赤色の高雄ルートと紫色の小港潮州ルートは今回新たに追加された
(台北 13日 中央社)台湾高速鉄道(高鉄、新幹線)を南部・屏東県に延伸する計画で、交通部(交通省)鉄道局の楊正君副局長は11日、ルートの候補に新たに2案を盛り込む方針を明らかにした。既存の2案を合わせ、計4案から検討されることになる見通し。新たな2案はいずれも南部・高雄市の市街地を経由するため、鉄道局は、より大きな経済効果が期待できるとしている。
現在は高雄市の左営駅を南端としている高鉄路線をさらに南に延伸する同計画。ルート案はこれまでに、左営駅と屏東市を結ぶ「左営ルート」と、現在線路が通る高雄市燕巣で分岐し、屏東市までつなぐ「燕巣ルート」の2案が検討されていた。これに新たに、左営駅から台湾鉄路管理局(台鉄)高雄駅を経由して屏東市まで延伸する「高雄ルート」、左営駅から高雄国際(小港)空港を経由して屏東県潮州まで延ばす「小港潮州ルート」が候補として追加される見通し。このうち、高雄ルートのみが地下化され、残る3ルートは高架線路を採用する。
楊副局長によれば、新たな2案を候補に盛り込むことが確定すれば、より詳細な実行可能性調査を進める予定。調査には6カ月から1年を要する見込みで、早ければ来年初頭には完了するという。
新たな2ルートの総工費はいずれも概算で1000億台湾元(約3470億円)を超える見通し。既存の2案に比べ、費用が300億~400億元(約1040億~1390億円)程度増大するとみられている。これに関して鉄道局は、新たな2案は市街地を経由するため、経済効果は既存案を上回るとの見方を示した。