去年の4月から
高額療養費の事前申請が出来るようになりました。
事前申請とはなんぞや。
今までの制度では、入院や高額の検査等をして医療費が一定以上の金額になると、
一旦自己負担分を全額支払い、
事後に申請することで越えた分だけ戻してもらえるというものでした。
しかし、これは申請から振り込まれるまでに
2ヶ月近くかかるという難点がありました。
たとえば心臓の手術をすると150万円ぐらいかかります。
2ヶ月後に140万円以上戻ってくるとはいえ、
とりあえず払わなければならないという 大きな金銭的負担がありました。
患者側には負担がきつく、
また病院側は未収金が多くなるというデメリットがあります。
これが新しい制度によって変わったのです。
事前申請の方法はとっても簡単です。
国民健康保険の場合は、市町村の国民健康保険課へ
政府管掌保険の場合は、社会保険事務所へ、
(政府管掌保険は統括の社会保険事務所の名前が入っているカード式の保険証です)
印鑑と保険証を持っていくだけです。
私の住んでいる市だと即日発行してくれます。
入院で高額の医療費がかかる場合は、入院してからでも間に合いますのですぐに申請しましょう。
この限度額適用認定証を病院の窓口で入院の時に見せれば、
支払いは限度額以上しなくてすみます。
(ただし、食事代、差額室料、健保対象外の治療・検査は除外)
組合健保の場合は、組合健保へ電話で聞いてみましょう。
国民健康保険と政府管掌保険の場合は
一般世帯だと
80,100円+(医療費-267,000円)×1%円
が高額療養費の限度額となっています。
事前申請をしておけばこの金額以上は請求されません。
組合健保の場合はこの限度額がそれぞれ独自に設定されています。
私の辞めた会社だと2万円以上が戻ってきていました。
また、この高額療養費は過去12ヶ月間に4回以上限度額の適用が行われた場合は、
44400円に限度額の金額が下がります。
同じ医療機関であれば4回目から自動的に金額を下げて請求されますが、
複数の医療機関で過去12ヶ月に4回を越える場合は、
自分で市町村の窓口あるいは社会保険事務所に申請に行く必要があります。
なお、医療費は年間10万円を越えると確定申告で税金が戻ってきます。
本人が税金を払っていなくても同一住所の家族であれば医療費免除の申請が出来ます。
つまり、お子さんでもご主人でも確定申告に使えるのです。
また同一住所の家族の分はまとめることができます。
ただし、払った税金分しか戻ってきませんのでご注意を。
この医療費には通院費(タクシーも可。ただし領収書必要)も含まれますので、
忘れずに計算しましょう。
公的交通機関を使った場合は領収書は必要ありません。
市販の薬代も請求できるので、ドリンク1本といえども領収書を貰いましょう。
(医薬品のみ)
たとえ少ししか税金(所得税)が返ってこなくても、
申請することによって市町村民税が安くなることもあります。
膵炎患者でフオイパンを服用している場合は、
1年10万円は余裕で越えますので、確定申告は忘れずに。
※追伸
事前申請をしそびれた場合の高額療養費の申請
医療費の領収書、振り込んでもらう銀行口座がわかるもの、印鑑、保険証を持参して
市町村窓口か社会保険事務所に2年以内に行きましょう。
後日加筆
現在では外来でも高額療養費制度が使えるようになりました。
外来で抗がん剤ように高額な治療を行うことが増えたのが理由のようです。
ですから、高額の医療費を払う可能性がある方は
毎年限度額適用認定書を申請しておいたほうがいいでしょう。
私の場合は、毎月保険証と一緒に確認して貰っています。
また、平成22年4月からは、
総合病院で複数の診療科のレセプトを一本化されました。
このため高額療養費の請求も一つの医療機関として
まとめて行えるようになりました。
医科と歯科、入院と外来とではレセプトが分かれますが、
窓口負担が2万1千円以上のものについて、
合算して高額療養費を請求することができます。