白石浩子氏
京都新聞グループが、大株主だった元相談役に19億円余りの違法な報酬などを支払っていたと指摘されている問題で、会社側が報酬などの一部を返還するよう求めていた裁判で、京都地方裁判所は元相談役に5億1000万円余りの返還を命じる判決を言い渡しました。
「京都新聞社」の持ち株会社、「京都新聞ホールディングス」などが、34年近くにわたって相談役を務めていた、元大株主の白石浩子氏に、報酬などとして19億円余りを支払っていたことについて、3年前(令和4年)、外部の弁護士でつくる第三者委員会は「勤務実態はほとんどなかった」などとして違法な支出だったと指摘しました。
裁判では、会社側が白石氏に対し、支払った報酬などのうち、時効分を除いた5億1000万円余りの返還を求めていました。
23日の判決で、松山昇平 裁判長は「白石家はオーナー家と称され、白石氏は京都新聞社の25%以上の株を持つ株主で、報酬の支払いは株主権を行使しない見返りだった。ほとんど職務を行っていなかったにもかかわらず高額な報酬を受領していて、会社法が禁じる利益供与に当たる」などとして、会社側の主張を全面的に認め、白石氏に対し、5億1000万円余りの支払いを命じました。
判決を受けて、京都新聞ホールディングスは、「高い公共性が求められる報道機関を中核とする当社において、法令違反状態が長年続いたことを改めておわびします。第三者委員会の指摘を受けてガバナンス改革を実施してきましたが、今後もコンプライアンスを徹底し、再発防止に努めます」とコメントしています。
一方、白石氏の代理人の弁護士は、「判決を見ておらず、依頼人の意思もわからないので現時点でのコメントは差し控える」としています。