サイネリアのふるさと！

花のステージに近寄ってみました。
驚くことにステージは5段もの花で囲まれています。
このピンクや青の花はシネラリア（サイネリア）。
北アフリカやカナリア諸島原産のキク科植物です。
カナリア諸島はアフリカの北にある大小の火山島です！
大陸から隔離されているため固有の生物種が多く残っており
世界遺産にも登録されている地域も複数あります。
シネラリアと同じようにカナリア諸島が原産の
エキウム・ウィルドプレッティという３mにもなる巨大な草花は有名で
おそらく名前は知らなくても写真を見るとわかる人も多いはずです。
このように環境や生物多様性を考える上で、
とても重要な場所で生まれたシネラリアですが、
ヨーロッパでさまざま交配されて現在の園芸種が作り出されています。
はるか遠くのカナリア諸島で誕生したシネラリアが
長い年月をかけて、この寒い北国の名農で咲いている。
きれいな花には祖先が辿った壮大なドラマが隠されていました。
こんな身近な花のルーツを探る学習も面白そうだと思いませんか。
それにしても昨年の秋から第２農場のガラス温室で育て
きちんと卒業式に開花させるプロの技術は、いつ見ても脱帽です。

花の卒業式

3月1日は名久井農業高校の卒業式。
約100名の3年生がさまざまな思いを胸に旅立っていきました。
そんな彼らを晴れ舞台を演出するのがこの花のステージ。
見事な花がこれでもかとステージを取り囲んでいます。
一昨年、このブログをご覧になった中学校の教材を
出版されている会社から突然連絡がありました。
学校で育てた花の優れた活用例として教材に掲載したいというのです！
学校に相談したところ、もちろんOK。
全国の中学校の関係者に紹介されました。
この素晴らしい花のステージは卒業式の数時間だけあらわれるため
学校関係者以外はこの存在を知りません。
もちろん多くの保護者も卒業するこの日まで目にすることはありません。
したがって会場に案内された保護者のみなさんはとても感動されるようです。