アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ジャーマンアイリス - ブラシがポイント

2024-05-17 15:00:00 | みんなの花図鑑

この花はアヤメ属のジャーマンアイリスです。



なぜかというと外花被片の弁元にブラシのような白い毛が付いているからです。




ちょっと紛らわしいのはブラシ状の毛の周囲にアヤメの花に付いている網目文様(いわゆる文目紋)があります。でも「アヤメ紋があるからアヤメではないか」と心配する必要はありません。
アヤメにアヤメ紋はありますが、ブラシのような毛は付いていないからです。




結論:ブラシのような毛が付いているのはジャーマンアイリスだけです。
 アヤメ紋があろうとなかろうとブラシが付いていればジャーマンアイリスと覚えましょう!(^^)!
 いっそ「ブラシアイリス」と呼んでやりましょうか (^_-)-☆



〔参考〕ナンキンアヤメ(小さなジャーマンアイリス)
北アメリカ原産で、日本に大正時代に入ってきて野生化したナンキンコアヤメ(またはナンキンアヤメ)というアヤメ属にも、同じようなブラシ状の毛が付いています。そのことからナンキンコアヤメはジャーマンアイリスの仲間で、アヤメの仲間ではないと思われます。(「ナンキン」は小さいものに付けられた昔の日本風の言い方です。昔はハツカネズミのことを南京鼠と表現したりもしたそうです。南京から来たという意味ではないのです)

ドワーフ・アイリス Iris pumila (アヤメ科アヤメ属)






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センダン - もう季節なのですね

2024-05-16 15:00:00 | みんなの花図鑑



ブログで皆さんがセンダンの花をアップされるので、もうそんな季節なんだ!と、5月12日(日曜日)風の強い曇り空の中、在りかを知ってる近くのセンダンの木を巡ってきました。







センダンの木はみな背が高く、単焦点レンズでは届きません。コンデジの望遠側で撮ってますが、風が強くブレまくり(ToT)





以下は 過年度5月14日 快晴の日に同じカメラで撮ったもの




「花弁は(中略)表が白色、裏が薄紫色で、10個ある雄しべは濃紫色をしている。花は美しさが感じられ、アゲハチョウ類がよく訪れる。なお、南方熊楠が死の直前に「紫の花が見える」と言ったのはセンダンのことだったと言われている。」(wiki 「センダン」)




秋にはこんな実をつけます。
(愛知県祖父江町 2021-11-28)


〔追記〕センダンの原産地はヒマラヤ山麓のようですが、Wikipediaによりますと分布は「中国・台湾・朝鮮半島南部および日本などの乾燥した熱帯から温帯域」となっています。
Reikoさんから「ポルトガルの南で見て」とのコメントいただき、思い出しました。
私は シリアのアレッポ城で この木に実がなっているのを見たことがあります。


アレッポ城はシリア内戦で政府軍によって破壊されましたので、このセンダンの木も今はもうないかもしれません。

三河の植物観察さんによるとセンダン属は
「世界に3種があり、熱帯のアフリカ南部、熱帯から温帯アジアに分布する。
【センダン属の種】
 Melia azedarach L. センダン
 Melia dubia Cav. アジア南部
 Melia volkensii Gürke アフリカ東部


」とのことです。





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ユキノシタ - ユキノシタ科

2024-05-15 15:00:00 | みんなの花図鑑
(▲ 見出し画像は 下に出て来る画像のホソヒラタアブの部分だけトリミングしたもの)

ユキノシタといえばユキノシタ科の植物ですが、逆にユキノシタ科の植物はというと従来の体系(新エングラー体系)ではアジサイ、ウツギ、ウメバチソウなどもユキノシタ科に含まれていて、たとえばユキノシタとアジサイとどのような共通性があるのかよく分からないものになっていました。
遺伝子解析の手法を取り入れた新しい植物分類体系(APG体系)ではアジサイ、ウツギ、ウメバチソウといった植物が全く別の植物の科であるアジサイ科やニシキギ科に分類されるなど、大幅な科の再定義がありました。



ユキノシタの花は5枚の花弁を持っていますが、そのうちの上方に位置する3枚の花弁は有色で、下方の2枚は白く長くなっています。


萼片は5個で長さは2~5㍉、花茎や萼片には腺毛が密生します。








黄色の花盤の表面に蜜腺があり、そこから蜜が分泌されます。




黄色いリング状の花盤の外側からおしべが10本のびています。
おしべのさきに葯(花粉を入れた袋)があります。
こちらのおしべの葯はこれから花粉を出すところのようです。



いっぽう、こちらの花では 花盤の中から出ている雌しべが2つに分かれ、先端の柱頭(花粉受粉部)を膨らませています。
ユキノシタは雄しべが先行して活動し、雄しべの花粉放出が終わるころ雌しべが熟す「雌性先熟型」の花のようです。






めしべは2本ですが、その2本に10本あるおしべが交代で近づき、虫が蜜を吸おうと未成熟の雌しべに止まると近くに来ていたおしべの花粉が虫の体に付くという仕掛けになっているようです。(そよ風の中で Part2「ユキノシタの花」)






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バラ科~アカネ科~ガマズミ科

2024-05-14 15:00:00 | みんなの花図鑑
今日は白い花弁の花を集めてみました。
すべて安城デンパークで最近(この2週間のうちに)撮ったものばかりです。


オステオメレス




こちらは安城デンパーク・彩の花木園のオステオメレスです。
(このあと、もうひとつのオステオメレスをアップします)
樹名板があるのですが、それには 「オステオメレス」としか書いてありません。
オステオメレス(Osteomeles)は属名で そのあとの sp. は 「species」の略で、全体で「Osteomeles属の一種」という意味になります。
属名は、ギリシャ語のosteon(=骨)とmelon(=リンゴ)の合成語で、骨質の果実の状態から。(GKZ植物事典より)







次に出て来る もうひとつのオステオメレスに比べて背が高く、花付きが非常に良いです。





オステオメレス・シュウェリナエ


もう一つのオステオメレスは種小名があります。
種小名は schwerinae で(シュウェリナエ)とか(シュウリナエ)と読んでいるようです。





和名は「シセンテンノウメ(四川天の梅)」というらしく、ネット上の記事はこちらのほうが多くあります。
「名前の由来は 小さなウメの花が満天の星みたいであることから来ています。
ウメの花に似た小さな可愛い花が 鳥の羽のような葉をつけて天高く舞い上がるがごとくです。」(living for today...on the earth ! 「満天の星のようなウメ シセンテンノウメ!」)




アメリカテマリシモツケ



アメリカテマリシモツケは、バラ科テマリシモツケ属の落葉低木で、晩春にテマリのような小さな密集した花を咲かせます。





樹名板が見当たらなかったのですが、品種は「サマー・ワイン」かな?




いや、「ディアボロ(Diabolo)」かな??
どちらにしても紅色の葯が可愛いです。






オオミサンザシ




バラ科サンザシ属の落葉低木。
サンザシより実が大きいことから「オオミサンザシ(大実山査子)」。






「原植物のうち,サンザシ(中国名:野山査)は高さ2メートルほどの落葉低木で,オオミサンザシ(中国名:山査)は高さ8メートルほどになる落葉高木です。(中略)サンザシの実が食されるようになった背景には,油を多量に食用する中国の食生活が影響していたのかも知れません。」(ウチダ和漢薬「生薬の玉手箱 No.125」)








ハクチョウゲ



アカネ科のハクチョウゲ(白丁花)の桃花種です。
和名は「その花が丁字型の白い花を付けるところから」(wiki「ハクチョウゲ」)






ハクチョウゲは雌雄異株で、上は雄しべばかりが伸びている花ですので雄株のようです。


参考までに 雌花です ▼









ゴマギ




ゴマギは学名を Viburnum sieboldii といい、ガマズミ属(ビブルヌム)の落葉高木です。(ガマズミは落葉低木)
種小名の「 sieboldii」は江戸時代に長崎出島のオランダ商館に滞在し植物標本を多数海外に掃海したドイツの医師・博物学者シーボルト氏(Philipp Franz Balthasar von Siebold)に由来します。(かぎけん花図鑑より)











ヤブデマリ



ヤブデマリもガマズミ属の落葉低木です。
さっきから 「ガマズミ属」とだけ言って科名を言ってませんが、ガマズミ属はいろいろな科に分類された経緯があるのです。(★)
(★) 最新のAPG体系ではガマズミ科 (Viburnaceae) に分類される。ガマズミ科が2017年に採択される以前の古いAPG体系ではレンプクソウ科 (Adoxaceae) 、クロンキスト体系や新エングラー体系ではスイカズラ科 (Caprifoliaceae) に分類されることもある。(wiki 「ガマズミ」の注)





「水平に伸びた枝に上向きに花序を並べて白い花をつける。花序は1対の葉の間から出た散房花序で、やや黄色を帯びた小さな両性花が集まる花序のまわりに、白色の大きな5枚の花弁の広がった装飾花が縁どる。装飾花は(中略)無性花で花弁だけが広がったものだが、その5枚のうち1枚が極端に小さくユニークな形であり、他の似た種との区別がしやすい。」(wiki「ヤブデマリ」)





ガクウツギ




上のヤブデマリとよく似ている花序だと思いませんか?!
なのに、名前も属もヤブデマリとは関連のないものになっています。
まぁ、葉っぱをみればガマズミ属でないことは明らかで、確かにウツギの葉に似ていますけど(^^)/
ガクウツギはアジサイ科(★)アジサイ属の落葉低木。
(★)最新の植物分類体系であるAPG体系や、それ以前のクロンキスト体系ではアジサイ科(Hydrangeaceae)であるが、古い新エングラー体系ではユキノシタ科(Saxifragaceae)に分類されている。






「アジサイのように萼片が大きくなるが3つの萼片の大きさが異なるのが特徴。」(wiki 「ガクウツギ」)







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ユズリハとスズカケノキ - シベの観察

2024-05-13 15:00:00 | みんなの花図鑑
ユズリハ(雌花)



ユズリハは雌雄異株で、こちらは雌株に咲く雌花です。
子房の上に赤いゼリー状の柱頭が載っています。
ユズリハは「花の形態がトウダイグサ科に似るので、古くはトウダイグサ科に含められたが、雌蕊が2個(トウダイグサ科は3個)などの違いから、独立のユズリハ科(学名: Daphniphyllaceae)とされた。」(wiki「ユズリハ」)






花弁や萼はなく、子房と柱頭だけの花です。




子房の付け根部分を取り巻いて米粒状に突起が付いていますが、これはおしべの退化したものだそうです。





ユズリハ(雄花)





雄花のほうは、つぼみのときは赤味を帯びていますが、開くと葯は黒くなります。

以上、柳川瀬公園(豊田市)にて。



以下、安城デンパーク・彩の花木園にて

黄中班ヒメユズリハ(雄花)




「黄中班」とは黄色中班 中央に黄色の班が入った葉を指すようです。
ヒメユズリハとユズリハの最大の違いは葉の大きさです。
また、葉裏の色でも判別ができ、ヒメユズリハは黄緑色ですがユズリハは白っぽく粉をふいたような色をしています。




散班ヒメユズリハ(雄花)





「小さめで細めの葉に白散斑~砂子斑で展葉時期により柄性が変化する。」(四国ガーデン通信販売部 栽培の手引き「散斑姫ユズリハ 」)







スズカケノキ



スズカケノキ(属名:プラタナス)といっても3種あり、スズカケノキ(Platanus orientalis)とアメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)、そして両者のの雑種であるモミジバスズカケノキ(Platanus x acerifolia)。



3者は葉の形状が大きく異なります。(葉と枝による樹木検索図鑑「スズカケノキ - モミジバスズカケノキ - アメリカスズカケノキ」より)



日本でよく「プラタナス」と言っているのは交配種の「モミジバスズカケノキ」のことが多いようです。
モミジバスズカケノキの「果実は痩果が多数が集まった集合果。(中略)普通、2~3個(稀に1個または4個)が縦に連なるか、枝分かれしてぶら下がる。」(同上記事より)


















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ムラサキといえば何でしょう(^^♪

2024-05-12 15:00:00 | みんなの花図鑑
今咲いている花で「ムラサキ」というと何を浮かべられますか?
以下、無理やりですが、「ムラサキ4題」 !(^^)!


エキウム / シャゼンムラサキ(車前紫)



Google Lensで検索すると「エキウム」と「シャゼンムラサキ(車前紫)」を挙げてきます。
エキウムの和名がシャゼンムラサキ(車前紫)のような感じです。






「シャゼンムラサキ属(車前紫属、学名: Echium)は、被子植物ムラサキ科の60種が分類される属である。」(wiki「シャゼンムラサキ属」)





ところで 和名の「車前紫」の由来は何でしょうか?
ネット上を探してもなかなか出て来ません。
ようやく出てきたのが 「葉姿がオオバコ(車前)に似ていて紫色の花を付けることから」(GKZ植物事典「シャゼンムラサキ」)。
分ってみれば、な~んだ、ってことなんですが、では オオバコはなぜ「車前」なんでしょ??
「車前」は漢名で「…ロゼット葉をもち裸地を好むが,芽の位置が低く葉や茎には強い繊維があるので,踏まれてもよく耐え,グラウンドのまわりや路上に生える(このような植物を〈踏み跡植物〉という)。このため中国では車前(しやぜん)とよばれる。」(世界大百科事典(旧版)内の【オオバコ】車前の言及)






ムラサキツユクサ



(▲ホバリングするホソヒラタアブ)
Google Lensで検索すると、ムラサキツユクサとオオムラサキツユクサが混在して出て来ます。両者のちがいは草丈が高いほうがオオムラサキツユクサという単純なものではなさそうなので、ここでは総称でムラサキツユクサとしておきます。






ムラサキツユクサで気になるのは雄しべのもじゃもじゃ生えた腺毛というか毛です。
ムラサキツユクサの雄しべの毛は昔から原形質流動の観察によく使われています。
ではもともとどういう役割・機能があるのでしょうか?




ムラサキツユクサについての説明は見つけられませんでしたが、一般的には花粉を媒介する昆虫を惹きつけ受粉効率を高める役目をしていると考えられているようです。






具体的な例として
・昆虫を惹きつける揮発性物質の分泌
・視覚的な魅力(ネクタイ状の形状は昆虫を騙す効果を持つ)
・雄蕊の表面積を広くする(葯の下部を覆うように広がる毛は飛散する花粉の受け皿的な役目をして、昆虫と花粉との接触の機会を高める。)
・花糸の機械的な保護(花糸は極めて細いので、毛があることにより強度が増す。)
・葯から花粉を飛散させたりするための花糸の動きや振動を容易にする。
 (日本植物生理学会・植物Q&A 「ムラサキツユクサおしべの毛の意義」を編集)






ワスレナグサ(忘れな草)

ワスレナグサ(忘れな草、Forget-me-not)は狭義にはシンワスレナグサ(学名:Myosotis scorpioides)を指します。
名前にムラサキはありませんが、科が ムラサキ科 です !(^^)!



ただし「園芸業界でワスレナグサとして流通しているのは、ノハラワスレナグサ (M. alpestris)、エゾムラサキ (M. sylvatica)、あるいはそれらの種間交配種である。一般には、広義の意味で称される。」(ウィキ「ワスレナグサ」)




「花期は3 - 5月。」
「花冠の喉に黄色・白色の目(小斑点)をもつ。」(同上)
色彩図鑑などには フォゲットミーノット(Forget Me Not)という名の色がちゃんとあるようです。






ここからは、ひと回り大きな花を咲かせる園芸品種「ミオソティス・ミオマルク」です。


学名:Myosotis hybrid










ムラサキセンダイハギ



観賞用に栽培されるマメ科ムラサキセンダイハギ属の多年草です。
「花は両性、蝶形花(エンドウマメに似た花:pea-like flowers)。」(三河の植物観察「ムラサキセンダイハギ」)






学名: Baptisia australis
属名 Baptisia は「ギリシャ語の「染まる」に由来している。 バプティシア属の植物で、藍(アイ)の代用としたことから。」(GKZ植物事典「バプティシア」)
種小名 australis は「「南方の、南方系の」の意。」(同上)
5月11日 豊田市渡刈町にて









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エゴノキ科、ナツロウバイ ‐ 夏は来ぬ

2024-05-11 15:00:00 | みんなの花図鑑
夏は来ぬ
の唄で出て来る花はもちろん「卯の花(ウツギ)」ですが、同じ季節 エゴノキ科やナツロウバイの花が咲き、初夏を感じさせてくれます。


ハクウンボク(エゴノキ属)



これは安城デンパークのハクウンボクで、4月29日の撮影です。次に出て来るエゴノキより少し早く咲きます。






エゴノキと比べて、葉のサイズと形は似ていませんが、花と実は似ています。





エゴノキ



エゴノキの学名は Styrax japonica
種小名が japonica となっていますが、エゴノキの分布は日本だけでなく、朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン、ラオス、ベトナムまでと広いです。




属名の Styrax は 古代ギリシャ語 στύραξ (stúrax、stýrax)に由来し、セイヨウエゴノキ(またはそれから採取される樹脂)のことを指していたらしいです。
「昔は若い果実を石鹸と同じように洗浄剤として洗濯などに用いた」(wiki 「エゴノキ」)





ナツロウバイ




元々のナツロウバイは初夏に咲くロウバイの仲間で、この仲間では唯一の中国産品種です。
初夏に咲くロウバイですが、性質はクロバナロウバイ(アメリカロウバイ)に近いとあります。





園芸品種 ’ハートリッジ・ワイン’ を検索しますと、通販サイトの「クロバナロウバイ:ハートリッジワイン」に記事が出て来ます。
それによりますと、「ハートリッジワインは初夏に咲くロウバイの仲間で、中国原産のナツロウバイと北米原産のクロバナロウバイの交配種です。」とあります。




クロバナロウバイ

クロバナロウバイは別名アメリカロウバイで、北アメリカに分布する落葉低木です。


「クロバナロウバイは、香る濃緑色の葉、多数の花弁からなるチョコレート色の甘く香る花が特徴です。」(みんなの趣味の園芸「クロバナロウバイの基本情報」)







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新緑の木の名前を考えてみましょう !(^^)!

2024-05-10 15:00:00 | みんなの花図鑑
【1】〇〇モミジ



翼果が無いので難しいです。





葉先は鋭く尖っており一重の鋸(のこぎり)葉です。


ということで
答えは

でした。






【2】〇〇〇モミジ(カエデ属)










ムクロジ科カエデ属のイロハモミジ(イロハカエデ)でした。






【3】ハ〇〇〇ノキ(ヌマミズキ科)






答えは ヌマミズキ科の

でした。



ヌマミズキ科が出たので、ほかのヌマミズキ科をいくつか


【4】ニッサ〇〇( Nyssa sinensis







答えですが

デンパークの樹名板には 学名をカタカナにして「ニッサ・シネンシス」となっていますが、よく「ニッサボク」の名で呼ばれています。
学名のNyssa sinensisは、「水の妖精(Nyssa)」+「中国の(sinensis)」(庭木図鑑 植木ペディア「ニッサボク」)

「雌花はその年に伸びた枝に咲き、雌花の後には藍色をした楕円形の果実ができる。ニッサボクの中国名は「藍果樹」あるいは「紫樹」で、この果実に由来する。」(同上)





もうひとつ

【5】〇〇ミズキ(Nyssa sylvatica










答えは

6月にこんな果実ができています。



「雌花の後には直径1センチほどの果実ができ、秋には黒紫色に熟す。一見すると食用になりそうだが、酸味が強くて食べられない。」(庭木図鑑 植木ペディア「ヌマミズキ」)


なお、となりにもう一本よく似た木が植えてあります。(▼)




が、こちらは樹名板が無いので クイズからは除外します。





【6】ノーザンレッド〇〇〇(ブナ科)




答えは ブナ科の

ノーザンレッドオーク(別名:アカガシワ/学名:Quercus rubra)
でした。






【7】ボ〇〇ジュ



ヒント: 場所は 行福寺(豊田市)境内です






答えは シナノキ属の

でした。





【8】〇〇キ(トウダイグサ科)



同じトウダイグサ科のナンキンハゼの花によく似ています。


答えは トウダイグサ科の

でした。





【9】サワ〇〇〇(ハイノキ科)





花は次期を過ぎていましたm(_ _)m

答えは

でした。






【10】セイヨウ〇〇 (カバノキ科)




答えは

でした。






【11】アメリカ〇〇〇〇〇(マメ科)







答えは マメ科

アメリカハナズオウ Cercis canadensis
でした。





【12】アメリカ〇〇〇〇(モチノキ科)









答えは モチノキ科の

でした。






【13】〇〇〇ガシ (ブナ科)






答えは ブナ科コナラ属の
ウバメガシ
でした。





【14】〇〇〇シイ(ブナ科)







答えは ブナ科マテバシイ属の
マテバシイ
でした。






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日本のシキミ、中国シキミ、フロリダシキミ

2024-05-09 15:00:00 | みんなの花図鑑
シキミ




本州から沖縄諸島および済州島に分布するシキミは、一説に鑑真和尚が仏教とともに日本に持ち込んだとの言い伝えがある(★)ほど仏教とのかかわりが強い植物です。
 (★)ただしシキミはインドには自生せず、日本では『万葉集』にも詠われ、また洪積世から種子が出土することから、日本の自生種と考えられている。(wiki「シキミ」)






シキミ(樒)の強い香りは、死臭を和らげるとともに、悪霊や邪気・害獣から故人様を守る効果があるとされてきました。浄土真宗では、「華瓶(けびょう)」という仏具に水を入れ、シキミを挿して、仏壇にお供えします。
日本のシキミは全体が有毒で、中でも果実・種子は食すと死に至ることがあるほど猛毒とされています。
学名は Illicium anisatum
 属名の Illicium (イリシウム) は 「 illicio(引き寄せる,誘惑する)。芳香のある」より。
 種小名の anisatum は 「香辛料となるアニス (セリ科) の香りに似ている」の意。





中国シキミ・ヘンリー




イリシウム・ヘンリー(Illicium henryi
イリシウムはシキミ属のこと。
「ヘンリーは中国西部原産で、晩春~初夏にかけて淡いピンク~濃紅色の花が房咲きになります。」(engei net「イリシウム:ヘンリー」)






「葉に不思議な芳香のある、中国原産の樒(しきみ)です。」(緑心造園「イリシウム・ヘンリー」)






「春、肉厚で透明感のある、星の形の紅色の花が、下向きに咲きます。
いつも青々とした、濃緑の長めの葉も特徴。」(同上)






イリシウム ランケオラツム


「イリシウム・ランセオラツム(Ilicium lanceolatum)は中国原産でシキミ科イリシウム属の常緑低木です。晩春に濃紅色の小花を咲かせます。葉に光沢があり、アニス香があります。同属にシキミ(樒、学名:Ilicium religiosum)があります。」(かぎけん花図鑑)










イリシウム・フロリダナム


イリシウム・フロリダナム(フロリダヌム)(Illicium floridanum
英名: Florida anise







原産地は アメリカ・フロリダ半島 のようです。
別名: アメリカシキミ、メキシコハッカク





赤芽シキミ(園芸品種)




いまさらですが、シキミ(樒)の名
「和名の由来は実が有毒なことから、「悪しき実」のアが抜けてシキミに転じたといわれている。」(三河の植物観察「シキミ」)





情報に乏しいですが、ちょうど赤い芽が出ていました(^^♪ (5月4日撮影)







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カラタネオガタマ、羽衣ジャスミン - 匂いと臭い

2024-05-08 15:00:00 | みんなの花図鑑
きょうは 匂い(臭い)のする木、3題です。

カラタネオガタマ


最初はモクレン科モクレン属のカラタネオガタマ(唐種招霊)です。
写真の木は安城デンパークのものですが、お寺などにもよく植えてあります。中国原産です。
カラタネオガタマ(唐種招霊)の学名は Magnolia figo






控えめですが、大変良い匂いがします。
属名 Magnolia は Montpellier植物学教授 Pierre Magnol (仏, 1738-1815) より。
「種小名のfigoはイタリア語でかっこいいとかイケてる!という意味です。」 (植物に親しむ~赤塚植物園「カラタネオガタマ Michelia figo」より)





ハゴロモジャスミン



つぎは、モクセイ科ソケイ属のつる性植物、ハゴロモジャスミンです。
ソケイ属というと分かりにくいので、ジャスミン属(Jasminum)といったほうが良いような気がしますが・・・






中国雲南省原産。
匂いは強烈です。花が咲くと、かなり離れたところからでも匂ってきます。






学名は Jasminum polyanthum で、種小名の polyanthum は poly(たくさんの)+ anthum (花)の意味です。
花冠の中央からめしべがグイッと外へ伸びています。


本物のジャスミンはこんな強烈な臭いはしません。
ジャスミンの街 - ダマスカス・シリア





シイ


私たちの地方ではこの時期 山が黄金色に変わります。これはシイノキが若葉と花を咲かせるためで・・・






遠くから眺める分は良いのですが、近くに行くとタケノコを湯掻いたときのような臭いをかがされることになります。
シイ属の学名をCastanopsisといいます。それは、castanea(クリ)とopsis(似ている)の合成語です。
シイの花の匂いは やはり「クリと似ている」のです。




この強烈な臭いは雄花が発しているもので、同じブナ科のブナやナラは風媒花なので雄花は地味で目立ちませんが、シイは虫媒花なのでこのような強い臭いを発して虫を呼ぶのです。



こちらは 同じ株の雌花。






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