京都の伝統技法「京友禅」で作られた服の販路拡大につなげようと、協同組合が海外の伝統衣装「カフタン」を製作し、売り込みを始めました。
カフタンは、中近東などで着用されている伝統衣装で、ゆったりとした長い丈や両サイドのスリットが特徴です。
京友禅の業者で構成する京都工芸染匠協同組合が、新たに製作した「京友禅カフタン」は、京友禅の技法で水色や紫色に染めた絹織物の丹後ちりめんを使い、いずれも和柄です。
組合では4年前(2021年)から伝統衣装としてインドに「京友禅サリー」を売り込んでいて、今回、「京友禅カフタン」を15点作り、今月(1月)インドで開かれた展示会で発表しました。
現地では、「シルクのカフタンは着心地がいい」とか、「こんなデザインは見たことがない」といった声が聞かれ、注目を集めたということです。
京都工芸染匠協同組合の中川和久 副理事長は、「職人の仕事が世界で認めてもらえたらうれしいです。これからも京友禅の魅力を幅広く伝えていきたい」と話していました。
着物離れで、京友禅の着物の需要は50年前のピーク時のおよそ2%に激減していて、組合では海外での販路拡大をさらに進めることにしています。