビス」で検索するのですが、何もヒットしません。
仕方がないので、「Amelanchier laevis」でググると、 英文ウィキペディアのページがありました。
概要は以下の通りです:

スムース・シャッドブッシュ
英語から翻訳-Amelanchier laevisは、バラ科の北米種の木で、高さ9メートルまで成長します。ニューファンドランド州西部からオンタリオ州、ミネソタ州、アイオワ州まで、ジョージア州とアラバマ州まで、カナダ東部と米国東部を原産としています。 ウィキペディア(英語)
学名: Amelanchier laevis
上位分類: ザイフリボク属
科: バラ科

ザイフリボク属の学名が Amelanchier (アメランキエール)だったのです。
ジューンベリー(アメリカザイフリボク)に似ていて当然なのでした (^^ゞ

「学名が混乱しており、A・カナデンシス(A. canadensis)やA・ラエヴィス(A. laevis)、交配品種群のA・グランディフロラ(A. x grandiflora)があてられますが、今後整理が必要な種類です。」(みんなの趣味の園芸「ジューンベリーの基本情報」)




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ヤマアジサイとガクアジサイの違いは何ですか?

2024-05-26 08:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-5-30


ヤマアジサイ

場所は安城デンパークの「鉄砲山」。
アジサイが咲いている。




ガクアジサイの仲間だろうと思うが、一応確認のため、無料試用期間中のスマホアプリ PictureThis で名前を調べてみます。
・・・何と ガクアジサイではなく「ヤマアジサイ」と言ってきます。



他の場所に樹名板がありました↓

やはり「ヤマアジサイ」と書いてあります。
いったいどこがガクアジサイでなく「ヤマアジサイ」なのでしょう?




ヤマアジサイ(学名: Hydrangea serrata)は、アジサイ科アジサイ属の1種である。山中で沢によく見られることから、サワアジサイとも呼ばれる。
ただし、独立した種として認めず、アジサイ Hydrangea macrophylla(種としてのアジサイ、ガクアジサイ)の亜種 Hydrangea macrophylla subsp. serrata などとする説もある。」(wiki「ヤマアジサイ」)




特徴は・・・
「ガクアジサイと比べ、花の色が多様性に富むこと」とあります。(同上)
たしかに、「ヤマアジサイ」で画像検索すると、ここの画像のようにガクアジサイそっくりなのもあれば、装飾花(萼の部分)がほとんどなくあたかも作出されたアジサイのような花もあります。




ヤマアジサイとガクアジサイのちがいは何なのでしょう??
少し調べてみると、まず開花時期がちがうそうです。
ヤマアジサイは開花時期が5月下旬頃~6月頃と早く、ガクアジサイは開花時期が6月中旬~7月頃と言われてます。




つぎに、形態的な違いとして、以下のような違いがあるそうです。(ブルーミングスケープ「ヤマアジサイとガクアジサイの見分け方(違い)」)
・ヤマアジサイは、うぶ毛が多い
・ガクアジサイは、うぶ毛が少ない

・ヤマアジサイは、葉が薄めで、光沢がない
・ガクアジサイは、葉が厚めでやや光沢がある

・ヤマアジサイは、背丈が低め
・ガクアジサイは、背丈が高い



まだまだよく分かりませんが、似ているのはガクアジサイだけではありません。

ノリウツギ、ヤブデマリ、ガクアジサイ





上:ノリウツギ
中:ヤブデマリ
下:ガクアジサイ

ノリウツギはアジサイ科。花期は7月から9月で、枝の先に白色の小さな両性花が円錐状に多数つき、その中に花弁4枚の装飾花が混ざる。(wiki)
ヤブデマリ は スイカズラ科。 大きな装飾花と小さな両性花からなる散房花序が特徴です。ガマズミの葉によく似た葉をしています。

ノリウツギは、ウツギとはいうものの、アジサイ属で、ガクアジサイににた花を咲かせます。
といっても、普通のガクアジサイとは少し違って、小さな両性花がたくさん円錐状に咲き、白い花びらの装飾花が周辺につきます。
よく見られるガクアジサイは、平面状ですが、ノリウツギは、立体的というんでしょうか、
花の形としては、カシワバアジサイににていると言っていいのかと思います。」(花や草木との出会いのメモ「ガクアジサイににたノリウツギ(糊空木)の白い花」)

花だけ見ていると、、もう、、何が何だか?(笑)





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ティーツリー と ブラシノキ - フトモモ科

2024-05-25 15:00:00 | みんなの花図鑑
きょうは フトモモ科の白いブラシの樹と紅いブラシの木を。

ティーツリー



ティーツリーは、フトモモ科コバノブラシノキ属の常緑植物。
学名は Melaleuca alternifolia






属名のMelaleucaは、古代ギリシャ語で「黒」を意味するμέλας(mélas)と「白」を意味する λευκός(leukós)から。(日本メディカルハーブ協会・木村正典氏「ティートリーの植物学と栽培」)
「この由来については、白い樹皮が山火事によって真っ黒くなる、あるいは山火事で真っ黒くなった幹から白い樹皮の枝が出ているとか、黒い幹に白い枝の出る種がある、白い樹皮の種と黒い樹皮の種があるなど諸説あります」(同上)






これは今年初めて見つけた安城市山崎町のお宅のティーツリーです。
時期になると毎年安城デンパークのティーツリーを紹介してきましたが、今年のデンパークのティーツリーはまだまだのようです。






「また、種小名のalternifoliaは「互生葉の」を意味します。」(同上)







ブラシノキ



ブラシノキは、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。
学名を Callistemon speciosus といい、そこから カリステモンとも。






属名のCallistemonはギリシャ語で「美しい雄しべ」という意味(「美」を意味するkallosと「雄しべ」を意味するstemon)。(wiki 「ブラシノキ」)






「果実には粉状の種子が入っており、オーストラリアでよく起こる森林火災が起こると割れて種子を放出する。」(同上)








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この花はプリベットでもセイヨウイボタでもありません

2024-05-24 15:00:00 | みんなの花図鑑



つい最近取り上げたトピックですが、再度
「この花はプリベットでも、また同じことですがセイヨウイボタでもありません」。




正しいプリベットまたはセイヨウイボタ(ヨウシュイボタ)の花の葯は黄色をしているそうです。
この花の葯は あずき色をしています。




では、正しくは何なのかというと、

コミノネズミモチ(別名 シナイボタ)
が正解なのです。
つまり、
 「セイヨウイボタ」⇒ 「シナイボタ」に訂正
同じことですが、
 「プリベット(プリペットではない)」⇒ 「チャイニーズ・プリベット」に訂正
であることがほとんどなのです。






以前、掲示板にお尋ねしたとき、回答して下さった方のコメントを再掲しておきます。
「プリベット(privet:プリペットではない!)は英語名で、セイヨウイボタ(L.vulgare)を指し、コミノネズミモチ(シナイボタ L.sinense)はチャイニーズ・プリべットと呼ばれます。
ところが、日本で流通業者が中国産のプリベット(チャイニーズ・プリベット)を導入する際に混同してしまったのではないでしょうか。
うがった見方をすれば、シナやチャイニーズよりセイヨウの方が聞こえが良いから、敢て間違えたとも考えられますね。
日本でセイヨウイボタが広まっていないのは、安価でよく似たコミノネズミモチがあり、わざわざヨーロッパから導入する必要が無かったからではないでしょうか。」




それに対し、私はこうお返事して解決といたしました。
「驚きました、背景を聞けば
クリスマス・ホーリーのヤバネヒイラギモチ(シナヒイラギ、チャイニーズホーリー)が日本では「セイヨウヒイラギ」の名でまことしやかに売られているし、ネットの記事もシナヒイラギの写真をセイヨウヒイラギと間違って載せている記事が多い
事情と同様の事情がここにもあったのですね
流通もしていなく、また葯の色が黄色ではないので、この木はセイヨウイボタ(プリベット)ではなく、コミノネズミモチ(チャイニーズ・プリベット)だということが判りました。」









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イロハモミジとノムラモミジ - 蓮華寺

2024-05-22 15:00:00 | みんなの花図鑑
家の近くのお寺の境内で。

イロハモミジ


カエデ科の果実は翼果といって、種子の横にプロペラのような翼が出ています。
お寺ですので特に樹名板はありませんが、この翼果がたくさん付いていたのでその翼果を見て「これはイロハモミジにちがいない」と思いました。以下の理由によります。
イロハモミジの翼果の特徴 (1)
「カエデの仲間は、同じような翼果を持った種子を作りますが、このイロハカエデは翼果の長さが1.5cm程で、ほぼ水平に開くのが特徴です。似ている種類のヤマモミジやオオモミジでは、翼果は斜めに開きます。」(植物図鑑・種の旅「イロハカエデ」)





もうひとつ根拠があります。
イロハモミジの翼果の特徴 (2)
「枝に対して下向きに種子が付いているものがオオモミジ、上向きについているものがイロハモミジとなっています。」(京都・無鄰菴「イロハモミジとオオモミジの種子」)





ほかにも翼果が水平でイロハモミジと思われる樹が。




さらに同様の木が。








ノムラモミジ ?


若葉が赤いので、撮ったのですが、名前が分かりません。
私の少ない知識では、若葉が紅いのはノムラモミジなので、暫定的にノムラモミジとしておきます。





「ノムラモミジはイロハモミジの園芸品種(オオモミジの変種という説もある)で、江戸時代から庭木として使われる。」(庭木図鑑 植木ペディア「ノムラモミジ」)
「ノムラという名前は人名ではなく、濃紫=葉の色からきている。また、かつてこの木は「武蔵野」と呼ばれていた。」(同上)
ノムラは「「野村」ではなく「濃紫」を語源とする」(同上)






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ウツギとバイカウツギ - アジサイ科

2024-05-21 15:00:00 | みんなの花図鑑
今日は アジサイ科の、園芸品種のウツギ属(Deutzia)の花2つと、バイカウツギ属を。

ウツギ・マギシェン



学名を Deutzia Magicien といいます。カタカナ表記すると〔ドイツィア・マギシェン〕ですが・・・






Magicien は英語読みすれば マジシャン!なのです(´∀`)









ウツギ属は雄しべの花糸がきしめんのように扁平になっていて▼

その肩に当たる部分が
 (1) 角が上に飛び出していると ・・・ヒメウツギ
 (2) 水平でコーナーが直角ならば ・・・ ウツギ
 (3) なで肩ならば ・・・ マルバウツギ
という見分け方があります。
マギシェンの雄しべの花糸は 肩がバンザイしているようで (1) ヒメウツギに似ていることが分かります。



なお、今、安城デンパークに同じような花が咲いています。



樹名板には
 ウツギ ‘ストロベリーフィールズ’
 Deutzia 'Strawberry Fields'
とありますが、
 Deutzia × hybrida 'Strawberry Fields'
のことで、ウツギ ’マギシェン’ と同一の品種と思います。





サラサウツギ


ウツギの八重咲の品種とされています。 一番外側の花びらが赤く、更紗模様と言われたことが由来だそうです。





花の形が特徴的で、鐘形花(しょうけいか)という、花びらがほぼ全長にわたって癒合して、釣り鐘状の形をしています。(通販サイトITANSE「更紗ウツギ (サラサウツギ)」)




学名は Deutzia crenata f. plena
種小名の crenata は crenatus(円鋸歯状の)より。
f. は品種で 品種名の plena は 「八重の」という意味らしい。






バイカウツギ


バイカウツギの学名は Philadelphus satsumi で、
属名の Philadelphus は「ギリシャ語で人類愛を表しています。 愛される・愛しているという意味の「philos」と、兄弟という意味の「sdelphos」から成る言葉です。」
種小名の satsumi (サツミ)は、「薩摩(鹿児島県)産の」の意味ですが、鹿児島県では分布が確認されていません。(みんなの趣味の園芸「バイカウツギ」)




バイカ(梅花)と名が付いています。でも、ウメの花弁は5枚ですが、バイカウツギの花弁は4枚が基本です。
でもでも、花弁が5枚、6枚のバイカウツギも確かにあります(´v_v`)





花弁の数に合わせてめしべの柱頭の数も変わるようです。
花弁が4枚だと柱頭の裂数も 4
花弁が5枚だと柱頭の裂数も 5
花弁が6枚だと柱頭の裂数も 6






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自転車道沿いの植物 - 原産地はどこでしょう?

2024-05-20 15:00:00 | みんなの花図鑑
ノブドウの蔓(つる)を求めて豊田安城自転車道の渡刈町付近を歩いて見ました。
以下、その時に見た道路沿いまたは近くの畑の植物です。
原産地を調べてみましたので、絵を見ながら原産地を当ててください (´∀`)
そしてノブドウの蔓はどこで見つかったでしょうか?(^^♪


スウィートピー


呼び名は英名 sweet pea より。ふつうスイートピーと訛って呼ばれます。



マメ科 レンリソウ属(ラティルス属)のつる性の一年草。
原産地はイタリアのシチリア島。
スウィートピーの果実は、サヤエンドウに似た扁平な形の豆果で、そこから翌年のタネを採ります。





ムシトリナデシコ

ヨーロッパ原産の帰化植物。江戸時代に観賞用として移入され、現在では各地の路傍や荒地で見られる1年草。(菅平の花)



ムシトリナデシコ(虫取り撫子)の名前は、花の下の 茎にネバネバした粘液の輪(写真の茶変した部分)があって、そこで虫が補虫される様子が虫取り紙や虫取り器具に似ていることからきています。







ヒルザキツキミソウ

ヒルザキツキミソウは北米南部原産の多年草。 もともとは観賞用でしたが、近年法面の緑化においてワイルドフラワーとしても使われています。(植物雑学事典「ヒルザキツキミソウ」)


バックのオルレアと共生するヒルザキツキミソウ。






ジャガイモ

ナス科のジャガイモ。
戦国末期から江戸初期に、オランダ船によりジャカルタ港より運ばれ 観賞用植物として渡来しました。(農林水産省「ジャガイモ 「どこからきたの?」」)
「名前の由来は、オランダ人が東洋貿易の根拠地としていたジャワ島のジャカトラ(ジャカルタ)から来たことから「じゃがたらいも」となり、これが後につまって「じゃがいも」となったといわれる。」(北海道のホームページ)




原産地は 南米アンデス山脈の標高3,000m以上の高地といわれています。(北海道のホームページ「じゃがいもQ&A - 農政部生産振興局農産振興課」)





スイカズラ

日本原産のつる性植物です。
学名:Lonicera japonica
スイカズラ(吸葛)、花筒のお尻に蜜があり、吸うと甘いことから、という説が一般的。
別名は キンギンカ(金銀花)、咲いてしばらくは白くて やがて黄色に変わるから。




花は、もともと5枚の花びらがくっついて筒になっているのですが、そのうち4枚は先で平らに開いて立ち上がっていて、残りの1枚だけが シベの下側から出ています。ポリネーターが夜間活動する蛾なので、マメ科の蝶形花の翼弁や舟弁のようなしっかりした弁は無くても大丈夫のようです。





コバンソウ

イネ科コバンソウ属の一年生植物。
学名Briza maximaの「ブリザ」は、ギリシャ語「briza(ライムギ)」が語源です。(暦生活「コバンソウ(小判草)」 )
地中海沿岸原産。明治時代に観賞用として渡来し、逃げ出して広く野生化しました。(同上)



和名はもちろん小判に似た形の小穂(しょうすい)をつけることから。



ほかのイネ科植物と同じように、穂の部分を炒めると美味しく食べることができるそうです。(同上)

コバンソウの茎にノブドウの蔓(つる)が巻き付いていました(^_-)-☆






ヒメコバンソウ

コバンソウよりずっと小さい小穂(しょうすい)をつけるヒメコバンソウ。



ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産。
日本には江戸時代に渡来し、現在は日本各地に帰化し、普通に見られるようになっている。(三河の植物観察「ヒメコバンソウ Briza minor 」)




ノブドウは35%の焼酎に漬け 野ぶどう酒にします \(^o^)/







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またも「セイヨウ」ではなく「シナ」でした

2024-05-19 15:00:00 | みんなの花図鑑
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
という事態に、またもや遭遇しました(´∀`)



この画像をGoogle Lensで検索すると、「シルバー・プリペット」や「セイヨウイボタ(ヨウシュイボタノキ)」を候補に挙げてきます。




私もはじめ そこら辺ではないかと思ってブログ記事を書きだしたのですが、よく考えると 候補の「シルバー・プリペット」と「セイヨウイボタ」の違いをよく知りません。





それでネット上を検索していて、こんな記事に出会い、びっくりしました ↓
本種は園芸店で<ヨウシュイボタ(セイヨウイボタ)>や<プリペット>という名前で売られているが、これは間違いである。また、植物に関するホームページで本種を<ヨウシュイボタ(セイヨウイボタ)>としているものが多いが、これは間違った情報であるので注意を要する。」(葉と枝による樹木検索図鑑「コミノネズミモチ(別名:シナイボタ、ノウコウイボタ)」






そこで「聞くは一時の恥」といつもの通り「このきなんのき掲示板」に質問してみました。
お一人目の回答者様がご自分のブログ記事を紹介してくださいました↓
「本種は園芸ショップでセイヨウイボタ(ヨウシュイボタとも)やプリベットPrivet(誤ってプリペットとも)と誤った名で売られている。」
「Ligustrum sinenseをセイヨウイボタと呼ぶのは誤りであり、学名どおりに別名のシナイボタとするほうが妥当といえよう。Ligustrum vulgareの葉は本種よりも幅がせまく、果実に光沢があることが特徴で、日本ではあまり見られないという。」
「たくさんのホームページで本種をセイヨウイボタやヨウシュイボタとしているが、間違った情報であるから注意が必要である。」







ややあって、常連回答者の方がレスくださいました↓
「プリベット(privet:プリペットではない!)は英語名で、セイヨウイボタ(L.vulgare)を指し、コミノネズミモチ(シナイボタ L.sinense)はチャイニーズ・プリべットと呼ばれます。
ところが、日本で流通業者が中国産のプリベット(チャイニーズ・プリベット)を導入する際に混同してしまったのではないでしょうか。
うがった見方をすれば、シナやチャイニーズよりセイヨウの方が聞こえが良いから、敢て間違えたとも考えられますね。
日本でセイヨウイボタが広まっていないのは、安価でよく似たコミノネズミモチがあり、わざわざヨーロッパから導入する必要が無かったからではないでしょうか。」





私はこうお礼を言って解決といたしました (´∀`) ↓
分かりやすい解説 ありがとうございます!
そして驚きました、背景を聞くと
クリスマス・ホーリーのヤバネヒイラギモチ(シナヒイラギ、チャイニーズホーリー)が日本では「セイヨウヒイラギ」の名でまことしやかに売られているし、ネットの記事もシナヒイラギの写真をセイヨウヒイラギと間違って載せている記事が多い
事情と同様の事情がここにもあったのですね
流通もしていなく、また葯の色が黄色ではないので、この木はセイヨウイボタ(プリベット)ではなく、コミノネズミモチ(チャイニーズ・プリベット)だということが判りました。








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ノアザミ - 筒状花の頭花

2024-05-18 15:00:00 | みんなの花図鑑


どこにでもあるノアザミです。ノアザミはキク科の花です。
キク科の花には特徴があって(サクラやウメは周囲が花弁、中心にシベがありますが) 頭花がたくさんの小花の集合で出来ています。サクラやウメでは、つぼみのとき花弁や蕊の赤ちゃんを覆っている器官を萼といいますが、キク科の花ではたくさんの小花の赤ちゃんをまとめて(じて)んでいる器官を総苞 と呼んでいます。
ただキク科といっても3つのタイプ(亜科)があって、ノアザミはアザミ亜科の花なのですが・・・


アザミ亜科の特徴を説明する前に、一番種類が多いキク亜科から説明しますと・・・

キク科の3つの亜科のうち、いちばん多いのはこのキク亜科の花です。
上にいくつかキク亜科の花を示しました。キク亜科の頭花の特徴は中心に筒状花といってシベの目立つ小花の集合があり、周囲に花弁の目立つ舌状花という小花の集合で出来ているということです。




それに対し、アザミ亜科の花は頭花のすべてが筒状花だけで構成されているという特徴があります。


ですから、アザミの花には周囲の花弁のようなひらひらした部分がないので、このような花瓶のような恰好をしています。




第3のタイプ:タンポポ亜科
頭花のすべてが筒状花だけでできている花があるなら、頭花のすべてが舌状花で出来た花もありそうと想像ができます。

タンポポ亜科の花は頭花のすべてが舌状花で出来ています。舌状花は花弁の1枚が肥大化した花です。これが周囲だけでなく中央付近からも花弁が伸びているのです。






たくさんある小花はひとつひとつが独立した花冠をもっています。花冠の先は星形に裂けて開いています。





そして花冠の中から黒っぽいマッチ棒のような器官が伸びています。これが雄しべが合着して出来た雄しべ筒で、中には花粉が入っています。






花冠の中から雄しべ筒が伸びているところを拡大してみています。雄しべ筒の先端に白い部分がありますがこれが花粉です。この花粉を雄しべ筒の中に入っているめしべ棒が上へ伸びるときに外へ押し出すのです。



花粉を押し上げた めしべ棒(雌しべの花柱)はやがて成熟して先端を2つに割り柱頭(受粉器官)を開きます。






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