日本の研究者が開発し、世界で最も正確な時計とされる「光格子時計」が実用化され、販売を開始すると京都市に本社がある大手分析機器メーカーが発表しました。
「光格子時計」は、東京大学の香取秀俊 教授のグループが開発した時計で、レーザーの光で閉じ込めた原子の振動を計測することで、誤差が100億年に1秒程度になり、世界で最も正確な時計だとされています。
京都市に本社がある大手分析機器メーカーの島津製作所は、この「光格子時計」を実用化し、受注販売を開始すると発表しました。
重さはおよそ200キロで、価格は5億円からとなっていて、販売目標は3年間で10台としていますが、すでに複数件の問い合わせがあるとしています。
「光格子時計」はノーベル賞の受賞も有力視される技術として注目されていて、高精度で時間を計測する必要がある次世代通信や最先端の物理研究などに使われることが想定されています。
島津製作所の西本尚弘 基盤技術研究所長は「光格子時計は将来、広く使われて社会の基盤となる可能性を秘めている。今後も科学技術で社会に貢献できるよう努めたい」と話していました。