本日は医療ネタを少し。
少し前に病院を受診した時のことです。育児勤務中の看護師さんから
びっくりなお話を聞きました。
彼女は、私が産婦人科病棟に入院していた時に親しくなりました。
産婦人科病棟に入院になったのは、内科が満床だったためで、
私の数多い入院の半分ぐらいは産婦人科病棟でした。
内科、産婦人科両方とも、述べ5ヶ月ぐらいはいたように思います。
長い入院でしたから、自然と看護師さんとは仲良くなります。
ただし、病棟は激務なので、3年で殆ど入れ替わってしまいます。
(退職してしまう。)
今は病棟の看護師さんは殆どわかりません。
だけど、上述の彼女は結婚、出産を経て、未だに頑張ってます。
彼女が妊娠時に勤務していた病棟では、
産休の直前まで、
妊婦に深夜勤務をさせていた
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・・・のだそーです。
姉の友達が勤務する、ブラック病院も真っ青。
(過去記事
『場末の病院物語』参照)
ちなみに、姉の病院では、妊婦は準夜勤までだそうです。
本当は準夜勤でも母性保護規定にある深夜勤務になるから
「本人が希望した場合」にはさせてはいけないのですけどね。
(本人の希望など通らないのが、医療界の常識、世間の非常識。)
妊婦を寝ずに働かせて、(しかも肉体労働)
何かあったらどーすんねん!?
と心配になるけれど、そこは産婦人科病棟。
何かあったら、いつでも産婦人科医がいるので大丈夫。
・・・ってことですかねえ。
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妊婦の職員にここまで厳しい病院が、
優しいお産を提供できるとは思えません。
病院というのは、どこもブラック。
ブラックなのが病院ということでしょうか。
以前から何度かブログで触れている医師の過剰勤務について、
先日の宮崎日日新聞にこんな記事が載っていました。
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11月14日付、宮崎日日新聞より。
県立3病院で、
医師が夜間当直を挟んで連続30時間以上勤務する長時間労働
が常態化している。
当直が労働基準法の定める軽度な業務にとどまらない激務で、
事実上の通常業務とみなされているためだ。
背景には医師不足があり、
「特効薬は見いだせていない」と県病院局経営管理課。
過重労働や違法性を認識しつつも現状維持せざるを得ないという。
同課によると、午後5時15分~翌日午前8時半の当直体制は
宮崎病院3人、延岡病院2人、日南病院1人。
4月1日現在、宮崎84人、延岡29人、日南21人の
ほぼ全ての診療科の医師で回している。
昨年度の休日を含む当直では1日平均で宮崎が11・2人、
延岡が9・5人、日南が4・9人の救急患者に対応した。
労基法では、当直業務を巡回や検温など軽度な内容に限定。
当直に認定されるには労働基準監督署の許可が必要だが、
宮崎は2010年の申請時に
「通常の診療をしているため当直には該当しない」
として認められなかった。
日南は03年に労基署の調査が入り、許可を取り下げた。
延岡は許可証の所在が不明。
同課は3病院の
当直に「違法性はある」との認識を示す。
3病院では医師が当直の前後に日勤業務を行っているが、
当直が救急患者の診療をしているため、
労働時間が30時間超となることも珍しくない。
当直時に救急対応した実働分は時間外労働となるため、
労使協定で合意した時間外労働の上限70~80時間を超える月がある。
実情について、ある医師は
「40時間以上働くこともある」と明かす。
多い日は一晩で救急車が10台以上来る。
仮眠は取れて2~3時間で、日によっては一睡もできない。
「
労基法を意識したら医療現場は回らない。
ただ、今の当直体制や長時間労働は問題だ」
と訴える。
同課によると、
当直をやめ、1日の労働時間を8時間に区切る3交代制を導入するには
医師の数が足りず、通常業務にも支障が出るという。
身動きできない状況に、同課の永田耕嗣課長補佐は
「少しずつ医師確保を進めるしかない」と話す。
宮崎産業経営大法学部の廣田久美子准教授(労働法)は
「長時間労働は医師の健康問題や医療の質の低下に関わる。
労働環境が改善されないままでは医師不足が悪化しかねない」
と危惧。
「労基法のルールの中で働きやすい環境を整える一方、
国の動きも促しながら医師確保を急ぐ必要がある」
と力を込める。
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医師不足、医師不足と叫ばれていますが、
医師の総数は足りているような気がします。
(暇なクリニックはたくさんありますから。
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)
足りていないのは勤務医であり、
中でも急性期病院で難しい病気を診る医師でしょう。
医師の世界では不思議なことに、
国公立の大学病院が一番薄給なのだそう。
同じ勤務医でも、200床未満程度の勤務医なら
ほぼ定時で終われる上、給料は公的病院の2〜3倍なのだとか。
つまり、能力があり、重労働且つ薄給に耐えてくれる医師が足りてないのです。
・・・当たり前ですね。
殿が
「(働いても働いても)毎年、給料が下がる
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」
と嘆いておられたのを思い出します。
上記の記事によると、宮崎では労基署の調査があったようです。
姉の病院にも労基署、入ってくれへんかなあ。
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入ったところで、大した指導はしてないみたいですけどね。
病院を指導しすぎると、国の財政に関係してくるので
指導が甘いのだろうと推察いたします・・・。
電通は国の財政には関わりがないので、
遠慮なく指導されそう。